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世界初、“真空”でジュースを作るミキサーが登場

» 2013年06月20日 18時03分 公開
[ITmedia]
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 TESCOM(テスコム)は6月20日、世界初の「真空ジュースミキサー」こと「TMV1000」を発表した。容器内部を0.3気圧まで下げてから攪拌(かくはん)することで、口あたりがな滑らかで栄養価も高い生ジュースができるという。同社の楠野寿也社長は、「新開発の真空ミキサーを、世界に先駆けて投入する」と胸を張った。

真空ミキサー「TMV1000」は6月21日に発売する。実売2万9800円。※ここでの“真空”とは大気圧より低い圧力の状態を意味します

同社の楠野寿也社長と製品コンセプト

 TESCOMは、ミキサーやフードプロセッサー、ハンドミキサーといったキッチン家電で国内トップシェアを誇るメーカー。しかし、2012年に海外メーカーから果物や野菜をゆっくりと絞ることで栄養素を保つ「スロージューサー」が上陸。3万円前後と高額ながら、昨今の健康ブームにものって売上げを伸ばしている。

 しかしTESCOM商品開発部の秋田裕氏は、スロージューサーは材料を圧搾することで材料の酸化を防ぐことはできるが、ダイエット効果のある不溶性食物繊維の摂取に課題があると指摘する。「ジューサーの絞り率は70%で、残りの30%は“絞りカス”として捨てられてしまう。一方、材料を“混ぜる”ミキサーは不溶性食物繊維の摂取には有効だが、空気が多く混入することで材料の酸化や“泡立ち”の原因になる。酸化によってビタミンCやポリフェノールが減少する」。

 一方、空気を抜いてから撹拌する真空ミキサーは、ジューサーとミキサーの長所を合わせ持つ“良いところ取り”。「例えばリンゴジュースなら酸化による色の変化が起きず、バナナジュースは泡だたずに“のど越し”がいい。さらに第三者機関に検証してもらった結果、ポリフェノールが通常の3.2倍も残っていた」(TESCOMの楠野寿也社長)。

真空ミキサーのメリット

 財団法人日本食品分析センターが実施した100ミリグラム中の成分残存量比較では、従来のミキサーがポリフェノール1.3ミリグラムだったのに対し、真空ミキサーでは4,2ミリグラムと約3.2倍。さらに24時間が経過すると56.3倍にまで差が広がったという。ビタミンCの残存量も15%の違いが出た。「真空ミキサーなら保存の際にも真空を保つことで生ジュースの作り置きが可能になる」(同社)。

分析結果

 TMV1000の操作パネルには「真空」ボタンが用意されている。容器に水と材料を入れ、パッキン付きのふたを締めてから「真空アーム」を取り付ける。この2つを取り付けないと動作しない仕組みだ。「真空」ボタンを押すと空気を抜き始め、水や材料からも泡が出てくるため、気圧が下がっていることが分かる。内部が0.3気圧になると自動的に攪拌がスタートし、終了するとやはり自動的に止まる。動作時間は、最初に「真空」ボタンを押してから2分程度だ。

材料と水を入れ、「真空」ボタンを押す(左)。水や材料からも泡が出てくる(中)。ふたを開けるとき、ポンと音を立てるのも中の気圧が下がっていた証拠だ(右)

できあがり。余分な泡がないため見た目も大きく違う(左)。リンゴジュースを作ってしばらく放置すると、通常のミキサーで作ったものは上下に分離してしまう。これは、中の気泡が食物繊維に結びついて浮力を与えてしまうからだという(右)

 メリットは栄養価や保存だけではない。空気を抜くことで余計な泡が立たず舌触りも滑らかになる。発表会で真空ミキサーを体験したタレントの東尾理子さんは、「ミックスジュースでも素材1つ1つの味が分かる」と話していた。

 「食物繊維たっぷりで滑らかな舌ざわり。体験すれば、こんなおいしい生ジュースがあったのかと驚くはず。真空ミキサーは、いつもの生ジュースが上質な味わいを持つ“プレミアム生ジュース”に変える」(楠野氏)。

発表会に駆けつけたタレントの東尾理子さんも真空ミキサーを体験。出来上がったジュースを一口飲んで「口あたりが違う」

 真空ミキサー「TMV1000」のサイズは、150(幅)×300(高さ)×300(奥行き)ミリ。ボトルの定格容量は780ミリリットル。ジュースボトルとフタ、ヘラ付きブラシ、そして“ベジタリアン料理研究家”のいとうゆきさんが監修した専用レシピブックが付属する。

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