P903iTVが目指した「“VIERA”クオリティ」:開発チームに聞く「P903iTV」(1/3 ページ)

» 2007年04月05日 18時40分 公開
[太田百合子,ITmedia]
photo ディスプレイを90度に傾けられる回転2軸ヒンジを採用した「P903iTV」

 「画面オフ状態からすでにダメだ」。試作機をVIERA開発チームに見せたらこういわれた──。

 約2.8インチの大型かつ広視野角のワイドQVGAディスプレイを採用したワンセグケータイ、それがパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P903iTV」だ。パナソニック独自の「モバイルPEAKSプロセッサー」による高画質さ、2つのワンセグアンテナと「合成ダイバーシティ」による高い受信性能、最大約7時間の連続視聴という「高画質・高感度・長時間」の実現が大きな特徴となる。

 特に“高画質”に対して、ドコモ初のワンセグ携帯「P901iTV」(2006年3月発売)を生み出した同社ならではの、そして“パナソニック”としてのこだわりを盛り込んだ。「他社に負けない、ナンバーワンのワンセグ携帯を」という強い思いを込めたという、P903iTVの開発チームに話を聞いた。


photo P903iTVを手がけたプロジェクトマネージャーの山口徹也氏(左)と、商品企画グループ 商品企画第一チームの井端勇介氏。

VIERA開発チームの“テレビ”へのこだわり──「黒い画面からすでにダメだ」

photo 2006年3月に発売したドコモの初代ワンセグ携帯「P901iTV」

 「P901iTVを投入した当時は、単に“ワンセグ搭載”ということが大きな価値でした。しかし、あれから1年。たった1年で、もはやワンセグも当たり前の機能になりました。当たり前となりつつあるワンセグに、まだどんな実現できていない価値観があるのか──私らは、ワンセグは“テレビ”なのだということが重要と考えました。2代目の開発にあたって、その部分にとことんこだわりました」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ P903iTV商品企画担当の井端勇介氏)

 2機種目のワンセグケータイに向けて取り組んだテーマは「高画質・高感度・長時間」という3つの柱。特に「高画質」は、パナソニックの家庭用薄型テレビ“VIERA”開発チームの協力のもと、“テレビ”に適した絵づくりを追及した。

 「携帯電話としての画質の追及や絵づくりは、当社はこれまでしっかりやってきました。しかし“テレビ”の絵づくりは、アプローチから全く違いました。実は当初、試作機をVIERA開発チームに持っていった時に“電源オフ状態の黒い画面から、テレビのシルエットとしてすでにダメだ”と言われたのです。試しに映像を映してもそう。こだわりのレベルの高さが違う──液晶パネルの設計から見直しました」(P903iTV プロジェクトマネージャーの山口徹也氏)

 「ちなみに白色も、携帯の画面としてきれいに見える白と、“テレビとしてきれいに見える”白は大きく違います。テレビには“テレビ用の絵づくり”が必要なのです」(山口氏)

photo 光センサーによる画質の自動調整レベルは、“ディスプレイの照明設定”で変更できる。ユーザーが設定したおおまかなディスプレイの3段階の明るさを起点とし、それぞれの視聴環境に適した調整が自動的に行われる

 「“モバイルPEAKSプロセッサー”はデジタルノイズの除去や、色をよりきれいに見せるなど、裏でさまざまな処理を行うものです。人間の目はリアルな色よりも、例えば緑のものはより緑というように、少し色を強調した方がきれいに見えるという特性を持っています。今までテレビの分野で培ったノウハウを生かして、テレビの映像を、よりきれいに見えるよう自動的に調整しています」(井端氏)

 これらをふまえP903iTVは、ワンセグ視聴時とそれ以外の画面の色味が最もきれいに見えるよう、それぞれ自動的に最適化する機能を備えた。パッと見にはほとんど気がつかないレベルかもしれないが、それもポイント。ワンセグを起動するとそれに合わせて、かつ周囲の環境に応じて、ごく自然に快適に視聴できるよう色味が微妙に変化する。自動的に最適化すると簡単にいうが、そのセッティングにどれだけ苦労があったかは計り知れない。

 さらに、光センサーにより視聴環境の明るさを自動検知し、画質を最適化する機能「液晶AI」も内蔵する。同じく光センサーを備えるP903iは周囲の明るさに合わせて液晶の輝度を自動調整するのみだったが、P903iTVは輝度以外にコントラストや色味も微調整する、より進化した仕組みを取り入れた。


Get Macromedia FLASH PLAYER 光センサーと液晶AIによる、周囲の環境に合わせた画面の変化(注:暗くなった瞬間、一時的に画面が明るくなったのは、撮影したデジカメ側の感度調整によるものです)
(このムービーをご利用いただくにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。ムービーはこちらからでも参照できます)

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