―― 各キャラの個性もすごいですが、アニメ全体を貫くコンセプトってあるんですか。一言で言い表すのが難しいというか。
大庭氏 うーん、プリパラは寅さん(「男はつらいよ」シリーズ)みたいなものですかね。
―― プリパラは寅さん!?
大庭氏 笑いあり、涙ありのコメディー。ギャグ要素のあるアイドルドラマですね。みんな友達、みんなアイドル。
―― 全体的に笑いの要素が多いですよね。たたみ掛けるようにギャグが飛んできて、視聴者としてツッコミが間に合わないことも。
大庭氏 あと、「若草物語」(19世紀後半の米国を舞台に、ピューリタンであるマーチ家の4姉妹を描いた物語、ルイーザ・メイ・オルコット著)の文法も参考にしました。
年齢ごとに感情移入できるいろんなキャラを用意している。実際、人気のキャラも年齢によって差があります。
ガァルルというキャラは歌も踊りも下手だけど、一生懸命成長していく姿が小さい子から支持されています。ファルルというキャラも(人間ではないけれど)人間味があり、子供から人気です。
―― 現在放映中の映画「プリパラ み〜んなのあこがれ レッツゴー プリパリ」の応援上映に行くと、観客が振るサイリウムの色で支持しているキャラが分かりますが、大人と子供でも違いがありそうですね。他にキャラ作りで意識されていることはありますか。
大庭氏 キャラを魅力的にするには、成長しても克服されない分かりやすい欠点を用意するのが大事です。
いつまでたってもおバカなところがあったり、毒舌だったり。基本的にプリパラアイドルたちは同じ失敗をずっとします(笑)。
―― 欠点は魅力の裏返しだと。欠点でキャラ立ちさせてるんですね。
大庭氏 そうですね。ストーリーの起伏をつけるためにトラブルや試練などがありますが、キャラの性格を根本的に変えないようにタツノコプロさんと作ってます。
―― 4月からアニメは3rdシーズンになり、ゲームも新機能が追加されます。
大庭氏 アニメは予告通り新キャラ「ジュルル」、新アイドル「じゅのん」「ぴのん」「かのん」が登場し、ゲームもそれに合わせて「神アイドルシリーズ」が4月2日から稼働します。
一番の特徴は、プリパラアイドルたちを「神アイドル」へと導く新ステージの導入。運がいいプレイヤーは、ライブ終了後のプリチケ印刷直前の画面で「女神ジュリィ」が登場し、「神チャレンジライブ」が発動します。ジュリィが出ると、SR(スーパーレア)以上のレアリティーの高いカードをゲットできます。
―― 運が良ければ女神が出てきて、レアコーデが手に入るんですね。
大庭氏 他にもボタン長押しの追加、画面全体でリズムゲームを楽しめるフルスクリーン仕様への変更と、全体的にパワーアップしました。
―― 新シリーズもどんな個性的なキャラが活躍してくれるのか楽しみです。
これまで、女児ゲームにハマる大人ユーザー「アイカツおじさん」や、「アイカツ!」のキーマンであるバンダイの高橋氏などにも話を聞いてきたが、女児市場がますます盛り上がっていきそうだ。
プリパラと「アイカツスターズ!」がそれぞれどのように差別化を図っていくのか。今後の動向に大人たちからも注目が集まる。
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