インタビュー
» 2007年11月28日 10時00分 UPDATE

開発陣に聞く「P905i」(後編):「ファミコン世代」へ向けた最強──P905iはかくして“VIERAケータイ”になった (1/4)

“最強中の最強”と同社がうたう「P905i」。横にも開くWオープンスタイルの実現で、念願のあのブランドも冠した。後編は“VIERAケータイ”になるまでに至った映像へのこだわりと、実現までの苦労の裏側を探る。

[岩城俊介,ITmedia]

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photo パナソニック モバイル製の「P905i」。カラーはブラック、ホワイト、レッド、ピンクゴールドの4色を用意する

 当初は無難な回転2軸スタイルも想定しながら、横にも開く新機構“Wオープンスタイル”を完成させたパナソニック モバイルコミュニケーションズの「P905i」開発チーム。しかし、“最強中の最強”を名乗るにはそれだけではまだ足りない。

 そう、“VIERAケータイ”になることである。

 “VIERA”は松下電器産業のテレビブランド。松下電器最重要商品の1つとして展開するブランドの1つだ。2006年頃から携帯に搭載する映像や音楽機能の進化にともない、シャープのAQUOSやソニーのウォークマンなど、自社グループの主力AVブランドの名を冠した“ナントカケータイ”で機能を最大限にアピールする手法が一般的になりつつある。

 パナソニック モバイルは2006年3月にドコモ初のワンセグ携帯「P901iTV」、2007年2月に「P903iTV」を開発した。今回のP905iは、同社にとって3世代目のワンセグ携帯となる。

 2007年2月に発売した2世代目のP903iTVは、2.8インチのワイドディスプレイやさまざま視聴スタイルに対応できる回転2軸ボディ、2系統のアンテナによる合成ダイバーシティ技術で高い受信性能を備えるとともに、VIERA開発チームのもとに何度も足を運び、“テレビ”に適した絵づくりを追及した。しかし、P903iTVは“VIERAケータイ”ではなかった。それは、VIERAのブランドを冠するまでのレベルに至らなかったためなのか、それともあえて冠しなかったのか。

 P905iは、晴れて“VIERAケータイ”になった。そのことは何を意味するのか。後編は、VIERAブランドを冠した理由やそれまでの苦労、映像や音声出力にこだわる機能の裏側に迫っていく。

photo パナソニック モバイルコミュニケーションズ「P905i」開発チーム。左から商品企画担当の佐藤恭子氏、Java・グラフィックス担当の春元英明氏、プロジェクトマネージャーの福田正宏氏、映像・ディスプレイデバイス担当の久保田孝介氏、カメラ・技術担当の石原崇氏、機構・設計担当の友部真治氏

自信を持って“VIERAでやらせてくれ”といえるようになった

photo パナソニックの薄型テレビ“VIERA”シリーズ(2007年4月)

 「“VIERA”ブランドを冠すること──。プロジェクト発足時、そのことはまだ完全に決まっていませんでした」(P905iプロジェクトマネージャーの福田正宏氏 以下、福田氏)

 P905iの開発当初はおそらくP903iTVの完成時とも交差する時期と思われるが、まだ“VIERA”を冠するかどうかは決まっていなかった。しかし、当時、シャープの“AQUOSケータイ”などが認知され始めてきた背景があり、社内外から「“P”はやらないの?」という声も高まっていた。そのためプロジェクトとは別に検討を進めていたという。「何を持って“VIERAケータイ”にするのか」ということを。

 開発が進むと、念願の“Wオープンスタイル”ができあがった。構造や視聴スタイル、採用スペックなども固まってきたことで「やはり、遅ればせながらも“VIERA”を打ち出したい」(福田氏)と強く思うようになった。

 今回、2007年下半期向け端末として同社はP905iと「P905iTV」(2008年2月〜3月発売予定)、「P705i」(2007年1月〜2月発売予定)にワンセグを搭載する。そのうち“VIERAケータイ”を名乗るのはP905iとP905iTVの2機種となる。

 同社は“VIERAケータイ”とする条件として、

  • VIERAの高画質化技術を搭載
  • ワンセグ視聴に最適なスタイルを採用
  • VIERAとの連携

 を課した。P705iもワンセグを搭載するが標準的な折りたたみスタイルを採用したため、上記の条件を満たさない。そのためP705iは“VIERAケータイ”ではないということになる。

 「同時に、より映像に特化したP905iTVも開発していることもあり、P905iにも“VIERA”を絡めるか悩んだ」(福田氏)という。しかし、条件に合致するP905iにも“VIERA”を冠することにした。結果、“最強”にしなければならないという気持ちもより高まることになった。

 「フルワイドVGAのディスプレイを採用し、ワンセグを含めた映像画質を非常にきれいに出力できるようになりました。形状や視聴スタイルとともに、プロジェクトとしても自信を持って“VIERAでやらせてください”といえるようになりました。ここまで来たぞ、というのも“VIERA”を冠するにあたる判断ポイントでした」(商品企画担当の佐藤恭子氏 以下、佐藤氏)

photophoto VIERAケータイの名が与えられた「P905i」(11月28日発売)と「P905iTV」(2008年2月〜3月発売予定)
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