PayPayが7月31日、2026年度第1四半期の決算を発表した。
売り上げは前年同期比27%増の1098億円、調整後EBITDA(利払い/税引き/減価償却前の利益)は前年同期比59%増の374億円となり、堅調に業績を伸ばしている。売り上げの伸び率(27%)とEBITDAマージン(売り上げに占めるEBITDAの比率、34%)を足した指標(Rule of X)は61%となる。好調な第1四半期の業績を踏まえ、2026年度通期の連結業績予想を上方修正する。
決済セグメントの売り上げは、前年同期比25%増の886億円で、全体の約8割を占める。好調の背景には、決済取扱高を示すGMV(総流通額)の伸びが挙げられ、決済セグメントのGMVは前年同期比23%増の5.39兆円に達した。前年同期比44%増のオンライン決済GMVが伸びたことに加え、PayPayアプリに「PayPayカード」を連携させる「PayPayクレジット」のGMVが前年同期比30%増と好調だったことが大きい。
オンライン決済が伸びている要因についてPayPay 代表取締役 社長執行役員CEO 中山一郎氏は、オンラインの加盟店開拓を進めていることと、ECに親和性の高い若年層の利用が増えていることを挙げる。
PayPayクレジットのGMV増は、PayPayの大型キャンペーン「超PayPay祭」や、ソフトバンクの料金プランとの連携などの施策が貢献しているという。
決済セグメントGMVに対する売り上げを示すテイクレートは、前年同期比0.02%増の1.64%となった。これは、手数料が相対的に高いオンライン決済の取扱高が増加したことが寄与しているという。さらに、リボ払いや分割払い残高、キャッシング残高が拡大したことも金利収益増に貢献したとする。
PayPayは2026年6月に、eKYC(本人確認)の必須化、PayPayカード特典のPayPayステップ統合、PayPayポイントでの支払いをポイント付与の対象外にする(一部除く)など、ポイントプログラムの見直しを行ったが、ユーザーの維持やGMVへの影響は計画通り推移しているという。PayPayは、eKYCを犯罪行為や不正利用の対策に位置付けており、6月末時点のeKYC済みのユーザー数は約4250万人に達した。また、ポイントプログラムの見直しにより、6月単月で約10億円の費用の効率化につながったという。
PayPayのMTU(月間取引ユーザー数)は、前年同期比10%増の約4170万人になり、PayPay登録数の約7460万人のうち、アクティブ率は前年同期比1.7ポイント増の56%に上昇した。ユーザーの決済頻度や単価が上昇したことで、1カ月あたりの平均取扱高は、前年同期比11%増の4万3261円になった。
PayPayカードの発行枚数は前年同期比22%増の1770万枚となった。また影近航CFOによると、ソフトバンクの新料金プラン「ペイトク2」の効果により、PayPayカード ゴールドの獲得が大きく増加しているという。同プランでは、PayPayカード ゴールド利用者に対し、PayPayポイントの付与率を10%に増額する特典を提供している。
金融セグメントでの売り上げは、前年同期比44%増の225億円に達した。PayPay銀行の預金口座数は約1020万、預金残高は前年同期比17%増の2.3兆円に上り、貸出残高は前年同期比37%増の1.3兆円となった。貸出残高の伸びは、住宅ローンの成長がけん引したことに加え、個人・法人向けのローンも増加した。
PayPayは、ソフトバンクとLINEヤフーとともに、セブン&アイ・ホールディングスとセブン-イレブン・ジャパンと業務提携契約を締結すること、PayPayとソフトバンクがセブン&アイとの間で資本提携契約を締結することを7月31日に発表した。
セブン&アイとの提携は「単なる決済の連携ではない。店舗とデジタルの顧客接点をつなぎ、日常の買い物体験を進化させる」と中山氏は期待を寄せる。
セブン&アイ提携の狙いの1つは顧客接点の拡大で、日常の買い物にPayPayを組み合わせることで、顧客接点を広げていく。短期的には、PayPayアプリから「7NOW」への送客や、店頭受け取りができるモバイルオーダーの利用促進などを目指す。
もう1つが「データ」の活用だ。PayPayが持つ決済や金融における膨大なデータを、セブン&アイが持つ商品開発、物流、店舗運営、会員基盤、販促などのデータと組み合わせることで、「ユーザーがどんな人で、何を必要としているかをより深く理解できる」と中山氏。これにより、「最適な金融サービスを最適なタイミングで提供できる」とメリットを話す。
セブン&アイは約2万2000店舗を全国のセブン-イレブンで展開しており、1日で約2000万人のユーザーが来店している。ここに、約7500万ユーザーによる、1日あたり約3000万回の決済回数を持つPayPayを組み合わせることで、「日々生まれる膨大なデータをより総合活用できる」と中山氏。これこそが、提携の意義だと同氏は語る。
こうした膨大なデータをAIエンジンに学習させることで、長期的にはユーザー一人一人に対してより最適な提案を行い、ライフタイムバリューの向上を目指す。
さらに、PayPayでは米国を始めとする海外進出を検討しており、海外でのコンビニ事業とも連携することを視野に入れている。「現時点で具体的な計画はないが、本提携における日本での成功が、将来のグローバル成長を支える一助になると考えている」(中山氏)
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