ボーダフォンのW-CDMAサービス「Vodafone Global Standard(VGS)」は3GPP準拠の国際標準規格を採用しており、ローミング契約を結んだ海外GSM事業者のSIMカードをW-CDMA端末に挿入することで、日本国内でローミング受け入れを行っている。これは通信方式を3GPPが標準化する前にサービス開始したFOMAのネットワークでは行えず、VGSのアドバンテージとなっている。
ボーダフォンは既に昨年10月から、訪日する外国人ユーザー向けに「ボーダフォングローバルレンタル」を開始1月21日の記事参照。その後、成田空港や関西国際空港に専用カウンターを設け、W-CDMA対応端末「Nokia6650」のレンタルを行っている。海外からの訪日者は日本の空港に到着後、その場で端末をレンタルして、自分のSIMカードを挿せばすぐに使用できるのだ。
成田空港第一ターミナルのボーダフォンカウンターは広く明るいイメージ。おなじみの真っ赤なロゴは、海外からの渡航者にとっては見慣れたもの。日本に到着してこのロゴを見かければ、ちょっと安心するかもしれない。なお「ボーダフォングローバルレンタル」でNokia6650をレンタルする場合、料金は1200円/日、保険(オプション)が400円/日、最短レンタル期間は3日間となっている。
海外から訪日するユーザーは、上記ボーダフォンのレンタル以外にも、もちろん自国からW-CDMA機を持ち込んで利用してもいい。また成田空港や箱崎などのNokiaショップでNokia6650を購入し、そこに自分のSIMカードを挿入して使用することも可能だ。なお2004年3月現在、SIMカードを自由に挿入して使えるW-CDMA対応端末は数が少なく、Nokia6650、Nokia7600の2機種が現実的な選択肢となる。
今回は海外からNokia6650を持ち込み、香港のGSM事業者であるCSLとSmarToneのSIMカードを使って日本ローミングをテストしてみた。
成田に到着後、Nokia6650の電源を入れれば、画面には「J-PHONE」と表示され、無事に日本のボーダフォンでローミングされたことが分かる。なお海外出発時にNokia6650のネットワークモードが「GSM」のままでは、日本国内でボーダフォンのW-CDMAネットワークを拾うことができない。その場合は成田到着後、設定を「W-CDMA」または「Dual Mode」に切り替える必要がある。
GSM圏の場合、他国を訪問してその国のネットワークと接続すると、たいていその事業者からのウェルカムメッセージがSMSで届く。日本の場合も、ボーダフォンからほどなくして2通のSMSが到着した。
さっそく日本国内でローミングを試してみた。使用できるエリアはボーダフォンのサービス提供エリアとまったく同じだ。すぐに中国の知人から香港の番号に電話がかかってきたが、そのまま日本で着信し、電話を取ることができた。まだ日本でのローミングはあまり認知されておらず、「え、今日本なのに何で電話がかかるの?」と相手はちょっと驚いた様子。
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