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» 2005年06月15日 01時22分 UPDATE

Nokia Connection 2005:P2P流通も――Nokiaの多彩な音楽配信手法

Nokiaが“音楽ケータイ”として発表したハイエンド端末「N91」。ファイルの配信手法は多彩で、P2Pによる流通も認めている。

[杉浦正武,ITmedia]

 近年の携帯業界のトレンドは“音楽ケータイ”。これに合わせてNokiaがアナウンスしたのが、ハイエンド端末「N91」だ(4月28日の記事参照)。Nokiaは同機種を中心に、音楽配信サービスを提供していく構え。興味深いのはその音楽配信方法で、ファイルは友人間で再配布可能など、独特の流通コンセプトを持っている。

 シンガポールで開催中の「Nokia Connection 2005」会場で、N91と、店舗などに設置する「携帯向けマルチメディア端末」を見ることができた。配信手順をレポートしよう。

N91は「ジュークボックス携帯」

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 N91の設計思想は、「ジュークボックス携帯」だとNokiaの説明員は話す。端末自体も4GバイトHDD搭載と大容量だが、オンライン上にも仮想的な音楽ファイルライブラリ(Nokiaは「AirAlbum-JukeBox」と呼んでいる)が用意されており、各楽曲を取り揃えている。

 ユーザーはここにアクセスして、ジャンル別に楽曲を検索、試聴して、ダウンロードできる。オンラインアルバムには楽曲ごとにアーティストの待受画面や、着メロなども用意されており、ユーザーは統一的インタフェースでそれらを購入できる。「好みのアーティスト画像が使用されたゲームも、ダウンロードできる」(同社)

 会場では、店舗などに設置する小型のマルチメディア端末「AirStation」も展示されていた。これは携帯と同じインタフェースを持ち、タッチパネル操作で音楽ファイルをダウンロードできる端末だ。

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 カフェやバーなどに設置することを想定したもので、カフェ側が客寄せのために「今日は1曲タダにする」などと設定することも考えられる。まだ試験的にサービスを行っている段階だが、説明員によれば現在、インドネシアやマレーシアなどで150店舗に設置されているという。

 実際に触ってみると、N91を操作するのと同じ階層構造で楽曲が検索できる。「ジャズ」「ロック」などのジャンル別に楽曲を選択し、そこに用意された楽曲の「壁紙」がほしいのか「着メロ」「楽曲」がほしいのかを選択していくといったかたち。ダウンロード前には、その場で10秒から15秒の試聴も行える。

Photo まずはジャンルを選択。アジアだけに「インドネシアン・ポップ」なども表示されている
Photo その楽曲のどんなコンテンツがほしいか選択する
Photo 壁紙を選んだところ。この楽曲では複数の壁紙が用意されているようだ

 ダウンロード後のファイルは、Bluetoothで端末内部へと移動できる。端末にもよるが、無線LANやUSB経由で移動することも可能。このとき、ファイルはOMA 2.0準拠のDRMがかかっている。ユーザーは、このDRMを解除するコンテンツ・キーを購入するかたちになる。「SMS経由で、音楽ファイルをアクティベートするキーを入手するわけだ」(説明員)

 さらに面白いのは、Nokiaはこうした楽曲ファイルの超流通(Super Distribution)を推奨していることだ。前述のとおり、ファイルはN91に直接落としたり、マルチメディア端末からダウンロードしたりできるが、そのファイルをユーザー間で2次再配布できる。

 AirAlbumに登録されている楽曲はDRMがかかっているから、これ自体をやりとりしても特に問題はない。ファイルを入手したユーザーは、個別にコンテンツ・キーを購入してファイルをアクティベートする。

 同様の構想は多くの企業が提唱してきたが、日本国内ではまだ大々的に展開されている例は少ない。ボーダフォンもVodafone live!BBで超流通をうたっているが、これは現在のところ動画ファイルなどのやりとりが主なようだ。世界最大規模の携帯端末メーカーであるNokiaが、音楽ファイルの超流通システムをどのように普及させられるのか、興味深いところだ。

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