県庁の星「私から言ったの」Mobile&Movie 第201回

» 2006年03月03日 16時58分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名県庁の星
監督西谷弘
制作年・製作国2006年日本作品


 今回ご紹介する作品は、織田裕二がエリート公務員に扮する『県庁の星』。順風満帆だった人生が、一本の電話で奈落の底に突き落とされます。以下、内容に触れますので、これから見る予定の方は注意して下さい。

 野村聡(織田裕二)は“県庁の星”と期待されているエリート公務員。成績優秀で仕事も完璧、将来は県知事の座まで狙う、上昇志向の強い人物です。そんな野村が中心になって現在進めているのが、総工費200億円にものぼる“特別養護老人施設建設”のプロジェクト。地元の有力者や県議会の賛同も得て、着工も間近となった時、野村は同僚の桜井(佐々木蔵之介)らとともに、民間企業への人事交流研修に選出されます。

 民間のノウハウを取り入れた県政をアピールし、“特別養護老人施設建設”のプロジェクトへ県民の理解を得るのが狙い。研修が終わる半年後には昇進を約束され、意気揚揚と出向先へ赴く野村。そこは客足もまばらな三流スーパー「満天堂」でした。

 満天堂の店長から野村の教育係として紹介されたのは、パート従業員の二宮あき(柴咲コウ)。自分より年下のパートの女性ということに驚く野村。また二宮も自分の仕事で手一杯なのに、“県庁さん”の面倒まで任され、迷惑な様子。とりあえず野村は、客の少ない寝具売場の担当をすることになります。

 「接客マニュアルはないんですか?」

 「マニュアルなんてなくてもまわりますから、民間は」

 マニュアルだらけの役所との違いに、とまどいを隠せない野村。そんな中でも、この研修での成果を上げて、実力を認めてもらおうと野村は必死に取り組みます。しかし、野村の言動は上からの目線で、スーパーでは浮きまくり。客を客とも思わない態度の野村は二宮とことあるごとに衝突します。売り場に立つと迷惑になると、野村を弁当厨房の担当にしますが、ここでも従業員たちと揉めるばかり。

 やがて1カ月ほど経った頃、県庁で人事交流研修の報告会が行なわれました。そこで問題になったのが、研修先のスポーツクラブでトラブルを起こした同僚。どうやらマスコミに嗅ぎ付けられ、この交流が県庁のイメージダウンになったというのです。よって、野村たちの研修終了後の昇進も消滅。おとなしく残りの研修期間を過ごすように命じられます。また、既に“特別養護老人施設建設”のプロジェクトが動き始めたことを桜井に聞かされ、ショックを受ける野村。完全にエリートコースから外れてしまったことを実感したのでした。

 落ち込んだ野村は、婚約者・篠崎貴子(紺野まひる)のもとを訪ねます。地元の大手、篠崎建設の令嬢である貴子と結婚すれば、再び自分の道が拓けるかもしれない──。そんな野望も野村にはありました。しかし、貴子の父親に面会を断られてしまいます。プロジェクトから外れた自分はもう用無しなのか。門の前で貴子を呼び続けると、野村の携帯電話が鳴ります。

 「もしもし、貴子?」

 貴子からの電話に安堵する野村。

 「心配ない。もう一度話せば……」

 貴子の父親も自分を認めてくれるはず、そう言おうとした野村の言葉をさえぎり

 「私から言ったの」

 貴子は冷静に続けます。

 「野村さんとは結婚できないって」

 「どういうことだよ!」

 「私のことなんか、あなた見てなかった」

 貴子は、自分との結婚が野村の出世に利用されていることに気付いていたのです。最後の望みも消え、今までの人生を空しく感じる野村。失意のまま街をさまよい、気付けば特別養護老人施設建設の予定地まで来ていました。

 誰にも必要とされていない虚無感に襲われていた時、野村の前に二宮が現われます。満天堂が営業停止の危機に直面しており、野村の力が必要だと言うのです。こうして、どん底から這い上がり、二宮と協力しながら、野村はスーパーの改革に取り組んでいきます。その中で、今まで見えていなかったモノ、大切なモノを学んでいく野村。半年後、県庁に戻った野村は、どのように変化したのでしょうか?

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