デスクトッププリンタにも負けないフォト画質――キヤノン PIXUS 80i(1/2 ページ)

» 2004年03月31日 02時43分 公開
[リアクション,ITmedia]

軽量・コンパクトで収納性も抜群

 キヤノンの「PIXUS 80i」(以下、80i)は、モバイル向けカラーインクジェットプリンタ「PIXUS 50i」の後継機だ。

モバイルカラーインクジェットプリンタ「PIXUS 80i」

 印刷解像度は最高4800dpi×1200dpiで、インクカートリッジにCMY一体カラーと顔料系ブラックの2本を使う4色機である。印刷ヘッドは最小2ピコリットルのスーパーフォトノズルで、ノズル数はCMYカラーが各256、ブラックが320の合計1088ノズルと、グレード的には、デスクトッププリンタのエントリーモデル「PIXUS 455i」や「PIXUS 475PD」と同レベルだ。オプションだが、バッテリーでの駆動もできる。

 インクカートリッジはカラー、ブラックとも80i専用で、さすがに小さい。カタログスペックの印刷可能枚数は、モノクロが約200枚、カラーが約100枚(カラー印刷時のモノクロは約390枚)となっている。これに関しては、L判写真の印刷枚数とバッテリー駆動時間を実際にテストしたので、画質や印刷速度の計測値と合わせて後半で報告しよう。

 本体はブック型で、フロントカバーを開けると給紙トレイになる。使わない時の収納性も抜群で、給紙口や排紙口などがきっちりと覆われるので、ホコリが侵入する心配もない。

給紙トレイ兼用のフロントカバーを閉じると密閉できるので、本体内部へのホコリの侵入を遮断できる

 フロントカバーを開け、さらに本体のプリントヘッドカバーを開けると、内部のインクホルダが中央に移動してくるので、カラーとブラックのインクカートリッジを装着すればよい。ただし排紙トレイがないので、使用時には本体前方に排紙できるだけの平面スペースが必要だ。本体サイズは幅310×奥行き174×高さ51.8ミリだが、使用時は約600ミリ程度の奥行きがいる(A4排紙時)。本体の重量は約1.8キロで、同グレードのデスクトッププリンタに比べると半分以下である。

インクカートリッジは、CMY一体カラーと顔料系ブラックの2本。本体が小さいので、インクカートリッジもコンパクトだ

デジカメとカメラ付き携帯電話からのダイレクトプリントをサポート

 80iの大きな特徴は、多彩なインタフェース類とバッテリー駆動だ。PCと接続するUSB Full-Speed(転送速度はUSB 1.1相当)に加えて、デジカメダイレクトプリント用の「PictBridge」、赤外線通信(IrDA)によるカメラ付き携帯電話からのダイレクトプリント用の「プリントビーム」を標準でサポートしている。

本体の左側面後部にUSB 2.0 Full-Speed(写真上)、右側面後部に「PictBridge」とIrDA(写真下)を装備する

 IrDAプリントに対応したカメラ付き携帯電話は、NTTドコモの「N504i」シリーズ以降と「FOMA」シリーズの一部機種、ボーダフォンの一部機種だ。印刷できるのは基本的にカメラ機能で撮影した画像のみで、携帯電話によっては最高画質で印刷できないなどの制限が生じる場合もある。詳しくはキヤノンのプリントビーム詳細Webページを参照してほしい。

 さらにオプションで、ワイヤレスプリント用のBluetoothユニット(8500円)も用意されている。対応PCは東芝/ソニー/IBM製の一部機種に限られるが、4月中旬以降には、Bluetoothプリントに対応したMac OS X用ドライバが提供される予定だ。

携帯電話からのIrDAプリントやBluetoothプリントを行う時は、あらかじめPCから専用設定ツールで用紙設定などを済ませておく必要がある。プリセット設定のほか、カスタム設定で用紙種類/サイズ/レイアウトを変更できる

 オプションのバッテリーは、「クレードルキット」(1万5800円)として提供される。含まれるのは、リチウムイオンバッテリー、バッテリーチャージャー、クレードルの3点だ。付属のACアダプタは240ボルトの電圧まで対応したワールドワイド仕様だが、日本・北米向けや欧州向けといった、各地域用の電源ケーブル(各1500円)もオプションとして用意されている。なお、追加用のリチウムイオンバッテリー(9800円)は単品でも購入できる。

 使い方だが、バッテリーをセットしたバッテリーチャージャーを80iの背面に装着するだけだ。バッテリーチャージャーにACアダプタを挿すと充電が始まるが、その状態でもAC駆動で印刷可能だ。また、クレードルにACアダプタを挿し、そこにバッテリーチャージャーを装着した80iを乗せると、縦置き状態で充電ができる。

バッテリーをバッテリーチャージャーにセットし、さらにそれを80iの背面に装着する
バッテリーチャージャーを装着しておけば、クレードル経由で充電することも可能だ

 バッテリー駆動の80iはさまざまな活用方法が考えられるが、やはり車で移動するアウトドアシーンがよく似合う。80i本体とバッテリー、バッテリーチャージャーを合計すると、重量は実測で約2.17キロになるため、徒歩で携帯するのはちょっと厳しいだろう。

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