W22SAの購入を考える時には、やはりメモリカードスロットの不在は気になる。代わりに内蔵メモリを40Mバイトに大容量化し、着うたフルでは約26曲、SXGAファインモードの静止画では約80枚が保存できる。
着うたフルコンテンツのバックアップができないなどの点は最初から割り切るしかないが、撮影した静止画のバックアップなどはメガピクセルカメラ付き携帯利用では必須とも思える。
ここではデータフォルダの読み書きに対応した「MySync Suite」とUSBケーブルWINを用いて、読み書きの速度を確認してみた。SXGAのファインモードで撮影された静止画は、最大で400Kバイト強といったファイルサイズになるが、W22SA→PC、PC→W22SAの転送時間はそれぞれ10秒程度。メモリカードをPCで直接読み込む場合と比較すれば遅いが、我慢できない速度ではない。
内蔵メモリがあっという間にいっぱいになるような使い方でなければ、PCにバックアップすることでメモリ不足の問題はクリアできる。PCとの連携が面倒と感じなければ、メモリカードスロット不在のデメリットは解決できるだろう。
なおW22SAにはまだ非対応の「携快電話10」+専用ケーブル(シリアル接続相当)でもモードをW21SAに設定して読み書きを行ってみた。こちらは約400Kバイトの転送に50秒ほどを要した。従来のケーブルはシリアルポート扱いで通信を行っているため仕方ない。頻繁に静止画のバックアップを行うなら、USBケーブルWINに対応したソフトを利用したほうがいい。
W22SAは着うたフル対応端末ということで、最大20曲までを任意の順番にリスト登録して再生できる「ミュージックプレイヤー」機能を備えている。楽曲リストは1つのみだが、そもそも内蔵メモリへの着うたフルの登録数が最大約26曲なので十分なわけだ。
音楽再生時にはBGMモードも選択可能だ。BGMモードでは待受画面に切り替わり、この状態から通常と同じ手順でメールを読み書きしたり、他の機能を実行できる。もちろんすべての機能が操作できるわけではなく、EZwebやEZアプリ、データフォルダへのアクセスなどを実行すると再生は終了する。
便利なのはEメール受信、音声発着信などの割り込みだ。Eメールを受信するとEメール受信音に切り替わった後、音声着信があると着信や通話が終わった後に、音楽再生が停止位置から再開する。音声発信中も音楽再生は中断するが、通話完了後にはやはり再開する。音楽再生の再開はフェードインでスタートする念の入れようだ。既に登場している他の冬WIN モデル(W22H、W21T)に比べ、かなりいい仕上がりになっている(10月27日の記事参照)。
不満点を挙げるならBGMモードではボリューム調整や曲間移動ができないことだろうか。これらの操作を行うためには再びミュージックプレイヤーを呼び出す必要がある。しかしBGMモードでないとEメールの着信音による通知、音声発着信後のレジュームなども機能しない。BGMモードがより便利なだけにこの手間は少し気になった。
また、音楽再生の一時中断、再開のロジックは単純なようで、操作時の確認音などでもいちいち音楽再生が中断してしまう。音楽再生の一時中断はEメール着信や音声着信のみに限定するといった工夫も次期製品には期待したい。
PCでエンコードした音楽ファイルの再生を確認するため、「MySync Suite」で転送して調べてみた。QuickTimeで作成した映像なしの.3g2ファイルは15秒経過以降、再生は継続するが、音が出ない状態になってしまった。iTunesで作成した.m4aファイルはビットレート、サンプリング周波数、ファイルサイズ共にほとんど制限がないようで、プリセット値の128Kbpsでエンコードした4Mバイト強の.m4aファイルも問題なく再生できた。もちろんメディアプレイヤーへの登録も大丈夫だ。「これでメモリカードが使えれば」と思ってしまうほどである。
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