老舗納豆メーカーのマルキン食品、ストレージ基盤をDell EMCファミリーで強化

熊本のマルキン食品は、「Dell EMC Unity」と「Dell EMC Data Domain」を導入し、基幹業務用ストレージ基盤を刷新した。

» 2017年06月29日 12時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 熊本のマルキン食品は、受注、販売管理システムなどの基幹業務用ストレージ基盤を刷新し、Dellのユニファイドストレージ「Dell EMC Unity」と、重複排除バックアップストレージ「Dell EMC Data Domain」を導入した。システムの性能や柔軟性の向上と、BCPの強化を図るのが狙いという。

 老舗の納豆メーカーである同社(大正5年に創業)は、納豆や豆腐をはじめ、こんにゃく、ところてん、辛子れんこんなど、多彩な商品群を展開。受注から製造、納品までのリードタイムを短縮するため、業務へのICT活用を推進している。これまでもDell EMC製品を利用してきたが、容量増設などの作業に手間が掛かり、ピーク時にレスポンスが低下するといった問題があった。

 今回、ストレージ基盤の性能と柔軟性の向上を目的に、新たに「Dell EMC Unity 300」を2台導入。選定の際は、性能とコストのバランスや、将来の拡張が容易であることに加え、EMC Unity独自の自動階層化機能「FAST」により、高速なSSDをストレージの2次キャッシュとして利用したり(FAST Cache)、アクセス頻度に応じてデータの配置を換えたり(FAST VP)できる点を評価したという。

Photo マルキン食品が導入したシステムの構成イメージ

 同社では、朝、昼、夕方の1日3回、受注処理が集中するが、新ストレージ基盤の導入により、オンラインレスポンスが大幅に向上。現場ユーザーから「ピーク時の応答が速くなった」と評価されており、顧客の注文に素早く対応できるようになったという。

 また、豆腐工場は明け方から稼働を開始するため、午前2〜3時ごろまでにはバッチ処理を終える必要があるが、新システムでは、バッチ処理も大幅な性能改善を図れたとしている。

 さらに、2016年4月に発生した熊本地震を教訓にBCPの強化も図った。従来はバックアップ用ストレージを本社内に置いていたが、バックアップやディザスタリカバリー用に、重複排除機能を備える「Dell EMC Data Domain 2200」を本社と遠隔地の拠点に配置し、遠隔地へのデータレプリケーション環境を構築した。差分データだけを転送すればよいため、ネットワークに負担を掛けることなく短時間でレプリケーションができ、バックアップデータの容量増加も最小限に抑えられるという。

 ローカルでのバックアップも効率的に行えるようになり、従来は日次(にちじ)処理として約10時間かかっていたが、約40分にまで短縮した。以前は、翌朝になってもバックアップが終わらないケースがあったが、現在ではこの問題も解消。同社は、今回の成果を踏まえ、他のシステムのバックアップにもDell EMC Data Domainの適用を広げていく考えだ。

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