シャープは7月14日、ドラム式洗濯機の新モデルを発表した。毎秒100万個の微細な水の高圧シャワーを勢いよく衣類に吹き付ける「マイクロ高圧洗浄」をパワーアップさせ、業界初だというヒートポンプとサポートヒーターのハイブリッド方式で天日干しに近い乾燥を行う。
ラインアップは、サポートヒーターや「ココロエンジン」を搭載する上位モデル「ES-Z210」と、下位モデル「ES-A210」の2種類。価格はいずれもオープンで、実売想定価格は上位モデルが30万円前後、下位モデルが23万円前後となっている(いずれも税別)。一部機能やセンサー数が異なるが、本体サイズは同じ。発売は8月27日を予定している。
今回のモデルは農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」のメンバーと共同で約8カ月かけて開発したもの。同プロジェクトは農業に携わる女性の知恵を企業のノウハウと結びつけて新たな商品やサービスを世に送り出すというもので、日々衣服の汚れに悩まされる農業女子たちは、洗濯機に対して強い関心を持っていたという。
ES-Z210の特徴は、頑固な汚れを徹底的に落とす「極め洗いコース」と、水だけで5分で洗える「サッと予洗いコース」を搭載したこと。シャープはまず農業女子38人から洗濯機への要望を聞き、のべ10人と4回にわたる意見交換会を行った。その際要望として多かったのが、「泥汚れ、草の汁、汗じみをどうにかしたい」というもの。そこで、全国からさまざまな種類の土を集めて汚れを落とす実験を何度も繰り返したという。
農業女子のメンバーに「こんな柔らかい水で汚れが落ちるわけがない」「渡した衣服がどろどろになって返ってきた」など、厳しいコメントやお叱りを受けたシャープは、さらに試行錯誤を重ねた。そこから完成したのが、洗浄範囲を従来機(2014年発売のES-Z200/ES-Z210)の約1.4倍にしたマイクロ高圧洗浄機能だ。極め洗いコースでは、新搭載のサポートヒーターで約40度の温風を送り込んで汚れを浮かした後、標準コース比で約4倍となる水量のシャワーを浴びせて汚れをはじき出す。これにより、農業女子も納得の洗浄力を実現した。
大量の水を使うので水道代が気になるところだが、シャープ担当者は「農作業に携わらない一般家庭では、シーズンの変わり目で衣服の汚れをまとめてキレイにしてもらうことを想定しているので、年4回ほど使うコースだと考えるとそこまで水道代は掛からない」と説明する。日々頑固な汚れと格闘する農業女子にとっては使う機会が多い機能だろう。
さらに、農作業により汚れた衣服はほかの衣類と一緒に洗うことができず、事前に手洗いするか別々に洗濯する必要があった。そんな手間をなくすために搭載されたのが洗剤を使わず5分で洗浄できる「サッと予洗いコース」だ。子供のよだれかけに付いたケチャップなども、あらかじめ予洗いしておくことでほかの衣類とまとめて洗濯できるようになる。
除湿式のヒートポンプ乾燥に熱を加えたハイブリッド方式の採用で、乾燥運転もさらに進化した。天候や環境、時間などの都合でなかなか天日干しができない人たちに向けて、ふんわり感やカラッと感、温かさなどを重視した仕上がりを目指した。
型番 | ES-Z210 | ES-A210 |
---|---|---|
容量 | 洗濯10キロ、乾燥6キロ | |
マイクロ高圧洗浄 | ○ | |
ぽかぽか・おひさま乾燥 | ○ | − |
サポートヒーター | ○ | − |
センサー | 7種 | 5種 |
ココロエンジン | ○ | − |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 640×730×1114ミリ | |
カラー | ゴールド系 | シルバー系 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR