オリジナル動画と機動性で勝負する──米国発「アンプドモバイル」の携帯コンテンツ戦略(1/2 ページ)

» 2007年03月27日 17時16分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo アンプドモバイルの平井清人社長。アンプドモバイルは3月1日にauのEZweb向けサービスを開始。平井氏は他キャリア向けにも展開したいと話す

 通信インフラの拡張やワンセグの普及、端末機能の向上に伴って注目され始めている、携帯向けの動画コンテンツ。キャリアやテレビ局、芸能プロダクション、コンテンツプロバイダらがオリジナルコンテンツの製作に乗り出す中、日本への参入を決めたのが米国生まれのコンテンツプロバイダ「アンプドモバイル」(amp'd mobile)だ。

 “キャリアの前提を無視して、ユーザーは何がほしいのかという視点でサービスを提供する”というamp'd mobileは、米国でVerizon WirelessのMVNOとして若者層に特化した携帯サービスを展開。流行を先取りする若者向けに動画やゲームなどのリッチコンテンツを提供するとともに、アーティストとのライブセッションを実施したり、スポンサーとして各種イベントを支援するなど、リアル世界との連携にも積極的に取り組んでいる。

 アンプドモバイルは、どんなサービスと戦略で日本のコンテンツ市場にくい込もうとしているのか。アンプドモバイルの平井清人社長に聞いた。

Photo 米サンタモニカにあるamp'd mobileのオフィスは、人気ドラマ「24」のファーストシーズンに登場したCTU本部のセットをそのまま使っている。キーファー・サザーランド扮する主人公ジャック・バウワーのオフィスは会議室として使われているという

イベントの最中にその内容を配信──リアルタイム性を重視

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 米amp'd mobileがコアターゲットとするのは、流行に敏感な18歳から25歳くらいの若者層。ここに向けてメインストリームになる前の、少々ニッチながら若者の中では人気が出ているコンテンツを見つけ出し配信しているという。このターゲットとコンセプトは日本でも同じで、参入当初は米amp'd mobileのコンテンツの中から日本で注目を集めそうなものを配信する計画だ。

 「米amp'd mobileのコンテンツには2つの軸がある」と平井氏は話す。1つはMTVやワーナー・ブラザース、20世紀フォックス、ABC、コメディ・セントラルといった既存ブランドからライセンスを受けた動画コンテンツのストリーミング配信だ。ユーザーは見たいムービーを個別課金で購入できるほか、定額でベーシックなチャンネルが見放題のパッケージプランも選択可能。携帯を“いつでもどこでも見られる、手のひらの中のケーブルテレビ”のように利用できるわけだ。

 もう1つが、amp'd mobile自らが制作するオリジナルコンテンツ。同社が最も注力して取り組んでいる分野で、機動性を武器にさまざまな旬のコンテンツを制作・配信している。

 平井氏は「中でも3つの施策が注目を集めている」という。1つは自社の中継車を使ったイベント動画の即時配信だ。クラブイベントやスーパークロス(モーターバイクのイベント)などの会場に中継車を送り、その映像を撮影してストリーミングで配信するという試みで「ユーザーは、アメリカでやっているスポーツイベントやクラブイベント、音楽イベントを、リアルタイムで携帯から視聴できる」(平井氏)。スポーツイベントでは、中継車の中にある編集機材を使って、イベントの最中に、ハイライトシーンのムービーや壁紙を配信。ユーザーが試合を見ながら、ハイライトシーンの壁紙やムービーをダウンロードできる。

 2つ目は、自社で持つ音楽スタジオを使ったオリジナルコンテンツの配信だ。「amp'd mobileが提携しているレーベルのアーティストを招いてライブセッションを行い、amp'dオリジナルのライブ版着うたフルやビデオ、スペシャルインタビューを作成して配信する」(平井氏)。ビッグネームから、これからブレイクしそうなアーティストまで、すでに10組前後のアーティストのコンテンツを配信済みで、アンプドモバイルのオープン時には、ちょうどスタジオを訪れていたSnoop Doggから日本のファンに向けたメッセージが届くというサプライズもあったという。

 3つ目は、amp'd mobileオリジナルのアニメーション作品の制作。The Simpsonsのプロデューサーを招いて制作した、ブッシュ内閣を小学生に見立てたパロディアニメ「Lil' Bush」は、携帯から人気に火が点き、ケーブルテレビ向けのComedy Centralでの放送が実現した米国初の事例になったという。

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