携帯やPDA、PCをトランシーバーに 富士通が同時通話技術を開発

» 2004年06月29日 17時59分 公開
[ITmedia]

 富士通研究所は、無線LANや携帯電話網を利用して、携帯電話やPC、PDA間で複数の相手と同時に音声通話できる技術「Push-to-talk over Cellular/Wireless」(PoC/W)を開発したと発表した。話者権の切り替えが素早く行え、音声の遅れも少ないのが特徴。2004年度中の製品化を目指す。

サービス利用例。顧客からの問い合わせを営業マンへ一斉通報する企業向けサービスや、複数台の車でドライブへ行くときの連絡手段として利用する個人向けサービスなどを想定している

 話者権を持つユーザーが、それ以外の複数ユーザーに対して同時に発話でき、話者権を切り替えれば別のユーザーが発話可能になるトランシーバー型サービス。

 通話状態の管理などを行う通信プロトコルには「SIP/SIMPLE」を採用した。パケット通信区間ではデータを圧縮して転送することで、既存サービスでは2秒程度かかっていたで話者権の切り替え時間を1秒以下に短縮した。

 パケット通信環境は携帯電話事業者ごとに違うほか、時間帯によって通信の遅れの変動が大きいため、従来技術では通話がとぎれやすかった。新技術では通信の遅れを検知して修正。遅れや音切れを抑えた。

 モバイルサービス標準化団体「OMA(Open Mobile Alliance)」で標準化が検討されている要求仕様に準拠しているという。

 同社は同技術を富士通のプレゼンスサービス基盤製品「FLAIRINC(フレアリンク)」に適用。業界トップレベルの音声品質と応答性能のPoC/Wシステムを構築できたとしている。

 同技術は、7月7日から東京国際フォーラムで行われる「富士通ソリューションフォーラム2004」に出展される。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月07日 更新
  1. ヨドバシ通販は「高還元率で偽物リスク低い」──コレが“脱Amazon”した人の本音か (2025年12月06日)
  2. 「健康保険証で良いじゃないですか」──政治家ポストにマイナ保険証派が“猛反論”した理由 (2025年12月06日)
  3. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  4. ドコモも一本化する認証方式「パスキー」 証券口座乗っ取りで普及加速も、混乱するユーザー体験を統一できるか (2025年12月06日)
  5. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. 楽天モバイルが“2025年内1000万契約”に向けて繰り出した方策とは? (2025年12月06日)
  8. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  9. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  10. Amazonでガジェットを注文したら、日本で使えない“技適なし製品”が届いた 泣き寝入りしかない? (2025年07月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー