改正道交法が触媒〜ヘッドセット普及狙うプラントロニクス

» 2004年10月28日 16時46分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 「人類初の月面着陸に成功したアームストロング船長の第一声を、地球に届けたのがうちの製品」──。ヘッドセット開発で43年の歴史を持つというプラントロニクスが、携帯電話向けイヤホンマイクとヘッドセットを販売する(10月28日の記事参照)

 11月初旬の製品投入を前に、米Plantronicsのインターナショナル・マーケティング兼ビジネス・デベロップメント担当副社長のステファン・デニー氏と日本プラントロニクスの村田浩志社長が製品を披露した。

 日本プラントロニクスの村田浩志社長(左)と米Plantronicsのインターナショナル・マーケティング兼ビジネス・デベロップメント担当副社長のステファン・デニー氏(右)


 携帯電話向け有線イヤホンマイク4モデルとワイヤレスBluetoothヘッドセットを発売。イヤホンマイクは、取り替えカバー付きやノイズキャンセラー付き、耳に固定するグリップ付きなど多彩。Bluetoothヘッドセットの「M2500」は、Bluetooth ver 1.2準拠

 同社はこれまでも日本でヘッドセット販売を行っているが、PBXメーカーやコールセンターなど企業向けが主だった。しかし11月1日の改正道交法施行に伴い(8月24日の記事参照)、携帯電話でのヘッドセット利用が増えると予想されることから、コンシューマー向け製品にも本腰を入れる。

 プラントロニクス製品の強みは「コールセンターを含む、ビジネスの基幹業務向け製品で培った経験をコンシューマー製品に持ってこられる」ことだとデニー氏。村田社長は使い心地の良さとクリアな音声を挙げる。「国土交通省を通じて航空管制塔にも納品している。イラク戦争で使う軍事用の特殊製品も開発実績がある」(村田氏)。

 また海外のハンズフリー法施行を経験しているのも強みだとデニー氏。ヘッドセットがそれほど普及していなかった英国では、「ハンズフリー法の施行後に売り上げが200%伸びた」。既にヘッドセットが珍しいものではなくなった米国でも、ニュージャージー、ニューヨーク、ワシントンDCで(ハンズフリー法施行後に)70%の成長が見られたという。

車内のヘッドセット利用の影響も調査

 プラントロニクスでは、車内のヘッドセット利用について第三者機関を使った実験も行っている。ヘッドセットを使った走行中の通話は、携帯電話を手に持って通話するのに比べて「ハンドル操作の正確性は71%の被験者で改善、ブレーキ反応時間は100%の被験者が短縮、速度安定性は92%の被験者で改善が見られた」(デニー氏)と、さまざまな点で優位だったと説明した。

 24人のドライバーを被験者に、ハンドル操作の正確性やブレーキ反応速度、運転速度のばらつきについて運動能力を測定

 こうした実験に加え、日本の道路交通法についても調査を実施。イヤホンやヘッドホンの利用について交通規則が定められている12都県について、利用の可否を調べたという(10月28日の記事参照)。「我々が問い合わせた限りでは“車内でのヘッドセット利用を禁止”とする地域はなかった。ただし利用にあたっては安全な運転を心がけてほしい」(村田氏)。

 英国ではハンズフリー法施行により、運転中にヘッドセットを使うことに馴染んだユーザーが普通の生活シーンでも使うようになるなど、ノンドライバーにも広がりつつあると村田氏。改正道交法が触媒になって広く普及することを期待している。

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