128万画素のCCDカメラユニットを採用した「F900i」は(2月13日の記事参照)、FOMA初のメガピクセルカメラ搭載端末。
静止画撮影時の操作体系や画質は既にお伝えしたとおりだが(2月12日の記事参照)、撮った後の処理や使い勝手はどのように進化しているのだろう。
F900iのカメラユニットはディスプレイ背面のヒンジ側に装備され、ディスプレイを開いて縦位置で利用するオーソドックスな撮影スタイル。ディスプレイ面に11万画素CMOSのインカメラも備えるが、画素数から考えるとテレビ電話での利用に割り切ったものだ。インカメラでも最大352×288ピクセルでの静止画撮影が可能だが、画質には期待しない方がいい。
カメラの使い勝手は良く練られている。設定状態を示すアイコンがディスプレイ下部に並び、設定状態が一目で把握できる。撮影画面で左右キー押せば、各アイコンに割り当てられた設定を選べ、上下キーで設定を変更できる。数字キーを利用したショートカットに比べて、慣れや記憶に頼る必用がない。操作部としてソフトキーを活用できるオーソドックスな撮影スタイルと、表示できる情報量が多いQVGAディスプレイをうまく生かしたインタフェースといえるだろう。
メニューを呼び出す必要があるのは、デフォルトの保存先や撮影日の写し込み設定など、一度設定してしまえばあまり変更しないものが多い。また保存先は撮影直後にも本体かminiSDカードかを選べる。
FOMAでは、PCや他キャリアの対応端末宛てに100Kバイトまでの添付ファイルを送信可能なため、640×480ピクセル以下ではファイルサイズを100Kバイト以下に制限する設定もある。正確にはEメール添付時(MIMEエンコード後)100Kバイトに収まるようにファイルサイズは最大でも65Kバイト程度になるようだ。
通常100Kバイトを超える640×480ピクセルFINEモードの静止画を、100Kバイト以下に制限する設定にして撮影しても、画質は思ったほど破綻していなかった。
352×288ピクセル以下の場合は、撮影直後に色調補正を行える。この状態では画像はおそらくrawデータなので(JPEG圧縮前)、保存後に補正をかける場合と異なり画質は劣化しない。これは全ての画像サイズで利用できるようにして欲しい便利な機能だ。
操作性や画質での不満はないが、基本的に保存が遅いのが難点。miniSDカードへの保存ではさらに遅くなる。シャッター音より実際に撮影されるタイミングが遅いため、油断すると手ぶれした画像になりやすいことや、ファインダーとしてディスプレイ表示される画質が荒く、撮影後に実際に撮影された画像を確認しないと不安になる──といったことも気にかかる。
保存時間は我慢の限界を超える印象も受けるので、次期モデルではぜひ改善してほしい。miniSDカードへの直接保存やminiSDカードからの画像のEメール添付に対応するなど、F2102Vから大きな改善が行われているのに、これでは宝の持ち腐れになってしまう。
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