7月24日通りのクリスマス「仕事で遅れそうなんだ」Mobile&Movie 第240回

» 2006年12月22日 16時15分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名7月24日通りのクリスマス
監督村上正典
制作年・製作国2006年日本作品


 今回ご紹介するのは昨年大ヒットした「電車男」のスタッフが集結した“女版電車男”とも言える恋の応援歌「7月24日通りのクリスマス」。これを見れば、クリスマスに恋人と過ごしたくなるはず?!

 長崎で暮らすサユリ(中谷美紀)は、市役所に勤める地味な女性。ロングスカートにボサボサのロングヘアー、ずり落ちるメガネという外見で、男性には縁のない生活を送っていました。そんなサユリの毎日の楽しみは、街で見かける素敵な男性や漫画の登場人物を“今週の王子様ベスト5”としてランキングすることと、長崎の街をリスボンに置き換えて、空想すること。恋人もなく平凡な日々でも、この街をリスボンとして想像すると、少しだけ晴れやかな気持ちになれるのです。それに海に囲まれていて、坂が多く、異国情緒のある長崎は、リスボンにそっくり。

 サユリが名付けた長崎の“7月24日通り”を歩くと、いつも思い出すのは学生時代に憧れたサトシ(大沢たかお)のこと。この通りでサトシに声をかけられた時、サユリは人生で最高に幸せだったのでした。その思い出を噛みしめて、今日も市役所へと向かうサユリ。

 ずっと単調な日々を送っていたサユリでしたが、ある時急に変わり始めます。まずは、自慢の弟・コウジ(阿部力)に彼女ができたこと。コウジは超美形で今の大学でも大人気。幼い頃から、ハンサムなコウジの姉であることをサユリは誇りに思っていました。コウジにふさわしい彼女でなきゃ認めないと断言していたサユリに、コウジの彼女として紹介されたのがメグミ(上野樹理)。メグミはメガネにボサボサ髪で、まるでサユリのよう。コウジにふさわしい美人でもなく、サユリはメグミを敵視してしまいます。

 そんなある日、幼なじみの森山(佐藤隆太)が働く本屋に、建築関係の仕事で成功し、本を出版したサトシがやって来ることを知ります。数年ぶりにサトシが長崎へ帰ってくると聞いて、サユリの胸は高鳴ります。サトシの帰郷に合わせて、同窓会も開催されることになり、昔の仲間が集まることに。

 久しぶりに会ったサトシは、昔と変わらぬ素敵さ。サトシこそがずっと変わらない、心の王子様とサユリはうっとり。しかし、同窓会の席には、サトシのかつての恋人・ゴージャスで美しいアキコ(川原亜矢子)も来ており、美男美女のカップルとして憧れの的だった2人を目にして、サユリは自分では身分違いだと思い知らされます。しかし、同窓会のあと、ひょんなことから、サユリはサトシと2人で会うきっかけが生まれました。

 憧れのサトシとのデートを前に、雑誌を買い、洋服を買い、美容院に行き、サトシにふさわしい女性になろうと奮闘するサユリ。そんなサユリを家族も応援。クリスマスも近い長崎は、サユリの瞳にはキラキラと輝くリスボンの街に見えていました。そして、イブの夜、なんとサトシと会う約束まで漕ぎ付けたサユリ。初めて好きな人と過ごすクリスマスイブに、サユリは不安を抑えきれません。本当に自分でいいのか? 王子様には不釣合いではないのか? 葛藤が渦巻く中、サトシから携帯電話に連絡が入ります。

 「仕事で遅れそうなんだ」

 その言葉に、サユリは不安を爆発させてしまいます。クリスマスイブの夜、サユリの恋はどんなクライマックスを迎えるのでしょう? イルミネーション輝くクリスマスシーズンにピッタリの作品です。

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