フィット感も良好〜Bluetoothヘッドセット「M2500」を試す

» 2004年11月08日 14時11分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 業務用ヘッドセットで実績があるプラントロニクスから(10月28日の記事参照)、Bluetooth ワイヤレスヘッドセット「M2500」が登場する。道交法改正で需要が高まりつつあるヘッドセットの新製品として、見逃せない存在だ(11月1日の記事参照)

Bluetooth ver 1.2準拠のBluetoothヘッドセット

 プラントロニクスが12月上旬から販売するワイヤレスヘッドセット「M2500」(10月28日の記事参照)。ワイヤレス部にBluetoothを採用し、ヘッドセット、ハンズフリーの両プロファイルに対応。Bluetooth機能を備えた携帯電話に幅広く対応する。

 ヘッドセット本体、日本仕様のACアダプタ(230V非対応)、スペアのイヤーピース4つで構成される。試したのは英語版だが、製品には日本語マニュアルも付属する

 Bluetoothのバージョンは最新のver 1.2に準拠。ver 1.1と比べて、同じ2.4GHz帯を利用する他の無線機器との干渉が抑えられるため、クリアな音声のやりとりが可能になる。接続時のサーチ時間短縮も図られている(2003年11月の記事参照)。またver 1.2はver 1.1との互換性が確保されており、現状ではver 1.1準拠が主流の携帯電話とも問題なく接続できる。

 通信距離は最大10メートル、バッテリーは充電式で、待ち受け時間は最長120時間、通話時間は最長5時間。1日30分通話しても3日以上は再充電せずに使える計算だ。

サイズは大きめ、独自のデザインでフィット感は良好

 M2500は、Bluetoothヘッドセットとしてはサイズが少々大きめ。送受話部と無線部が分離している独自のデザインであるためだ。重さがかさむ無線部を耳と頭で挟み込むようになっているので、送受話と無線部が一体化したタイプより外れにくく、全体が曲面で構成されていることからフィット感も良好だ。

 サイズは、今回評価用に利用したBluetooth携帯電話の「A5504T」とさほど変わらない。もっとも装着すると、大きめな無線部の大半は耳の裏側に隠れてしまい、それほど目立たない


 マニュアルに書かれた装着方法。慣れれば簡単に付けられる

 手持ちのMotorola「HS810」、Sony Ericson「HBH-600」と装着感を比べてみたが、フィット感はM2500が格段に良好だ。個人的にHS810が気に入っていたのだが、M2500を使ったあとでは「耳に引っ掛けている感じ」に不安を覚える印象に変わってしまった。

 受話部も特徴的だ。スピーカーは装着時には後方を向いている。全体をカバーする柔らかい素材の「SoundGuideイヤーピース」は、耳の穴方向に少しはみ出す形になっており、これが音を耳に導く。こうした仕組みが耳の穴を圧迫しない仕組み。インナーイヤタイプのものを使うと耳が痛くなる筆者でもM2500は、ほぼ1日装着していて耳に負担を感じなかった。

 SoundGuideイヤーピースが本体から少しはみ出し、隙間から音声を耳に導く。SoundGuideイヤーピースを180度回転させることで、左右のどちらの耳にも使える。手前の右側に見えるのが「コール・コントロール・ボタン」


 中央に見えるのがインジケータ。接続中は定期的に緑色に点滅する。左に見えるのが「マルチ機能ボタン」で、電源のオン/オフはこのボタンの長押しで行う

クリアな音質、設定も簡単

 Bluetooth機能を内蔵したau の「A5504T」と組み合せて音質や操作性を検証してみた。なお、国内にはまだBluetooth ver 1.2に準拠した携帯電話がないので、M2500との接続はBluetooth ver 1.1相当ということになる。

 最初に必要な認証作業(ピアリング)は簡単だ。M2500側はマルチ機能ボタンを上方向に押したまま、ブーム部のコール・コントロール・ボタンを長押しする。A5504TはM2500 by Plantoronicsというそのままの機器名称で、ヘッドセットプロファイルで認識された。

A5504Tとのピアリング情報。ハンズフリープロファイル(HFP)で認識されているのが分かる

 接続は、A5504TがBluetoothの待ち受け状態であれば、M2500の電源を入れ、コール・コントロール・ボタンをワンクリックするだけ。2〜3秒で接続が開始されM2500が待ち受け状態になる。M2500が待ち受け状態のままでもA5504T本体での通話が可能だ。

 着信音はA5504Tがマナーモードでも確認できる。A5504TはBluetoothヘッドセット利用時は着信音が固定になるが、これはA5504Tの仕様。F900iTなら本体で設定した着信音がM2500からも聞こえてくるはずだ。

A5504Tでは、この設定にしておけば着信音がヘッドセットからも聞こえる

 着信中にコール・コントロール・ボタンを短押しすると通話開始、長押しすると着信を拒否できる。待ち受け中に続けて2回短押しすると最後に発信した番号へのリダイヤルが可能だ。発着信については、コール・コントロール・ボタンの操作さえ覚えておけばいい。

 コール・コントロール・ボタンはブーム部をつまむように操作する仕組み。手探りでの操作も容易だ。通話中にはマルチ機能ボタンを上下させると受話音量の調整が行える。マルチ機能ボタンを押すとマイクのミュートになる。

 音質については、受話はとてもクリアな印象。安価なワイヤードヘッドセットに見られがちな甲高い音質でもなく聞きやすい。発話はノイズキャンセラーを搭載しておらず、マイクが無指向性なこともあり、ノイズとしてわざと音楽を流したまま車内から通話すると、通話相手から「周囲のノイズを少々拾いやすいのでは」という指摘を受けた。音楽を止めてしまえば、普通に電話するのとさほど変わらなかった。

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