インタビュー
» 2012年03月16日 02時31分 UPDATE

開発陣に聞く「HONEY BEE 101K」:すべては“カワイイ”のために PHSからスマホへ生まれ変わった超個性派モデル「HONEY BEE 101K」 (1/3)

女子高生に人気のPHS「HONEY BEE」。そのコンセプトはそのままに、Androidスマートフォンへ生まれ変わったのがソフトバンクモバイルから発売された「HONEY BEE 101K」だ。京セラに、開発経緯などを聞いた。

[平賀洋一,ITmedia]
photo 「HONEY BEE 101K」(写真=左)と「HONEY BEE 3」(写真=右)

 ソフトバンクモバイルが1月27日に発売した、京セラ製の「HONEY BEE 101K」は、そのデザインやユーザーインタフェース(UI)、ボディカラーのバリエーションなど、主に女子高生を強く意識したAndroidスマートフォンだ。

 HONEY BEEといえば、カラフルでポップなデザインのPHSとしておなじみの端末。初代の「HONEY BEE(WX331K)」は2008年2月に発売され、同年11月にはカメラが搭載された2代目の「HONEY BEE 2(WX331KC)」が登場した。

 約1年後の2009年11月に発売された3代目の「HONEY BEE 3(WX333K)」は、アウトカメラとインカメラに35万画素のCMOSを備えて“自分撮り”も重視したモデル。また2010年2月には、初の折りたたみ型でイルミネーション機能にもこだわった「HONEY BEE BOX」がラインアップに加わっている。そして、最新機種の「HONEY BEE 4」(2010年12月発売)は、動画撮影やFlashコンテンツにも対応し、さらにウィルコムの『だれとでも定額』が使えるPHSとして、現在も人気を博している。

 HONEY BEEシリーズにはこのほかにも、限定モデルや派生モデルがいくつかある。そしてそれらはすべて、“通話専用の2台目3台目ケータイ”というウィルコムの戦略に沿ったものでもあった。

 フィーチャーフォンで人気だったブランドがスマートフォンで復活・復刻する潮流が続いているが、果たしてHONEY BEEもそうなのだろうか? HONEY BEE 101Kの開発を担当した、京セラ通信機器関連事業本部国内第2マーケティング部商品企画課の横田希氏と、同マーケティング部デザインセンターの漆畑睦氏、佐藤孝幸氏に、開発経緯を聞いた。

「かわいいスマホがない」という不満

photo 製品企画を担当いた京セラの横田氏

 前置きが長くなったが、HONEY BEEといえばかわいいデザインの通話専用ケータイというイメージが強い。高機能携帯電話とも呼ばれるスマートフォンからは、ちょっと距離がある位置付けの製品だ。横田氏はHONEY BEEをスマートフォンにした理由について、「ユーザーからの『スマートフォンを使ってみたい』という後押しが大きかった」と話す。

 「HONEY BEEの開発経緯から、我々はユーザー層である女子高生を中心にニーズの聞き取り調査を行っています。以前はあまりスマホへの興味を感じませんでしたが、ここ1年くらい前から、“タッチ操作するケータイ”への興味が大きくなってきました。急激な普及で目にする機会も増え、女子高生層にもスマホの存在が浸透していったようです」(横田氏)

 先輩やまわりの大人たちが“タッチ操作のケータイ”に機種変していくなか、流行に敏感な彼女たちが街に溢れるスマホに興味を持たないわけはない。しかし、自分たちのケータイをスマホに変えるまでには至らなかった。その理由はかなり明快だ。

 「先ほどの調査の一環で、他社の人気機種などいろいろなスマートフォンを試してもらうと、『おじさんっぽい』『かわいくない』ということで、持ちたいと思わないという結果が多くなりました。決して、デザインが悪いとか、かっこわるいではない。かわいくないので、“自分たちの持ち物”には見えないようです」(横田氏)

photophoto 「HONEY BEE 101K」のホワイトピンク

 スマホが普及してきたとはいえ、まだまだ一部の人たちの物というイメージがあるのは否めない。スマホの多くは、SF映画に出てくる小道具のような先進的なデザインであったり、シンプルさを強調するためディティールがミニマムだったりする。早くからスマホに興味を持ったギーク層や、PCに近い処理能力を求めたビジネス層への受けは良いが、若い女性層が敬遠するのももちろんだ。では、どんなデザインならば良いのだろうか。

 「それはもう、『かわいい』ことです。かわいい、カワイイ、Kawaii……同じ言葉でも言い方でニュアンスが変わるようですが、とにかくかわいくないと持ちたくない。それなら、かわいいことで定評のある『HONEY BEE』をスマホにしよう――というのが、開発のスタートです」(横田氏)

画面の中も思い切り「HONEY BEE」

 HONEY BEEをスマートフォン化するにあたり、デザインとともに重要になったのが端末のサイズだ。HONEY BEE 101Kは約3.5インチのワイドVGA(480×800ピクセル)タッチパネルを採用しており、ボディの幅は約56ミリとかなり細い。これは片手操作にこだわったためだという。

 「フィーチャーフォンからの乗り換えを想定すると、片手で操作できることが極めて重要です。スマートフォンのディスプレイは4インチ以上のものが主流になっていますが、これでは女子高生の手には大きい。あくまで、片手操作にこだわったサイズにしています」(横田氏)

 もちろん、女子高生でもディスプレイは大きい方が良いだろうが、もてあますようなサイズになっては“ケータイ”の意味が無い。操作を重視しつつ、スマートフォンとして十分な情報を表示できるタッチパネルのサイズが選ばれた。そして、ただ小さくするだけでなく、片手でも快適に操作できるよう、さまざまなインタフェースが工夫されている。まずひと目で分かるのが、ハードキーの数だ。ハードウェアのデザインを担当した漆畑氏は、次のように説明する。

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