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わずか3タップで残高が消える? PayPay「送金詐欺」に要注意、送金は補償の対象外で取り戻せず

» 2026年05月12日 19時10分 公開
[田中聡,ITmedia]

 2026年のゴールデンウイーク前後から、PayPayの送金機能を悪用した新たな詐欺が話題となっている。詐欺メールに記載されたURLにアクセスすると、PayPayアプリが立ち上がり、送金ボタンを押すと、詐欺アカウントにPayPay残高を送金させるというもの。メール画面からわずか3タップで送金できてしまうのだから恐ろしい。

 SNSでは、実際に4万数千円を送金してしまったという報告も見られ、残念ながら被害が広がっているようだ。

わずか3タップで送金 「送る」ボタンは押してはいけない

 PayPayの送金詐欺メールは、筆者のスマートフォンにもSMSで届いた。本文には「【お知らせ】お支払いが未完了です。このまま放置で利用停止となります」と書かれており、その後に短縮URLが記載されている。このURLにアクセスすると、ブラウザからPayPayアプリを起動するかどうか確認を求められるので「許可する」をタップすると、PayPayアプリが起動し、送金画面が表示される。

PayPayPayPay PayPayを名乗る詐欺メールのURLをタップすると、アプリを起動するか求められる。ここで「許可する」を押すとPayPay送金の画面が表示されるので、許可をしてはいけない

 画面には「4万8946円」の金額が記載されており、送信先は「PayCard」となっていた。PayPay銀行のアイコンを用いており、いかにも公式アカウントであるように装っているが、もちろん偽物だ。画面下部に表示された「48,946円を送る」をタップすると、送金の手続きが進んでしまうので、「送る」ボタンは絶対に押してはいけない。

PayPay 実際に表示された送金画面。ここで「48,946円を送る」を押すと本当に送金されてしまう。この画面を開いてしまったら、左上の戻るボタンから前の画面に戻るか、スマホの電源を切るなどしたい

 送金画面を開いてしまった場合、速やかに前の画面に戻るか、アプリを閉じるべきだ。ただし送るボタンは画面の下部にあるので、アプリを閉じる際のタスク一覧を出すために下部からスワイプする際に、誤って押してしまう恐れがある。不安な人は、一度スマホの電源を切るといいだろう。その場合、PayPayアプリは終了するので、誤送金のリスクはなくなる。

楽天カードやPayPayカードをかたる詐欺メールも

 SMSだけでなく、PC向けの詐欺メールからクレジットカードの月額請求や通信料金の支払いを請求するリンクにアクセスさせ、PayPayの送金画面を起動するという手口をフィッシング対策協議会が4月2日に報告している。

 筆者の業務用メールにも、楽天カードやPayPayカードを名乗るところから詐欺メールが届いており、スマートフォンから「PayPayでお支払いする」「支払い確認」などのボタンを押すと、PayPay送金画面に移ることを確認した。

PayPayPayPay 業務用メールにも、PayPayをかたる業者から詐欺メールが届いていた。「支払い確認」を押すと、送金画面に移ってしまう

送金はキャンセルできる?

 フィッシングサイトの場合、URLが怪しかったり、身に覚えがなかったりという理由で詐欺だと気付ける可能性は高そうだが、SMSから直接アプリが起動すると、誤タップや何となくの操作で払ってしまうこともあるだろう。

 では、仮に送金してしまった場合、どうすればいいのか。

 まず、送金画面で送るボタンを押したからといって、必ずしも送金されるわけではない。PayPayでは、過去に送金したことのないユーザーから送金の請求が来た場合や、過去の利用状況などが一定の基準を超えたとシステムが検知したユーザーに送金する場合に、警告のメッセージを出す場合がある。

 警告メッセージが出たら、「キャンセル」を選んで送金をやめよう。ただしこの警告のメッセージは必ず出るわけではないので、送るボタンを押さないのが大前提となる。

PayPay PayPayでは、不審な送金に対して警告を出す機能を設けている

 送金したPayPay残高は、相手が受け取りを完了する前なら、送金の履歴からキャンセルが可能だが、相手が自動受け取りの設定を有効にしているとキャンセルできない。

送金は補償の対象外 不審な請求には応じないことが鉄則

 残念ながら送金が完了してしまった場合、自身の意思で送金したと見なされ、補償の対象外となる。一度送金してしまったPayPay残高は、取り返せないと考えた方がいい。なお、過去90日以内の取引であれば、送金のチャット画面から「取引を報告する」から通報できる他、今後は同じ相手と取引できなくする「ブロック」機能も設けている。

 PayPayは今回の送金詐欺メールへの対策について、「取引時にリスクが高いと判断された送金については、注意喚起を促すメッセージを表示したり取引をブロックするなどといった、疑わしいユーザーの取引を制限する対策を行っております」とコメントする。

 PayPayや楽天カードなどをかたる業者からメールが来ると、本物だと信じてしまう人もいるかもしれないが、そもそも、こうした企業が個人ユーザーあてに送金を促すことはない。見ず知らずの第三者から送られてきたリンクや心当たりのない請求に安易に応じないよう心掛けたい。

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