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» 2004年10月01日 18時59分 UPDATE

dev blog/CMS7分で分かる9月のBlog界

9月になっても真夏日は続き記録更新する中、Blog界にも秋風の様相はなく、ますますヒートアップするばかりである。7分+αのボリュームで今月もお送りする。

[森川拓男,ITmedia]

Blogの書籍化への動きが興味深い

 8月にはBlogから生まれた同人誌の話題を挙げたが、9月になってBlogの書籍化の動きが活発になってきた。

 Blog内容を書籍として出版するという試みは、すでに「はてなダイアリー」が有料サービスとして行っている。この「はてなダイアリーブック」を実現するにあたり提携しているのが、デジタオ・アウトレットだ。

 この企業は、日記やBlogといったネット上のコンテンツを一冊からでも書籍化するというサービス展開を行っている。すでにいくつかの日記サービスなどと提携しているが、9月15日には「AutoPage」書籍化サービスを正式スタートさせた(9月24日既報)。

 しかし、ここまでは自費出版のBlog版といった感じのもの。ニフティが提供している「ココログ」が始めた「ココログブックス」は少し違う。

 ココログの中でも魅力的なコンテンツを書籍化、全国の書店で販売を行うといったものだ。ただし、誰もが申し込めば出版できるといったものではない。まず、「ココログブックス・コンテスト」を開催し、「ココログブックス賞」を受賞した1名に、作者費用負担無しの書籍化権が与えられるという仕組みだ。

 さらに、ノミネートされただけでも、将来的な書籍化のチャンスがあるかもしれない、ともコメントしている。募集期間は9月24日〜10月31日。第一線で活躍する編集長3名による審査は、11月1日〜12月24日まで行われ、ノミネート作品は12月13日に発表される。受賞作品が発表されるのは2005年1月22日だ。

 「ココログ」ユーザーのみのコンテストとなるが、ISPがBlogの書籍化に動き出したことは、興味深い。

 9月14日には、dev blog/CMSでも「IT業界の“いま”を知る――IT著名人Blog」を掲載したが、今後はこの中からも出版されるBlogが出てくるのかもしれない。

Blogユーザーは高機能指向に?

 9日には、gooリサーチとjapan.internet.comによる定期調査「Blogに関する調査」の第6回レポートが発表された(9月14日既報)。

 これによると、容量増加などのオプションサービスについて、「無料で使いたい」という人が66.9%で最も多いが、「機能・容量が良ければ200〜300円程度の有料でも利用したい」が前回調査よりも9.5ポイント増え18.2%となっている。

 これは興味深い。

 「すでに有料で利用している」も5.0%あり、まだまだ無料サービスが優勢だが、付加価値によっては有料でもBlogを使いたいというニーズがあることが伺える。今後、各Blogサービスがどのような付加価値をつけてくるのかを注視し、比較する動きが増えてくるだろう。

9月も負荷に悩む各サービス事情、でも実は?

 さて、9月におけるBlogサービスについて振り返ってみるとしよう。

 マイクロソフトは、開発者向けに提供していたBlogへのトラフィックが急増したことからBlogには記事の一部だけを表示する決定をしたが、批判を受けて撤回している(9月17日既報)。

 IT業界を牽引していくべきマイクロソフトにしてはいささかお粗末な対応だが、これは何もマイクロソフトだけが抱える問題ではない。

 夏休みが終わって9月になっても、Blogサービスにかかる負荷は増大する一方なのだ。7月に正式サービスを開始する予定で延期されていた「Doblog」は、ようやく9月13日に正式版開始を予告しながら再延期、結局は10月5日の正式版リリースを発表した(10月1日既報)。

 しかし、実際にリリースされるまでは油断できない。正式版がスタートしても混乱してしまい、結果的に新規ユーザー登録を停止したままになっている「JUGEM」の例もある(もはや代名詞となってしまった感もある)。

 Blogサービスのユーザー大移動も行われているのではないか? という意見もある。

 特定のBlogサービスが重くなった際、トラックバックを始め情報交換は一挙に爆発し、こっちのほうが軽くて使いやすいという話が高まると、一気にユーザーが移動するというのだ。事実、つい最近まで重かったBlogサービスが軽くなり、逆に軽くて使いやすかったはずのBlogが極端に重くなった、という例が見られた。

 これらの混乱の元は、サービスを提供する側とされる側の思惑の違いから起因するのではないだろうか。実際、ユーザーの声をきちんと汲み取っているのかどうか、疑問の例も多々見られるのだ。今後のBlogサービスの対応に期待していきたい。

RSSへの対応が活発に

 9月下旬になって、gooとライブドアが、独自のRSSリーダーをリリースした。「goo RSSリーダー」(9月28日既報)と「livedoor Blogリーダー」(9月30日既報)だ。この件に関しては、後述する。

 ライブドアと楽天は、Blogやインターネットとはまったく関係のないプロ野球という土俵で争いをしていることは周知だ。しかし、2社ともインターネット関連であることは、忘れてはならない。というのは、どちらもそのサービスにおいて、微妙にユーザーと離れている部分が見られるのだ。

 ライブドアが提供する「livedoor Blog」は、株価情報へのトラックバックを可能にしたり(9月14日既報)、HTMLエディタ機能を追加(9月29日既報)などと、一見、ユーザビリティを考慮しているように見える。

 しかし、MEMORIZEサービスをメンテを開始し(9月2日既報)、そのまま音沙汰がないままに9月が終わってしまっている。MEMORIZEには有料ユーザーもいるため、今後その対応がどうなるのか、注目されるところだ。

楽天の抱え込み模索は球界のみならず、さらに

 もう一方の楽天が提供する「楽天広場」は、アフィリエイトサービスを自社サービスに限定する発表を行った(9月30日既報)。Blogユーザーの半数以上がアフィリエイトを利用したり、興味を持ったりしている中、数多く存在するアフィリエイトサービスの選択権を与えずに自社サービスのみに限定するという「縮小」型で、新規ユーザーだけでなく、トラフィックゲートのアフィリエイトサービスを利用していた楽天広場ユーザーにどう影響するのだろうか。

 それではこのほかのサービスごとに見ていこう。

 ドリコムが提供する「マイプロフィール」は、9月中旬に「ドリコムBlog」と名を変えてリニューアルオープンと発表していた(9月9日既報)。その予告通り、9月25日13時に、ドリコムブログ(DRECOM Blog)として機能を大幅アップしてオープンした(9月27日既報)。

 しかし、想像以上にアクセスが集中したためか、直後はまったくアクセスできないという状態が続き、トラブルも発生している。

 グローバルメディアオンラインのBlogサービス「ヤプログ」は、記事サイズのトラックバック不具合に対応したり、広告枠の『ログイン』ボタンを復活させるなどのメンテナンスを行った(9月17日既報)。

 また、不正アクセスによってサーバが不安定などの障害に対応するため、システムサイドでIPフィルタリング機能を搭載している(9月29日既報)。しかし、この対応もあまり意味がないという意見もユーザーから出ており、何らかの抜本的な解決策が望まれるところだ。

 エキサイト提供のBlogサービス「エキサイトブログ」は、8月31日から同社のニュースサービスとのトラックバック連携を行った(9月2日既報)。

 シーサーが提供する「Seesaaブログ」では、後述するサーバーエージェントと提携し、コンテンツマッチ型広告「BlogClick」を開始した(9月15日既報)。また、28日には編集画面のインタフェースを変更、使い勝手を向上させるよう機能の洗練さを追求している(10月1日既報)。

 NTTレゾナントが提供している「goo BLOG」は、8月30日に記事本文のほかコメントにも利用できる絵文字機能を追加したが(9月1日既報)、9月6日には絵文字機能の改良を行っている。

 ユーザーサイドからの意見を元に、まず「絵文字投稿欄の表示・非表示選択機能」によって、絵文字を表示するかしないかを選択することを可能にしている。また、「RSSとトラックバックにおける絵文字タグ非出力化」により、RSSとトラックバックへの絵文字タグを出力しないようにした。以上、2点の改良によって、絵文字表示による負荷を最小限に抑えられるよう配慮した結果だ。

 NHN Japanが提供している「NAVERブログ」には、ケータイ投稿機能が新たに追加された(9月14日既報)。

 無料BBSで知られているティーカップ・コミュニケーションが提供する「AutoPage」では、複数人での記事投稿・編集が可能な「投稿メンバー機能」の追加提供を開始した(9月24日既報)。これにより、サークルや法人でのBlog運営がより便利に行えるようになっている。

 「DI:DO」は、JUGEMのRSS、及びMovableType形式のログのインポート機能を9月30日に追加した(10月1日既報)。

 「はてなダイアリー」では、はてなダイアリーのキーワードについて話し合う「はてな公聴会」を開催した。

複数の新しいBlogサービスも始まった

 9月16日には、人気ブログに賞金が贈呈されるという「アメーバブログ」がオープンした(9月16日既報)。

 さらに17日には、独自ドメイン利用の「LinkLog」ベータ版がオープン(9月21日既報)。当初はリンククラブユーザーのみだったが、28日には一般向けにもリリースが始まっている。

 27日には、地域密着型無料Blogサービス「CAT-Vスクエア ブログ」の提供が開始(9月28日既報)。

 少し趣向が変わっているものとしては、9日に開設された「チャブログ」がある。誰もが開設できるBlogサービスとは異なるが、Blogを利用した新しいサービスとして注目したい(9月10日既報)。

 いずれのサービスも、既存のBlogサービスにはない独自性をアピールしており、今後の発展が期待されるものばかりだ。もはやノーマルな機能性だけではユーザーにアピールできなくなってきた感がある。

ISPのBlogサービスもケータイ対応に注力

 ISP系のBlogサービスでは、「BIGLOBE」が提供中のフォトアルバムとBlogを融合させた「フォトブログサービス」を開始した(9月1日既報)。

 AOLの「AOLダイアリー」では、9月21日に報じたように、ケータイ投稿機能も追加され、さらに使い勝手が向上された。

企業へのBlog活用に明るい展開があった

 法人向けBlog関連サービスにも、動きがあった。

 オーシャンブリッジは、Blogで構築した販売代理店支援サイト「オーシャンブリッジ パートナー様販売支援サイト」をスタートした(9月30日既報)。今回、運用をスタートした業界初となる販売支援サイトを皮切りに、技術サポート情報の提供や社内ナレッジ共有などの業務分野へも、Blog活用提案を広げていくという。

 サイバーエージェントは、先にも触れたがBlog上に特化した広告配信サービス「BlogClick」(ブログクリック)のサービスを開始した(9月10日既報)。主な提携先Blogサービスとして「Seesaaブログ」「ドリコムブログ」が挙がっているが、新たな広告の在り方として、今後さまざまなサービスに利用されていく可能性が高い。

 消費者に関連するものとしては、IT関連ではないP&Gが開始したアリエール「I Love 困ったさんコンテスト」が目新しい(9月27日既報)。Movable Type利用の新たなBlogマーケティングサービスとして注目される。

Blogの利便性を追求するバージョンアップが多数、セキュリティホール対策も

 最後に、主なBlogツールについても振り返っておこう。

 トピックスとして、前述もしたがRSSへの動きがある。米ヤフーでは、「RSSの大衆化」を目指すというコメントを発表(9月29日既報)。これが、国内のヤフーにも反映されるかは現時点で未定だが、この動きが、ほかのBlogサービスやツールに与える影響は少なくないだろう。

 さらに冒頭でも触れたが、9月下旬になりgooとライブドアが独自のRSSリーダーを発表している点も忘れてはならない。

 「goo RSSリーダー」(9月28日既報)は、Windows XP/2000で利用可能なPC上のソフトウェアであり、goo BLOGなど、gooのRSS対応コーナーがあらかじめ登録されているのが特徴だ。

 それに対し、「livedoor Blogリーダー」(9月30日既報)は、ブラウザ上で利用するサービスとして提供されている。

 それぞれタイプこそ違うものの、ポータルサイトとしてRSSリーダーを提供するというのは、先のヤフーによるRSS対応と合わせて注目すべき事項だ。

 米Six Apartでは、Blogツール「Movable Type」の一般向け正式版のバグフィックス版3.11をリリースした(9月6日既報)。

 複数のCMSツールでは、セキュリティフィクスを施したバージョンを公開している。「XOOPS」(9月14日既報)、「e107」(9月22日既報)、「Nucleus CMS」(9月30日既報)。いずれも、セキュリティホールの危険性についてであり、それに対応している。

 また、「XOOPS」については、ITmediaで「月刊「XOOPSコミュニティ通信」――準備号」が掲載された。

 9月は、国産のBlogツールのうち、「Blogn」と「sb」が積極的にバージョンアップを行っていたのも目立ったニュースだ。

 「Blogn」は9月6日に報じたように、文字エンコード処理を自動判別する1.7.1を公開、8日にはエンコード不具合を修正した1.7.2を公開している(9月9日既報)。さらに25日には投稿制限を追加した1.8.0の公開、規約も整備した(28日既報)。なお、29日には細かい修正を施した1.8.1を公開している。

 また、「sb」は、ケータイ対応の1.02Dを公開し(9月8日既報)、再構築オプションなどを追加した1.03Dを11日に公開(14日既報)。その後もバージョンアップが続き、9月30日現在でのバージョンは1.08Dになっている。

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