LINEアプリの広告表示にて、個人の属性情報や行動履歴などが無断で共有されていると、SNSで物議を醸している。子供の有無や最終学歴などが筒抜けになっているのだとか。一体、何が起きているのか。
LINEでは、ユーザーの興味関心に応じた広告を配信するための「広告の設定」を設けている。2025年8月からは、広告配信で利用するユーザー情報を細かく制御できる「広告表示に利用するデータの設定」を提供している。この設定では、属性情報や行動履歴を広告表示に利用するかどうか、ユーザーが関心のあるトピックの広告の表示頻度を減らすかどうかを決められる。
LINEの「広告の設定」では、「ウェブ行動履歴を利用した追跡型広告の受信」と「LINE内部識別子を利用した追跡型広告の受信」に加え、2025年8月からは属性情報や行動履歴の提供も制御できるようになった属性情報には「子供の有無」「最終学歴」「職業」「業種」があり、LINE関連サービスの利用状況から推測された情報だという。ユーザーによっては「個人年収」が含まれている場合もあるようだ。行動履歴には「検索」「位置情報」「決済・購買」「LINE公式アカウント」が設けられている。
これらの情報を広告で利用するかは、項目ごとにオン/オフにできるが、初期状態ではオンになっている。オフにする場合は、LINEの設定→「プライバシー管理」→「広告の設定」→「広告表示に利用するデータの設定」から変更できる。
SNS上ではこの設定について「個人情報が抜かれる」「会話の内容から属性を見て広告表示されるのは怖い」といった反応が挙がっている。筆者も自分の属性情報を確認したところ、いずれも見事に当たっていた。もちろん、子供の有無や業種などを個別に入力したわけではないので、LINEが高度な推定を行っているということなのだろう。
では、LINEヤフーはなぜ、このような設定を用意したのか。また、属性情報や広告配信などにトークの内容も参照しているのか。
まず、ユーザーの関心に合った広告の配信をデフォルトでオンにしている理由については、「コンテンツやサービスの最適化と同様に、広告においてもユーザーの興味・関心に合わせて表示することがユーザー体験の向上において重要と考えているため、推奨状態であるターゲティングオンの状態をデフォルト設定としている」とのことだった。
加えて、「ターゲティングを行わず興味・関心やユーザー属性に合わない広告が表示される状態は、ユーザーにとって関連性の低い広告表示が増えることで、かえってユーザー体験を損なう結果につながる可能性がある」という考えにも基づいている。
一方で、興味・関心や属性の推定項目によっては、そのカテゴリーの広告表示を望まないケースも考えられるため、LINEヤフーでは、従来あるオプトアウト設定に加え、ユーザー自身がデータ利用について細かく設定できる「広告表示に利用するデータの設定」を2025年8月に提供開始した。これにより、広告配信のベースになる項目を自由に調整できるようになった。
なお、この設定は「デフォルトでオンとなっていることで新たに広告配信に利用されるデータが増えるものではなく、ユーザーがデータ利用をコントロールできる範囲を広げることを目的としたもの」(同社)となる。
「広告表示に利用するデータの設定」は、Yahoo! JAPAN上では以前から提供しており、LINEとヤフーの統合をきっかけに、LINEでの適用についても検討を進め、提供に至ったという。また、これらのオプトアウトの取り組みはJIAA(インターネット広告における自主ルールの整備・推進を行う業界団体)のガイドラインにも沿っている。
個人情報を見られているのではないか、という懸念に対してLINEヤフーは「広告配信に利用される情報には、個人間トークを含む、個人を特定できる情報は含まれていない」と回答する。
「LINEアプリおよびLINE関連サービスの利用状況などの情報を、個人を特定できないよう機械的に処理し、ユーザーの興味関心や属性を推定・分類の上、広告配信に活用している」という。これは「広告表示に利用するデータの設定」の「属性情報」も該当する。
LINE側で解析している情報には、以下のようなものが含まれる。
このように、広告配信にあたってトーク内容や個人情報そのものを参照しているわけではないので、プライバシーの観点から慌ててオフにする必要性は薄いといえる。もちろん設定をオフにすることは可能だが、その場合はユーザーの関心とは無関係な広告が増えるだけだ。広告表示自体が減るわけではないため、基本的にはデフォルト(オン)のままで運用しても実害はないだろう。
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