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» 2014年06月13日 14時06分 UPDATE

液晶工場も(一部)公開:“異彩”ぶりがさらに際立った「isai FL」 メーカー×キャリア×サードの3者共同開発で目指したものとは? (1/2)

auが7月下旬に発売する「isai FL」。LGがその開発コンセプトを説明し、スマホでWQHDが必要な理由や、開発にはキャリアとメーカーだけでなくサードパーティも関わったことなどを明かした。

[房野麻子,ITmedia]

 LGエレクトロニクスが6月11日から13日まで、韓国・釜山で「isai Press Tour 2014」を開催。KDDI(au)が7月中旬以降に発売する「isai FL LGL24」の開発エピソードを披露したほか、韓国・亀尾(クミ)にあるLG Displayの工場を公開した。同工場はisai FLに搭載される高解像度の液晶パネルなどを製造している。

photo 「isai FL LGL24」
photo LGエレクトロニクス・ジャパンのキム・ヒチョル氏

 “isai”は、3M戦略に代表されるKDDIのサービスとLGがグローバルで培ってきた技術力を融合し、日本市場にマッチしたユニークなスマートフォンを作ろうとして始まったブランド。2013年11月に初号機「isai LGL22」が販売され、isai FLは第2弾となる。ちなみに、名称の中の「FL」は“フルスペック”や、振って操作できる「isaiモーション」の“振る”を意味しているという。

  isai FLの開発を担当したLGエレクトロニクス・ジャパン モバイルコミュニケーション プロダクトチームのキム・ヒチョル課長は、「スマートフォンの進化のスピードは速く、新しいモジュールが次々と出る中で、デザインやハードだけで驚くものを出すのが難しくなってきている」と語った。その中で、「携帯電話事業者だけでも、メーカーだけでもできないものを、今回はサードパーティも加わり、ユーザーに使い方を提案できるものを作ろうとしたのがisai FL。本当の意味で共同で作り上げたモデル」と強調した。

photo “isai”はKDDIとLG、さらに今回はサードパーティを加えた3者の共同開発で生まれた端末であることを強調

3大訴求ポイントは「ディスプレイ」「isaiモーション」「ノックコード」

 キム氏が、isai FLの3つの大きな特徴として取り上げたのは「ディスプレイ」「isaiモーション」「ノックコード」だ。

 auの今夏モデルはいずれも5型以上の大画面を搭載しているが、その中でもisai FLは最も大きな5.5型液晶を採用。しかも、フルHDの1.8倍の解像度を持つWQHDディスプレイ(2560×1440ピクセル)だ。この超高精細ディスプレイを搭載するにあたっては、LG社内でも「本当に必要か」「ユーザーに価値が伝わるか」という議論があったという。

 「4Kテレビが出始めたときも同じ議論があったが、現実的に日本でも4Kテレビが流行り始めている。スマートフォンでも、こういうディスプレイを使うことで、解像度の違いは分からなくても素直にきれいだと感じてもらえる」(キム氏)と判断し、採用に至った。

photo LG社内で議論はあったものの、「見てもらえば美しさを感じてもらえる」と搭載を決定。LGの関係者は「写真で見てもなかなか通じないので、店頭で実際に見てほしい」と繰り返した

 実際にプリセットされている動画や写真を見てみると、奥行き感を感じるほど美しい。新聞や地図など、小さな文字を表示するときにも威力を発揮するだろう。機会があったら、ぜひ店頭で、その精細さを体感してみてほしい。

 ところで、isai FLはディスプレイの左右と上部の額縁が非常に狭い3辺狭額縁スタイルで、インカメラはディスプレイの下部に配置されている。ただ、日本で3辺狭額縁といえばシャープのAQUOS端末がおなじみだ。

 キム氏によると、LG社内でも3辺狭額縁のインパクトには大きな期待を寄せていたのだが、「シャープ端末が先に発表されてしまった」という。「技術の進化は速い。これからもがんばりたい」と悔しさをにじませていた。

振って3つの機能を楽しめる「isaiモーション」

 2つ目の特徴は、端末を振ることで操作できる「isaiモーション」。初代isaiでは、横フリックと上下スクロールでさまざまなニュースをチェックできる「isaiスクリーン」が独自のユーザーインタフェース(UI)として搭載されていたが、「ショップの店員さんが説明しにくく、わかりにくい」という反省点があったという。今回採用されたisaiモーションは、象徴的でわかりやすくユーザーに伝わるUIを目指した。「これまでジェスチャーで大きく取り上げられた機能がなかったので、そこに挑戦した」(キム氏)という面もある。

photo 端末を振ることで3つの機能を使える「isaiモーション」。「振るとなにか面白いことが起こる」をコンセプトに開発された

 isaiモーションでは3つの機能が提案されている。1つは、ホーム画面およびロック画面で振ると、その場に近いお得な情報が出てくる「おでかけ」。au Walletが使える店や食べログで評価の高い店を表示してくれる。「アレンジ」はホーム画面のカスタム機能。振るだけで、壁紙とアイコンを一度に変えることができる。着せ替えについてはユナイテッドの着せ替えアプリ「CocoPPa」をベースにしており、専用のデザインが毎月更新される。サードパーティとの協力で実現された機能の1つだ。さらに、ギャラリーの写真を表示して振ると、複数の画像が1枚の画像に編集される「アルバム」機能も搭載した。なお、この3機能をオフにして、振るだけで自分のよく使うアプリを起動するように設定して使うこともできる。

楽しくて便利なセキュリティ機能「ノックコード」

 LGがグローバル端末で訴求している「ノックコード」もisai FLの大きな特徴だ。初代isaiには、トントンと2度タップすると画面のオン/オフができる「ノックオン」という機能が搭載されているが、それをより進化させた。ノックコードは、あらかじめ決めたパターンで画面をタップすると、ロックを解除してホーム画面を表示する。タップはパターンが合ってさえいれば、画面の位置や大きさは問われない。

photo スリープ中に、あらかじめ決めたパータンで画面をタップするとロック解除される。LG独自のUIとして特許も申請している

 「スマートフォンはセキュリティを強化する傾向にあるが、指紋認証は専門のデバイスが必要でメーカーにとってはコストが高くなり、ユーザーにとっては指紋の設定はハードルが高いという人がいる。ノックコードはとっつきやすく、楽しい。セキュリティ上も安心だ」(キム氏)

 その他、細かい部分も改善されている。isaiスクリーンは、SNSのカテゴリに「Instagram」、ニュースのカテゴリに「Antenna」が追加された。また、3つのキーワードを登録すると、ネット上から情報を集めて雑誌風に表示する「isaiマガジン」を搭載した。これも、開発の初期段階から3者が協力して実現した新しい取り組みだ。

 カメラはハード面での進化はないが、撮影後にフォーカス位置を変更できる「マジックフォーカス」、自分撮り時にジェスチャーでシャッターが切れる「ジェスチャーショット」、ファインダー画面をフリックするだけでメインカメラとインカメラを切り替える機能などを搭載し、利便性がアップしている。そのほかのAV関連の機能では、フルセグやハイレゾ音源再生にも対応した。

若いユーザーを意識したビビッドカラーを採用

 カラーバリエはWhite、Blue、Pinkの3色を用意。初代isaiでもデザインやカラーには非常にこだわっていたが、isai FLでもKDDIとデザインの検討は密に行ったという。例えば、背面のキー。「LG G3」などLGのグローバル端末は、背面にボリュームキーと電源キーを搭載しているが、isai FLはボリュームのみ背面に配置し、電源キーは右側面に配置されている。

 「正直、背面のキー配置はLGのアイデンティティなので、日本向けモデルだけ変えることは会社的にはなかなか難しい。ただ、日本で格好いいと思われるデザインにしようとということで、電源キーは横に配置した。これには時間がかかった」(キム氏)

 また、初号機は水がコンセプトで、それにのっとったカラー(白やブルー)を採用したが、今回は若いユーザーを意識して、フィーチャーフォンに使われているようなビビッドなピンクを採用したという。

 キム氏は「isai FLは現段階で最高のスペックで、使い方を提案するためにキャリア、メーカー、サードパーティさんの3者で作り上げた共同企画端末。日本独自仕様なので少し発売は遅くなるが、成功を願っている」と締めくくった。

photo プレスツアーで立ち寄った世界遺産の佛國寺でisai FLの完売を祈願するキム氏
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