スクウェア・エニックスも〜ゲーム会社、販促アプリに進出

» 2004年06月10日 22時47分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 携帯電話向け広告を手がけるディーツーコミュニケーションズが実施するモバイル広告大賞も今年で3回目(6月3日の記事参照)。これまでの受賞作品を見ると、短期間でいかに端末が進化したか、広告の表現方法が向上したかが見て取れる(2002年6月の記事参照)。

 2002年には着メロ、待ち受け画像くらいだったモバイル広告のプレミア景品も急速に進化。2003年にはアプリも広告商品の主役の1つに数えられるようになった。着メロや待ち受け画像では“その場限り”で終わってしまうユーザーとの関係も、アプリなら継続してユーザーを囲い込めるため、注目する企業も多い(2003年12月の記事参照)。

 こうした流れを受け、販促アプリに参入するゲーム会社が増えている。タイトー(4月15日の記事参照)やナムコは(2003年9月の記事参照)、メーカーのキャラクターを取り入れた販促目的のゲームを開発・配信するなどこの分野に意欲的だ。

スクウェア・エニックスも参入

 この4月には、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのヒット作で知られる大手ゲームメーカー、スクウェア・エニックスも、販促アプリ開発に参入した(4月8日の記事参照)。

 同社の「待ちスロ」は、待ち受けiアプリにスロット機能を付加した販促アプリ。ユーザーが通話を終えると自動的にスロットが回転し始め、当たりが出るとさまざまなプレゼントがもらえる仕組みだ。

 待ち受け画面は、端末を開けるたびに異なる画面を表示させることも(左、中)。通話を終えると自動的にスロットが回転し、抽選が始まる。スロットのトリガーは終話だけでなく、メールなどほかの要素にも対応できるという

スロットの目が揃うと当選。当選データはサーバ側で管理し、当選者の数を日々コントロールしている

 アプリには、メーカーのキャラクターやCMソングを実装でき、端末を開閉するたびに異なる待ち受け画面を表示させることも可能。当選者へのプレゼントは、その場でサイトにアクセスして受け取れる着メロや待ち受け画面のほか、ショップの電子クーポンやリアルな商品にも対応する。またユーザーの属性やメールアドレス、アンケート結果などのデータ集計にも対応し、クライアント企業の要望に応じたマーケティングデータをフィードバックする。

 モバイル広告大賞のセミナーに登場したスクウェア・エニックス モバイル事業部の斎藤陽介事業部長は、「CMでなじんだメロディやキャラクターを使ってユーザーアプローチできる。ゲーム性が高くユーザーが主体的に参加する傾向にあるので、マーケティングデータ収集でも効果が見込める」と、特徴を説明した。

 採用実績はロッテの「チーズケーキトッポ」の販促と日本コカ・コーラのCmode自動販売機「シーモ」(2002年4月の記事参照)のキャンペーン、スクウェア・エニックスの待ち受けサイト「北斗の拳」の会員獲得の3つ。ユーザーに行ったアンケートでは、「また使いたい」「次の待ちスロの情報が欲しい」という声も多いなど、すべり出しは好調だという。

 「どんな情報が欲しいかという調査では、1位が車、2位が芸能、3位が家電。予想より年齢層が高く、ビジネスユーザーも使っているようだ。興味のあるキャンペーン商品も、1位のプレミア商品に次いで2位に電化製品が入るなど、主婦やサラリーマンも使ってくれる」(斎藤氏)。

 今後はゲーム的な遊べる要素をさらに実装し、幅広いクライアントにアピールしたい考えだ。「オリジナルクーポンによる店舗誘導や、プレミアム商品を使った購入促進、ブランド認知などで展開できる」(斎藤氏)

携帯ビジネスモデルの変化に対応?

 ゲーム会社が販促アプリに進出し始めたのは、需要が増したという理由だけではなさそうだ。通信オペレータがゲートウェイのスキップを容認し始めるなど、コンテンツビジネスを取り巻く環境が変わり始めていることから、新しいビジネスモデルを模索するコンテンツプロバイダも多い(5月27日の記事参照)。あるコンテンツプロバイダ関係者は、「収益の中で、携帯サービスのコンサルタントや、ソリューション込みで請け負う他社サイト運営が占める割合が高くなっている」と話す。

 携帯電話が“生活のインフラ”へと変化する中、コンテンツプロバイダも新しいビジネスモデルを開拓する方向に向かっている。

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