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» 2006年01月17日 23時42分 UPDATE

シリーズ・702iDクリエイターインタビュー:「潔い」端末にしたかった――佐藤可士和×N702iD (1/2)

ドコモの“デザイナーコラボ”には、それぞれ有名クリエイターが関わっている。各クリエイターに、開発コンセプトや考えていることを聞いた。

[杉浦正武,ITmedia]

 NTTドコモがデザイン携帯「702iDシリーズ」3機種を発表した(1月17日の記事参照)。著名デザイナーとコラボレーションして開発された端末で、NEC製「N702iD」は佐藤可士和氏が、富士通製「F702iD」は平野敬子氏および工藤青石氏が、シャープ製の「SH702iD」は松永真氏がそれぞれ開発に関わっている。ITmediaではこれらのクリエイターに、デザインコンセプトを聞く。

 第1回目に登場するのは、N702iDのトータルコンセプトを担当した佐藤可士和氏。同氏が目指した携帯とは、何だったのか。

Photo 佐藤可士和氏(発表会場にて撮影)

作りたかったのは「潔い端末」

 佐藤氏は「どういうものを作りたかったというと、潔いものだ」と話す。

 「なかなか、潔いものは難しい。世の中でも潔いことはなかなかできないのだから、そういう端末があれば何か非常に気持ちいいパワーをくれるんじゃないか。身近なツールから“気持ち良さ”をもらえるなら、毎日の私生活が楽しくなるかな」

 このコンセプトが、“究極のフラット&スクエア”とうたう無駄をそぎ落としたフォルムに結びついた。「本当にスクエアなものを、1つ作りたかった」という。

 ただし四角いデザインを実現するのに、困難も多かった。例えば端末のヒンジ部だが、通常の携帯ではどうしてもでこぼこや出っ張りが気になるものになってしまう。佐藤氏自身、携帯のヒンジ部にはアンテナが入っていたりして、飛び出た形状にならざるを得ないことは分かっていた。

 だが、NECの技術力があればそろそろ自分の理想とする形状が実現できそうだ……という予感があったと佐藤氏。NECとしてもトライしようと言ってくれたため、結果的にN702iDにT字型ヒンジを採用することに成功したという。

 「フラットな端末というのは、思いつかないことではない。やりたいけれど、難しいのでできない。それをチャレンジしようと言ってくれた。……本当は完成前に『ちょっと飛び出すかも』と言われていて、ものすごいドキドキした(苦笑)」

Photo N702iDのT字型ヒンジ機構。結果は佐藤氏の望みどおりフラットになった

細かい配慮が重要

 佐藤氏が話すのは、「ケータイ」としての根本的な部分は通常の携帯とそう変わらないのだということ。N702iDにしても、いわゆる折りたたみ型の端末でそれほど奇抜なスタイルを採用したわけではない。

 ただし、「例えばN702iDではminiSDのカバー部分の色を本体の色とビシッと合わせた」(同)。こうしたカバー部は本体と素材が異なるため、カラーリングが微妙に異なる場合も多いのだが、そこを妥協しなかったというわけだ。こうした細かいところに配慮がいっている携帯は少ないのだという。

 佐藤氏はまた「しびれたのは、色」だと話す。N702iDのREDを手に、この赤色を出すのは至難のわざだったのだと笑いながら振り返る。

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