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» 2010年02月05日 22時51分 UPDATE

松村太郎のiPhone生活:ソーシャルネットワーキング:第27回 位置情報陣取りゲームにハマる――「foursquare」

位置情報とソーシャルネットワーキングの融合から生まれた、ゲームでもありコミュニケーションツールでもあるサービス、それが「foursquare」だ。TwitterやFacebookとも連携しつつ、街の情報を収集・発信できる。

[松村太郎,ITmedia]
Photo 位置情報ゲーム×ソーシャルゲームといったイメージの「foursquare」

 2010年はAndroidの盛り上がりも注目だが、iPhone生活の連載も続けていくので、どうぞよろしく。さて、個人的な話で恐縮だが、2010年の年明けはニューヨークで過ごしてきた。その行きの飛行機で機内誌を眺めていたら、2010年に盛り上がるサービスとして1つの見覚えがあるロゴが紹介されていた。

 「foursquare」――直訳すれば「四つ角」という意味のWebサービス、iPhoneアプリが、Twitter、Facebookの次に2010年を盛り上げるというのだ。そのキーワードはローカルビジネスだ。

 foursquareはiPhone、Android、BlackBerryなどで利用できる、一言でいえば「位置情報ゲーム」だ。自分が今いる場所に「check-in」すると、1日のチェックイン数、初めて訪れた場所かどうか、リストになく自分で見つけ出した場所かどうか、などの条件に応じてポイントが付与される。

 当たり前のように、foursquareの情報はTwitterやFacebookにフィードすることができる。

 世界中の都市で、foursquareの1週間のポイント獲得数のランキングが表示され、毎週月曜日から日曜日まで、熾烈なポイント獲得合戦が行われていく。つまり、自分の行動がポイントで評価され、ニューヨークならニューヨーク、東京なら東京の中で、ランキングの上位を目指していくのが1つの遊び方だ。

PhotoPhotoPhoto 「Check in」すると、今自分がいる場所を通知できる。TwitterやFacebookと連動させ、現在地情報を投稿することも可能だ。あらかじめ設定した“友達”がどこにいるかも確認できる。Check inした回数などに応じてポイントが付与され、ランク付けされる

 さらに、チェックインする回数が多い場所は「Mayor」(町長・市長の意味)として認められる。自分が良く行く場所や地元の駅のMayorになると、なんだか街への貢献をしているかのような気分になってくる。しかし安心してはいられない。ちょっとサボって目を離しているうちに、すぐに別の人にMayorが移ってしまうのだ。

 先日ITジャーナリスト・コンサルタントの林信行さん(@nobi)がTwitterで「@taromatsumura が表参道駅のMayorなのはなんか悔しいな」という発言をしていた。そうなると、僕は地位を追われまいとして、今日も足繁く表参道を通り、foursquareアプリを立ち上げてチェックインするのである。

 ただ林さんは続けてこんなこともつぶやいていた。「用事つくってもっと行くようにしようっと ;-)」と。もちろんfoursquareのMayorになることで特別な恩恵が受けられるわけではないが、打ち合わせ場所を表参道に指定して行く回数を増やすことでMayorを狙うことだってできるのである。行動パターンが変わろうとしている瞬間だ。

 もちろんfoursquareはゲームである。しかし、人の行動を変える可能性を持っているゲームなのだ。これは街の活性化にも一役買いそうだ。例えば新店開店のオーナーは、foursquareのMayorたち、つまり行動的な街の達人にはドリンクを1杯サービスしてローカルな口コミを可視化しながら広める活用だってできるのだ。

 foursquareにはもう少し遊び方がある。例えば、いつも目の前を通るけれども入ったことがないお店で食事がしたい、と思っていたらそのお店に「To Do」を設定できる。いわば街のお店にTo Doメモの付せんをぺたっと貼る感覚だ。すると、同じ場所を通りかかった人が、その街ですべきことを知ることにもつながる。また街の達人を自負するなら、チェックインした場所に「Tips」を残すといいだろう。ほかの人が近くでチェックインしたときに、自分が残したTipsがポップアップして表示され、誰かの役に立つかもしれない。

 foursquareはユーザーの行動に応じて「Badge」が付与される点もまた面白い。クリアが難しそうな、さまざまなな条件が設定されているBadgeを獲得するのも街の達人の証。こうして、シンプルなチェックインという動作ながら、都市ごとの競争、Mayor争い、Badge、To Do/Tipsといった多彩な楽しみが得られるのだ。

PhotoPhoto Tipsを開くと、ほかのユーザーが投稿した便利な情報が一覧表示される。またクリアした条件などに合わせてBadge(バッジ)が付与されるので、これをたくさん集めるという楽しみ方もある

 日本語化されていない点に抵抗を感じてしまう人もいるかもしれないが、ゲームとして、あるいは新しいローカルメディアコミュニケーションとして、ぜひ触れてみてほしいサービスだ。もしここまで読んでもやってみよう、と思わない合理主義者のために、最後にもう1つ。

 foursquareのチェックイン情報は、GoogleカレンダーやMacのiCalに読み込むことができるカレンダーフィードを用意するようになった。自分のライフログをカレンダーに正確に把握して行動ハックをしたい人にとっても、強力なツールとして使えるだろう。

プロフィール:松村太郎

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東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。


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