ウィルコムのスマートフォン「W-ZERO3」シリーズは、国内のスマートフォン市場で約7割のシェアを誇っており、他のWindows Mobile搭載機と比べて、かなり日本のユーザーに合わせた使い勝手を提供している。
初代W-ZERO3はサイズ的に手に持って通話するにはあまり向かなかったが、2代目の「W-ZERO3[es]」で携帯電話らしい形状になり、待受画面(Home画面)で左右キーを押すと発着信履歴を表示する機能や、データ通信中の着信通知、個別着信音の設定などに対応。さらに、3代目の「Advanced/W-ZERO3[es]」になると通話中の着信通知やリモートロック機能の追加、通話音量を大きくするなどの改良が加えられた。
細かな改善を重ね、サイズも含めて徐々に使いやすくなってきたW-ZERO3シリーズ。それでも、通話するだけなのに何度もボタンを押さなければならないといった、操作上の使いにくさがあったため、“スマートフォンは使いにくい”といったイメージをぬぐい去れなかったのも事実だ。
そんなイメージを打破すべく、「WILLCOM 03」ではケータイの基本機能である「通話」「メール」「Web」の使いやすさを根本的に見直している。WILLCOM 03の「ゼロスリー」という名前の由来にもなっている0(ゼロ)から3(スリー)つの基本機能について、本当に使いやすくなっているのかチェックしてみよう。
まずは、通話機能を見てみよう。これまではWindows Mobile標準の「連絡先」を利用していたが、これが使いにくさの原因だった。WILLCOM 03では、シャープが独自で開発したアドレス帳アプリの「電話帳」を搭載。待受画面からアドレス帳を使って発信するのに、Advanced/W-ZERO3 [es]までは最低でも4ステップかかっていたが、WILLCOM 03では2ステップに減った。
また、通話先を選ぶときに、あ行〜わ行といったような行ごとのタブ表示に対応した。左右キーまたはダイヤルキーでタブを切り替えでき、より素早く相手を見つけられる。さらに、アドレス帳の検索や全件削除にも対応した。これらの機能は、これまでもユーティリティソフトを使うことで実現可能だったが、標準搭載で便利になったのはうれしい。
逆に気になったのは、アドレス帳の文字サイズが変更できなくなったことだ。比較的大きめのサイズになっているが、サイズが変更できないのは残念な点である。また、削除機能は1件か全件だけで、複数を選択して削除することができない。検索機能では、インクリメンタルサーチの実現が待たれるところだ。まだまだ改良の余地は多いが、ひとまず普通に使えるようになっている。
もう1点、通話機能に関連して充実が図られたのが、近接センサーの搭載だ。近接センサーは話題の「iPhone 3G」などにも搭載されているデバイスだ。
タッチパネル搭載端末は、通話時に耳などが画面に触れると誤動作する可能性がある。それを防ぐため、WILLCOM 03では画面の近くに顔などが近づくと動作をロックし、しばらく通話を続けると画面のライトも消えて消費電力を抑え、通話時間を延ばすようになっている。
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