キヤノンの1型センサー搭載ハイエンド機「PowerShot G○ X」5兄弟の主力モデル、「PowerShot G7 X」がリニューアルして「PowerShot G7 X Mark II」(以下G7 X II)になった。見た目も基本性能も初代G7 Xとほとんど変わらないマイナーチェンジに見えるけれども、触ってみるとけっこう変化しており、「これは確かにMark IIだ」と思わせられたのである。
まずは軽くおさらい。
キヤノンのハイエンド機「G○ X」兄弟は、1.5型と大きなセンサーを持つ「PowerShot G1 X Mark II」が長兄(ということにしていいかと)。続いて、1型センサー機が4台あり、最初に登場したのがコンパクトでチルト式モニターを搭載した主力モデルのPowerShot G7 X、24-600mm相当の超高倍率ズームレンズを搭載した望遠系モデルが「PowerShot G3 X」、G7 XをベースにEVFを搭載したファインダー付きモデルが「PowerShot G5 X」、そして小型軽量を重視してレンズの明るさやズーム倍率を落としたモデルが「PowerShot G9 X」である。1、3、5、7、9の奇数5兄弟。
今回はそのなかのG7 XがリニューアルしてG7 X MarkIIになったのである。
では、旧モデルとなるG7 Xとの違いからチェックしておこう。
G7 XもG7 X IIも基本スペックは変わらない。
レンズは24-100mm相当で開放F値はF1.8-2.8と非常に明るい。100mm相当でF2.8はすばらしい。センサーは1型で2020万画素。これも同じだ。画像処理エンジンはDIGIC 6からDIGIC 7へと一世代進化した。でも変わったのは映像処理エンジンだけじゃない。
まずはこちらから。左がG7 X IIだ。
一見ロゴの位置が違うだけのようだが、よく見ると、グリップ部が異なる。これはでかい。G7 Xはグリップ部の凹凸がない上にさらさらしてて握ってて心許なかったのだが、G7 X IIになってずっと持ちやすくなった。これは素晴らしい点。
シャッターボタンの感覚も少し変わり、半押しまでが軽くなった。鏡胴周りのリングのクリック感も軽く細かくなり、G7 X IIの方が使いやすい。また、クリックのオフもできるようになった。動画撮影時など少しでも音を出したくないときにはスムーズに回った方がいいからだ。
次はモニター。
一目瞭然。G7 Xはコストダウンのためか1軸のチルト式で自撮りやローアングル撮影はできたけど、ハイアングル撮影はできなかった。G7 X IIは2軸のチルト式に。やはりこのクラスのカメラは2軸チルトにしてほしいもの。
ついでにいえば、G7 X IIの方が少し大きくなってる。厚さはモニターのチルト構造が変わった分プラスα、高さは少し角を面取りしたり段を付けてコンパクトに見せてはいるが、G7 X IIの方が少し高い。重さはG7 X IIが319グラムでG7Xが304グラムと少しだけ重くなってる。
まあ実使用上の大きさの差は感じないレベルなので気にすることはないのだが、使った感じは圧倒的にG7 X IIの方が上だ。
映像処理エンジンが一世代新しくなった影響はというと、少し画作りが変わった。高感度時のディテールはG7 X IIの方がより残っているし、肌色もG7 Xはやや黄色っぽくなりがちだったのにG7 X IIは少し赤みがさしていて健康そう。どちらがいいかは好みの問題ではあるが、わたしはG7 X IIの方が好き。
ただ人によってはオートホワイトバランスの微妙な違いが気になるかも。
もう1つ大きな違いは充電。G7 X IIはとうとうUSB充電に対応してくれたのだ。これはありがたい。もちろん従来通り充電器での充電もできるのでそこはお好みで。それにともない、USB端子もminiUSBからmicroUSBに変更されている。よいことである。
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