日本以外全部沈没「落ち着けって、キャサリン!」Mobile&Movie 第223回

» 2006年08月18日 14時07分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名 日本以外全部沈没
監督河崎実
制作年・製作国2006年日本作品


 今回ご紹介する作品は、原典が小松左京、原作が筒井康隆の奇想天外なSFスペクタクル『日本以外全部沈没』。天変地異が起こり、日本以外のすべての陸地が沈没した地球。残った日本に大量の外国人が押し寄せます。以下、内容に触れますので、これから見る予定の方は注意して下さい。

 2011年、原因不明の天変地異が地球を襲い、まずアメリカ大陸が海に沈んでしまいました。合衆国大統領とその側近はエアフォースワンで日本へ上陸。ハリウッドスターたちもプライベートジェットで日本への脱出に成功。そんなアメリカ大陸水没の一報を聞き、信じ難い気持ちで主人公の“おれ”(小橋賢児)は、新聞に記事を書きます。その仕事中に、アメリカ人の妻キャサリン(デルチャ・ミハエラ・ガブリエラ)から、携帯電話に連絡が入ります。

 「落ち着けって、キャサリン!」

 アメリカにいる家族が心配でしかたないキャサリン。しかし、アメリカを発つ飛行機は満席、船も定員オーバーという惨状。“おれ”は何もしてあげられないと説明しますが、キャサリンの興奮は収まりません。家に戻っても、キャサリンは悲しみにくれるばかり……。

 やがてアメリカ大陸が沈んだ後に、中国大陸、ユーラシア大陸、さらにオーストリア大陸までも海に沈み、数週間で地球から日本以外の陸地が消滅してしまいました。世界中の難民が日本に押し寄せ、日本はパニック状態に。人口が何倍にも膨れ上がって食料が不足し、また失業率も急上昇し始めたのでした。

 そんな外国人が大挙した日本を憂いて、“おれ”や友人の古賀(柏原収史)、後藤(松尾政寿)は行きつけのバーで酒を飲みながら、グチをこぼしますが、そのバーにも外国人が溢れていました。“おれ”は外国人を差別するようになり、キャサリンとの間に壁を感じるようになっていました。古賀や後藤はなぐさめますが、“おれ”の気は晴れません。

 日本にやって来た外国人は、公園などでテント生活を送るようになり、その中にはかつてのハリウッドスターの姿も。ドルの価値が下がり、過去に築いた財産が意味をなさなくなってしまったのです。石山防衛庁長官(藤岡弘)は生活が困窮し、暴徒化し始めた外国人を制圧するためGAT(外国人アタックチーム)を組織し、厳しい取り締まりにあたるようになりました。不良外国人の烙印を押されたら最後、容赦なく国外追放されてしまいます。キャサリンは、そんな外国人たちに同情し、日本人妻の座を捨て、アメリカ人として生きることを決意します。

 外国人とGATの対立が激化し、石山防衛庁長官が対応に追われている頃、新たな問題が浮上します。地球物理学の権威、田所博士(寺田農)が、安泉首相(村野武範)を呼び出し、今後の予測について解説したのです。田所博士が語った日本の運命とは……。

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