パケットの中身問わないファイル転送技術、モバイル対応に

» 2004年04月15日 19時52分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Digital Fountainは今週、自動車メーカーのホンダならびにXM Radioと契約を結び、自社のファイル転送技術をモバイル利用向けに提供すると発表した。

 ホンダとXMは、車内利用向けエンターテインメントコンテンツの提供を推進する計画の一環として、Digital Fountainから「メタ−コンテンツ」技術のライセンスを受ける。Digital Fountainのチャーリー・オッペンハイマーCEO(最高経営責任者)は、「彼らは車が独立した情報アプライアンスになると考えている。通信がランダムにつながったり切れたりする走行中の多数の車にデータを送信するためには信頼できる方法が必要だ」と話している。

 現在は有線ネットワークで利用されているメタ−コンテンツ技術は、XORアルゴリズムを使ってファイルをデータの固まりに分割し、ネットワークにマルチキャストする。そのファイルのコピーをダウンロードしようとするクライアントは、1から10まで正確にパケットをダウンロードする必要はなく、ファイルを受信する際に一定量のパケットを無作為に受け取るだけでいい。

 これと同じ原則が、モバイル利用にも当てはまる。例えば5分の音楽番組をダウンロードしたいXM加入者は、ローカルにコピーするのに、5分相当のパケットを任意に集めるだけで済む。

 「泉からコップ一杯分の水を汲むようなものだ。どの分子がカップを満たしているか気にせず、満たせばいいだけだ」とオッペンハイマー氏。

 XMはDigital Fountain技術のライセンスを受ける狙いを公式に明かしていないが、車載ビデオの市場は対応機器が出回りだせば、大きなポテンシャルを秘めている。

 XM Radioの先端アプリケーション担当上級副社長のニール・イーストマン氏は、「記録装置を備える車にXMラジオを届けられるようになったらすぐに、Digital Fountainの技術を利用してわれわれのサーバからファイルを転送できる。こうしたファイルはミュージックビデオや、マンガ、今月のお薦めの書籍などが考えられる。どんな種類のものでも、車に送信して保存可能になる」と語る。

 ローカルに保存することで、ユーザーはコンテンツの停止、早送り、巻き戻し、再生を好きなだけできるようになる。こうした機能は、現在のリアルタイムXM放送では提供できないものだ。ただイーストマン氏は、こうした技術の登場はまだ先だとしている。ローカルストレージを備えたアフターマーケット機器の投入は2005年になり、自動車メーカーは2007年モデルからこうした機能を組み込み始めると同氏は見込んでいる。

 Digital Fountainが実施したあるテストでは、それぞれ8Kバイト/秒の帯域を備え、1日当たりの接続時間60分のレシーバー5万台に2.5Mバイトのファイルを送信した。通常のファイル転送システムでは7.8日かかるところを、ほんの1日の3分の2強の時間で5万台すべてに配信できた。

 オッペンハイマー氏は自動車向けエンターテインメントの分野のほかにも、Digital Fountainの技術を携帯電話で利用すれば、もっと効率的にソフトアップデートを配信できると考えている。

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