QRコードはこれからが本番

» 2005年03月03日 02時16分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 “携帯とリアルとの連携”において急速な普及を見せるQRコード。NTTドコモではQRコード読み取りに対応した携帯電話が2000万台に達する勢いで(2月25日の記事参照)、全携帯電話の約4割が対応していると見られる。

 とはいえ、QRコードの本格活用はこれからだ。現状はポスターや雑誌など印刷物に記載し、読み取る使い方がほとんど。読み取ったQRコードの内容もURLの記載に留まるものが多い。

 3月4日まで東京ビッグサイトで開催されている「RETAILTECH JAPAN 2005」では、単なるURL読み取りに留まらず、認証の一手段としてQRコードを活用するソリューションが展示されている。

QRコードで電子マネー

 自動販売機などのベンダーマシンを開発するフジタカは、QRコードを利用した電子マネーを扱う自販機を開発、展示している。

日本コカ・コーラのCmode(シーモ)とよくにた仕組みを持つ(2001年8月8日の記事参照)

 利用者はプリペイド方式でお金を支払い、発行されるQRコードを携帯電話の画面に表示し、自販機にかざすことで残高から代金が支払われる仕組み。利用者はキャッシュレスで物品を購入できる。

 EdyやSuicaなど、非接触ICを使った電子マネーの利用が増加しているが、このソリューションはQRコードを表示できる携帯電話ならば利用可能。携帯電話を使わず、紙に印刷したQRコードでも利用できる。この手軽さが特徴だ。

 半面、QRコードであるため複製が容易であるという欠点も持つ。時間や場所を限定した使い方ならば、特徴を生かせそうだ。

 非接触ICを支払いに使う自販機の開発も手がける同社では、Edy対応の自販機の価格は、通常のものに比べて2倍近いと話す。“手軽にキャッシュレス”を実現するためにも、QRコードの活用は第一歩として期待できる。

QRコードで出退勤管理

 キングジムが展示しているのは、先日発表した「QRコード時計」(2月28日の記事参照)。日時を変更できない電波時計にQRコード表示機能を付け、携帯電話のiアプリでQRコードを読み取る。

 読み取られた日時情報と電波時計の個体番号はサーバに送られ、改変不可の出退勤管理が出先でも可能になる。

サーバソフト込みの販売になるため、時計1000台の場合で導入コストは数百万台。時計のみで利用できるASP的なサービスの登場も期待される

 導入を想定している業種は、家庭教師や介護事業者、ベビーシッターなど、人材を個人宅に派遣する企業だ。介護業務などでは、個人宅に行ったと見せかけて行政に不正請求を行う事業者が後を絶たない。「いずれきちんとしたシステムが必要になる。それを見越して開発した」とキングジム。

 ICカードを使ったソリューションの場合、出退勤管理データはリーダー/ライターにため込まれ1カ月後に精算といった形が多いが、QRコードと携帯電話を組み合わせた場合、リアルタイム性があるというメリットもある。

 現在はドコモの携帯電話しか利用できないため、「キングジムがドコモの携帯電話を扱って代理販売を行うという検討もしている」という。

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