「働く」を通じて、人々に笑顔を与えたい――クラウドワークス吉田社長21世紀の新しいワークスタイル(2/2 ページ)

» 2014年01月30日 11時45分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]
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21世紀の新しいワークスタイル

――人々にとって“働く”ことは、どのように変化していくとお考えですか?

 クラウドソーシングを利用する利点の1つとして、「時間や場所にとらわれず働ける」ことが挙げられます。確かにその通りだと思いますが、それは単なる手段でしかないでしょう。21世紀の新しいワークスタイルとは、ただインターネットを通じて収入を得られるだけでなく、『感性の世界』を届けられるものでなければ意味がないと思っています。つまり、「働く」ことで人々に『喜び』や『ワクワク』を生み出していきたいんです。

――具体的な取り組みについて教えてください

 「お仕事相談所」「マイチーム」「ありがとうボタン」といった機能があるのですが、これらは人々の驚きや感動を見える化し『感性の世界』を具現化しようという取組みの中で生まれたものです。

 まず「お仕事相談所」は、受発注における不安や疑問を事前に解決する場となっています。例えば相場が解らない発注者に対して、実際に働いている受注者が回答する。受注者と発注者とがコミュニケーションを取り、場合によってそこから仕事につながるケースもあるんです。

 受注者・発注者とも初心者という場合も少なくありませんから、いきなり契約の話に入るより、日常生活でいう「とりあえず会おう」というようなあいまいなステップを挟んだほうが、コミュニケーションが円滑になるのだと思います。

 また「マイチーム」は、クラウドソーシングにおいて『人と人とのつながり』を生み出しています。日本人は、「働く」ことにおける仲間意識が強いという特徴があります。つまり会社などの組織においても、その組織・仕事内につながりを持つんですね。これは海外ではあまり見られないことで、海外の場合は「仲間=仕事外の人」という位置付けがされています。

 マイチームでは、チームに登録したメンバー(=仲間)の空き時間が見える化されます。各人のしごと状況をこの既往で確認することで、適切な発注が可能になっているんです。

 最後に「ありがとう」ですが、日本の場合、お歳暮やお礼状などを送りますよね。その意味は、日ごろの感謝です。こうした感謝の気持ちをITに導入したのが、「ありがとう」なんです。機能リリースからまだ半年ですが、「ありがとう」の意思を示すボタンの累計クリック数は41万回を超えています。

 例えば何か仕事を依頼する場合、どうしても全員に依頼をすることはできません。そうすると、

 「あの人はすごく対応も良かったのに、申し訳ないな」

 などの気持ちが生まれるでしょう。そんな気持ちを、「ありがとう」によって相手に伝えられます。まさに報酬ではない、これまで見えなかった価値を見える化する機能といえるのではないでしょうか。

 グローバルと比べると、日本でのクラウドソーシングは、個人も企業の側もまだまだ成長途中です。これからも当社は、利用者の感性を大切にしたクラウドソーシングサービスの提供を通じて、21世紀の新しいワークスタイルを実現していきたいと考えています。

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