インタビュー
» 2015年10月09日 18時32分 UPDATE

お肉や野菜も注文できます:待ち時間とポイントに新しい価値を 「au WALLET Market」開始、ショップの反応は? (1/2)

auショップの店頭で無農薬野菜や名産品、ミネラルウォーターが買える「au WALLET Market」。導入店舗での反応はどんなものなのか、スタッフに話を聞いた。

[平賀洋一,ITmedia]

 「iPhone 6s」や「iPhone 6s Plus」、「Xperia Z5」など話題のスマートフォンが登場し、キャリアショップを訪れる機会が増える季節。そこで気になるのが、店舗の混み具合だ。

 KDDIは8月25日、キャリアショップでの順番待ちや手続きの待ち時間中に、カタログやタブレット端末で厳選米や無農薬野菜、各地域の名産品、日用品や雑貨などを注文できる「au WALLET Market」を開始した。

auショップ中目黒 au WALLET Marketを展開し、「お肉や、野菜も注文できます」ののぼり旗を掲げたauショップ中目黒

 どうしても発生する待ち時間を逆手に取ったこのサービス、支払いは現金のほか、auかんたん決済、WALLETポイントも利用でき、たまったポイントを有効活用できるのもポイント。売られているのは「ちょっといいもの」がコンセプトで、au WALLET Marketでしか買えない商品もある。

 店舗では注文のみで買った物は自宅に配送される仕組み。欲しい商品をその場で持って帰れないものの、ミネラルウォーター(レンタルウォーターサーバー)など重たい物を定期的に購入するには便利だ。またECサイト上の商品をキャリアショップで“PCレス”で注文できるなど、ネットとリアルを結び付けた物販サービスという面もある。

 au WALLET Marketは直営店4店舗(au SHINJUKU、au OSAKA、au NAGOYA、au FUKUOKA)からスタートし、9月に108店舗へ拡大。年内に全国へ本格展開する計画だ。au WALLET Marketが始まってauショップはどう変わるのか? 担当するKDDI コンシューマビジネス開発部のMD開発グループリーダーの高橋寛氏と、9月にau WALLET Marketを展開したauショップ中目黒のauマスタースタッフ小金井崇行氏に話を聞いた。

待ち時間とポイントに新しい価値を

――(聞き手、ITmedia) 「au WALLET Market」がスタートして全国のauショップに広まっているところだと思います。すでに導入した店舗の反応はどんなものでしたか?

KDDI高橋氏 現在はお米やお水、野菜、IoT商品を中心にお勧めしていますが、「意外に売れる」という反応です。スタート直後に1日5万円の売上があった店舗もあります。9月初旬は直営店4店舗と代理店が運営する108店舗で、1日平均約1万円の売上でした。初速は順調です。

KDDIの高橋氏 KDDIの高橋氏

―― 来店者の反応はいかがでしょうか。

高橋氏 今までは「たまったポイントを使う機会がない」という声を店舗経由で多くいただいていました。これもau WALLET Marketの狙いの1つですが、ポイントをさまざまな商材と交換できるようになり、非常に好評です。

 今までもポイントでスマートフォンケースやアクセサリーなどを購入できましたが、どうしても端末や通信サービスに寄った商材になっていました。提供できる商品の幅が広がり、新しい価値を提供できたと思います。

 またスマホが普及しているといいますが、auユーザーの半数はフィーチャーフォン(ガラケー)をお使いです。その場合、ケースなどのアクセサリーを購入する機会があまりありませんから、ポイントの使い道が少なくなっていました。

店頭用タブレットで見る「au WALLET Market」 店頭用タブレットで見る「au WALLET Market」
紙のカタログも用意されていた

―― 利用者はどんな方が多いですか? 主婦層、シニア層が多いとか、特徴はありますでしょうか。

高橋氏 今はあらゆる年代の方に利用してもらっています。特定の属性への偏りは見られません。

―― 品ぞろえは「ちょっといいもの」を中心にラインアップされてます。食品や生活用品も付加価値が高い物、IoT製品もデザイン性が高い物が目立ちました。その反応はどんなものでしょうか。

高橋氏 ユーザーのライフスタイルにあわせて提案できるよう、現在(取材時)は300アイテムほど用意しています。ただベビー用品など、取り扱いのないジャンルもあり、さまざまご要望をいただいています。お酒などのリクエストもあるのですが、免許が必要など制度上のハードルもあるため、いろいろ検討しています。

 今は物中心ですが、今後はサービスも拡大していきく計画です。例えばペットフードをお買いの方には、ペット保険を勧めるなどですね。

―― 保険となると金融商品になりますね。そうするとじぶん銀行との連携もありえますか? また物販からサービスの取り扱いまで広げていくと、将来的にコンビニや郵便局のように、生活密着の総合窓口を目指しているのでしょうか。「スマホ料金のついでに電気料金を納めたい」などのニーズも考えられますが。

高橋氏 じぶん銀行とのサービス連携は課題の1つですが、具体的な検討はこれからです。例えば口座開設などの銀行業務は法律で定められており、今のauショップでは行えません。「こういったサービスもあります」とご案内は可能ですが。

「au WALLET Market」のリーフレット カウンターにはビデオパスやじぶん銀行などと一緒に「au WALLET Market」のリーフレットが置かれていた

 ただau WALLET Marketはユーザーが望むもの、欲しいものをすべて提供したいという戦略です。auショップがコンビニや郵便局になって欲しいという声があれば、それを検討する余地はあります。

―― au WALLET Marketは店頭での待ち時間を有効活用する狙いもあります。利用者からすると、まず待ち時間そのものを短くして欲しいところですが……。

高橋氏 そうですね、ただ今までの待ち時間は本当に手持ち無沙汰な感じでした。au WALLET Market導入後はさまざまな商品やサービスを目にしていただく機会が増えましたから、前向きに受け止めていただいています。

―― 待ち時間を活用できる一方で、au WALLET Marketで買い物する場合はそのオペレーションが発生します。商品説明や購入手続きなどに時間がかかり、回転率が悪くなって、別の利用者の待ち時間が長くなる可能性はありませんか? また買うつもりがないのに高額な商品を強く勧められて購入しまった、などのトラブルも起こりそうですが……。

高橋氏 そもそもが待ち時間の有効活用ですから、無理に商品を勧めることはありません。まずは目にしていただいて、気になったり、確実に欲しい物があれば、追加で説明させていただく、というのが実情です。「いろいろ進められて困った」とか「時間が余計かかった」という声は今のところありません。

―― 自社の利用者向けに高グレードの商品を販売する点では、機内販売やクレジットカードの会員向け物販、あるいはカタログギフトなど、販路を絞った販売方式と似ている印象です。そうした物販サービス向けの専門商社などもあると思いますが、au WALLET MarketはKDDIが仕入れ先と直接契約していますね。

高橋氏 KDDIとしてパートナー企業を広げよう、という意図もあります。新しい商材をそろえる際に(中間業者)1社だけでの関係ではなく、さまざまな関係を構築できると考えました。また商材にあわせて契約形態も変わります。自社で多くのパートナーを見つけてリレーションを強め、可能性を広げたいと考えています。

―― なるほど。単にauショップで売る物を増やしたい。というだけではないのですね。ところで店頭のau WALLET Marketで何かを購入すると、すべて配達になり、その場で持って帰ることはできません。リアルとECをつなげる仕組みではありますが、店頭でも注文だけという点が気になりました。

高橋氏 au WALLET Marketは水や米など定期的に購入する重いもの、あるいは産地直送の食品などが多いですから、どうしても配送になります。在庫の問題もありますし。

 ただ店頭で見て、その商品を直接持って帰りたいというニーズが一部にあることは確かです。このauショップ中目黒もそうですが、その場合は店舗独自の物販スペースも拡大するなどして、リアルな販売にも力を入れています。

店頭にあるau WALLET Marketアイテムのサンプル au WALLET Marketで取り扱う物でも、サンプルを店頭に置く場合もある

―― ECのau WALLET Marketとリアル販売の店舗物販の2本立てというわけですね。

高橋氏 各auショップはau WALLET Marketの導入に合わせて、物販も強化していく方向です。とはいえ店舗を運営する代理店の意向もありますし、店舗の立地や広さ、間取りもさまざまですから、共通のレギュレーション作りはこれからです。もちろん来店者のニーズを見て判断する必要もあります。

 au WALLET Marketは単なる来店施策ではなく、ユーザー接点を増やしてエンゲージメントを強化するのが目的。それに通信サービスだけでなく、物販やさまざまな商材の提供も考えられます。最終的に「auユーザーで良かったな」と思ってもらいたいですね。

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