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» 2006年08月25日 20時14分 UPDATE

「世界の半数のユーザーは折りたたみ型端末を求めている」──開発者に聞く804NK (1/2)

Nokiaの日本向け3G端末としては初めて折りたたみ型を採用した「804NK」は、どのような経緯で誕生したのか。ベースモデルの「N71」とどこが違うのか。開発者に聞いた。

[園部修,ITmedia]
Photo Nokiaマルチメディア事業部 マルチメディア・コンピューター シニア・プロダクト・マネージャーのロルフ・ホルパー氏

 図らずもボーダフォンブランドで発売される最後のモデルとなった「804NK」。5月18日の発表から約3カ月を経て、8月12日にようやく全国で発売された(8月18日の記事参照)

 804NKは、“スマートフォン”として2005年12月に発売された「702NK II」以来のNokia製端末だ。フィンランドのNokiaがMultimedia Computer(MC)という名称で世界展開する多機能端末、Nseriesの「N71」をベースに、日本市場向けにカスタマイズしたモデルとなっている。

 日本では初登場となるNseriesの投入にあたり、Nokiaのスタッフはどのような思いで804NKを開発したのか。N71と804NKの開発に携わったNokiaのマルチメディア事業部 マルチメディア・コンピューター シニア・プロダクト・マネージャーのロルフ・ホルパー氏に話を聞いた。同氏はNokia初のMP3対応端末「Nokia 3300」のプロダクト・マネージャーを務めた人物でもある。

世界の半分のユーザーは折りたたみ型端末を望んでいる

 804NKのベースになっているN71のコンセプト作りは、ドイツ・デュッセルドルフ近郊にあるボッハムのNokia Product Creation Siteで始まった。

 Nokia Product Creation Siteでは10年以上前から、端末にオープンOSを搭載し、ユーザーのニーズに合わせてアプリケーションを追加できるようなシステムの研究を行ってきた。N71のそもそもの狙いは、オープンOSであるSymbianを採用したプラットフォーム、S60 3rd Editionを搭載した端末を市場に投入することだった。この地が開発拠点に選ばれたのはそのためだ。

 N71では、S60 3rd Editionを採用したため、前バージョン(S60 2nd Edition)のプラットフォームで開発した「N70」の成果をそのまま持ってくることはできなかった。ソフトウェアの開発はすべて新規に近い状態で行われ、新しいプラットフォームに従来同様のアプリケーションやインタフェースを統合する作業に手間がかかったという。

 「N70とN71は同じNseriesの端末だが、N71の機能はN70から大きくステップアップしている。S60の2nd Editionと3rd Editionは、Windows 98とWindows 2000のように、外観はほとんど変わらないが中身はまったく違うものになっている」(ホルパー氏)

 N71のボディが折りたたみ型になったのは、Nokiaが世界各地で行ったリサーチの結果だ。日本市場のみをターゲットにして開発したわけではないという。

 「地域によって多少傾向の違いはあるが、全世界で見ると、ストレート型端末を好む人たちと折りたたみ型の端末を好む人たちがおおよそ半数ずつくらいいることが分かった。特にここ4〜5年は、折りたたみ型端末への要望が増えている。N71の開発に取りかかった当時はストレート型のN70を開発した後だったため、次は残りの半分の人たちをターゲットに、折りたたみ型を開発することになった」(ホルパー氏)

 ストレート型嗜好と折りたたみ型嗜好についての分析は、世界中に展開するNokia端末のラインアップをバランスよくそろえるための重要な判断基準にもなっているという。Nokiaの端末というとストレート型のイメージが強いが、今後は折りたたみ型の端末も増えるのかもしれない。

 ちなみに日本では、やはり折りたたみ型を好むユーザーが多いため、804NKのベースにN71を選んだのは「適切な判断だったと思う」とホルパー氏は話した。

 ホルパー氏は端末を折りたたみ型にするメリットは大きく4つあるという。「折りたたみ型の端末には、一般にディスプレイのサイズが大きくでき、ダイヤルキーの面積が広く確保できるという利点がある。また折りたたんでおけば、ディスプレイなど端末の内側に傷が付きにくいという特徴もある。さらに重要なのは、プライバシーが確保しやすい点だ。折りたためばすぐに画面が隠せる。Nseriesはいろいろなコンテンツを“ブラウジングする”デバイスと位置づけているため、プライバシーの確保は非常に重要なポイントだと思っている」

 ただし、折りたたみ型ならではの問題もある。ストレート型とは異なり、折りたたみ型の端末には必ずヒンジが必要になるほか、サブディスプレイを備える場合も多い。その分部材が多く必要になり、コストアップにつながるのだ。日本市場など、高機能な端末が求められている市場では問題はないが、安価な端末を求めるユーザーが多い新興国の市場では、どうしてもより低コストで製造できるストレート型が多くなる。

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