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2017年01月25日 10時00分 UPDATE

気鋭のグロースハッカー集団、その正体は「お母さん」たち!? 福岡発「ママグロースハッカーズ」の挑戦

[PR/ITmedia]
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 データやノウハウを基にWebサイトを改善する手法として注目を集めている「グロースハック」。それを専門的に手がけるプロ集団が福岡県に存在する。ただしそのチームの姿は、多くの人が想像するものとは少し違うかもしれない――彼女たちは全員、子育て中の「ママさん集団」なのだ。

 「実子さん、ここのコードってどうなってるんだっけ」「えっと、そこは〇〇でね」

 職場はメンバーそれぞれの自宅。主な勤務時間は、子どもを保育園などに送り出した後や家事の合間にできた“すき間時間”だ。

 チームはWeb会議サービスなどを使って他メンバーと協力しながら、顧客のWebサイトのUI/UX(ユーザーインタフェース/ユーザーエクスペリエンス)を改善していく。取引先はリクルートジョブズなどの大企業から、町の歯科医院までさまざま。この仕事を通じ、家事や育児をこなしつつ月30万円以上を稼いでいる人もいるという。

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 彼女たちの名は「ママグロースハッカーズ」。総勢9人の、家庭と仕事の両方に打ち込むお母さんたちだ。

職場は自宅、境遇はバラバラ ネットでつながるママたち

 お母さんたちの朝は早い。多くのメンバーは家族のために朝食を用意したり、子どもを保育園や幼稚園に送り届けたりすることから1日が始まる。

 ひととおり家事を済ませて1人の時間になると“業務時間”がスタート。ノートPCを開いてWeb会議サービス「V-CUBE」にアクセスし、他のママたちと顔を合わせる。「今日もよろしくお願いします」。

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 彼女たちのグロースハッカーとしての業務内容は、顧客のWebサイトのアクセス数やコンバージョン率を高めること。画像の内容や位置、キャッチコピー、レイアウトなどを細かく変更しながら、ユーザーにとってより関心の高いサイトに作り変えていく。それらの結果を数値で評価しながら、より高い成果をお客さんに届ける、シビアな仕事だ。

 いざ仕事に取りかかり始めてからも、Web会議はつなぎっぱなし。分からないところを質問し合ったり、ときには雑談に花を咲かせたりしながら、和気あいあいと仕事に取り組む。作業中に家事が発生すると、それまでの仕事は一時中断。子どもを寝かしつけたあとや早朝など、自分が自由につかえる時間帯で残りの仕事をこなす。

photo 高橋愛子さん

 「幼い子どもがいると、食事の支度や掃除洗濯はもちろん、学校や習い事に行かせたり、1日が学校行事で埋まってしまう日もあったり……。日中で自由に働ける時間は午前10時から午後2時まで。『えっ、これだけしかないの」と、時間が限られていることに驚くと思います」――ママグロースハッカーズの1人である高橋愛子さんはこう話す。

 出産前は異業種で働いていた愛子さん。できればずっと働き続けたかったが「子どもを誰かに預かってもらわないと働けないし、パートタイムで働こうとしてもすごく短い時間しかできない」などと制約を感じていたという。自宅でグロースハックの仕事を始めてからは「自分でスケジュールを決め、どの仕事をどれだけやるかコントロールしながら働けるようになりました」と話す。

 一方「私はがっつりやりたいので、いくらでも仕事をくださいというスタンスです」と話すのは、メンバーの1人である平野実子さん。「この時間までにやると決めたことは必ずやります。午後6時に子どものお迎えだからココとココをやるとか、子どもが寝た後にココをやろうとか、大切なのは時間配分。勤め先に向かうとそれだけで時間かかってしまうので、それがないのが助かりますね」。

10カ月で400件超のWebページを改善――でも「実は素人だったんです」

 そんなママグロースハッカーズの活動がスタートしたのは2016年2月のこと。12月までの10カ月間で、400件を超えるWebページの改善を手がけてきたという。

photo ママグロースハッカーズが手掛けたサイトの一例

 もともとエンジニアやデザイナーの経験があってこの仕事を選んだのだろう――そう思って彼女たちに尋ねると、意外な答えが返ってくる。「実はPC自体もすごく苦手で、インターネットをしたり、せいぜいExcelで簡単なチラシを作ったことがある程度でした」と、実子さんは振り返る。

photo 平野実子さん(左)

 そんな彼女たちがグロースハッカーになるきっかけを作ったのが、福岡県にある社会人向けクリエイター養成スクール「デジタルハリウッドSTUDIO福岡」だ。ママグロースハッカーズは、この学校でともにUI/UX改善のノウハウを学んだ同窓生。チームは今も同校が中心となって運営し、案件受注からママたちのタスク管理までをデジタルハリウッドSTUDIO福岡が行っている。

 「これまでも、新たなスキルを身につけて働きたいというお母さんたちのニーズはありましたが、学んだことを生かしてもらう場がなかなかなかった」――デジタルハリウッドSTUDIO福岡の高橋政俊校長はこう振り返る。

 それが変わった要因の1つは、世の中のグロースハックに対する注目の高まりだ。デジタルハリウッドSTUDIO福岡では15年9月に、リクルートジョブズ、Kaizen Platformと連携して「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」をオープン。ママたちは8カ月間の講習の中で、Adobe Illustrator/Photoshopの使い方、Web制作やWebマーケティングのスキルなどを身に付け、グロースハッカーとしての一歩を踏み出したという。

photo デジタルハリウッドSTUDIO福岡の高橋政俊校長

 「ある講習で出した『家庭向け太陽光パネルのランディングページ改善』という課題で、『これはいけるぞ』と手ごたえを感じました。そのサイトでは申し込みの多くが男性名義なので、ページデザインも男性をメインターゲットとしていましたが、ママたちが『そんなわけないよね』『奥さんが旦那さんの名前で申し込んでるだけだよね』――と。これは、家庭内の消費を担う“ママ”という尖った属性だからこそ出てくる仮説だと思いました」と高橋校長。卒業後はWebサイト改善サービス「Kaizen Platform」と提携し、多くの仕事をそこから受注しているが、このようなママならではの視点などを評価されて“指名”で受注するケースもあるという。

 そして、ママたちが活躍するもう1つのきっかけになったのが、クラウドサービスやコラボレーションサービスの進化だ。

 「お母さんたちはとにかく自由に使えるまとまった時間を作るのが難しいので、自宅で済むことはすべて自宅で済ませたい。ママグロースハッカーズでは、仕事で使うデータやスケジュールは全てクラウドサービスで共有していますし、話し合いや日常のコミュニケーションはWeb会議を使って完結させています」(高橋校長)

 ママたちにとっても、Web会議でコミュニケーションをすることが当たり前になりつつあるという。「チャットはそれに手を取られてしまいますが、Web会議ならしゃべるだけなので楽ですし、文章と違って相手に温度感も伝わります。あと個人的に便利なのは『録画機能』。誰かに画面共有で何かを教えてもらうときに録画しておけば、いつでも見返して復習できますし、その場にいない人にも共有できますから」(実子さん)。

「“会ってない感”は全然ない」 仕事終わりにリモート打ち上げも

 Web会議を使ってチームで仕事を始めてから約10カ月。実際、彼女たちが卒業後に会ったことはほとんどないという。

 それでも「“会ってない感”は全然ないよね」「ないね」とメンバーたちは声をそろえる。「卒業してから実際会ったのは数回だけど、毎週会ってる感じ」と実子さん。チームの仕事終わりに、Web会議でお互いの自宅をつないで「リモート打ち上げ」をしたこともあるという。

 「そうそう……仕事終わりに『飲もうよ』って言って(笑)」「PCからお互いの若い頃の写真を引っ張り出して見せ合ったり……。お店と違ってそういうことができるのも楽しいですね」と、実子さんと愛子さんは笑う。

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 グロースハックの仕事は決して簡単なものではなく、依頼内容や家庭の状況によっては仕事が夜遅くまでおよぶこともある。それでも「楽しい」と、実子さんは言う。

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 「私、幼いころにカギっ子だったんです。夕方5時とかに帰ってきて、暗い家に入るのがすごく怖かった。それを自分の子どもには経験させたくなくて、在宅でできる仕事を探していたんですが……。そんなときにこのグロースハックのお仕事を見つけて、これだと思いました。今では娘2人が帰ってきたときに『おかえり』と言えることがとてもうれしい」(実子さん)

 かつてパートタイムで働いていた愛子さんもこう話す。「子どもがマイコプラズマ肺炎で1週間くらい学校を休んだことがありました。勤めに出ているとその間の代わりを見つけないといけませんが、在宅ならその間も変わらずに仕事ができますし、本当に大変なときは他のママに手伝ってもらったりできます。外で働いていたときは、収入のためだけに通勤時間をかけて我慢していたんだなと、今になっては思います」(愛子さん)。

Web会議で広がる“働くママの輪” 他地域にも拡大へ

 ママグロースハッカーズでは現在、すでに多くの案件を手がけているメンバー9人のほか、今後デビューを目指す“第2期生”の育成も行われている。「在宅でも努力次第で月に30万円以上を稼げる仕事だと実証できましたし、今では40万円台も見えてきました。誰もが知る有名なクライアントの仕事で、やればやった分だけちゃんと評価されることが、ママたちのやりがいにもつながっているのでは」と高橋校長は話す。

 高橋校長は「これまで多くの企業では、主婦のように時間が限られている人たちには大した仕事を任せられないケースが多かったように思います」と振り返る。しかしグロースハックのような専門スキルを身に付けた上で、クラウドサービスやWeb会議を活用すれば「場所にとらわれずに今までにない価値を生み出せるようになった」と分析する。

 こうした発想のもと、今後は東日本大震災で被災した東北地方など、他の地域にもママグロースハッカーズを広げていく構想もあるという。

 「クラウドやWeb会議でつながっていれば、いくら地域が離れていても関係なくチームで仕事ができるはずです。ゆくゆくは、いま自らWebサイト改善を手がけているママたちが講師となって、福岡だけではなく他の地域に住んでいるママにもグロースハックのノウハウを教える――といった連鎖を作っていきたいですね」(高橋校長)

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ママグロースハッカーズのWeb会議活用術をもっと詳しく

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「顔を合わす機会はないけれども“会っていない感”はない」――ママグロースハッカーズのWeb会議活用術をさらに詳しく。導入事例ページはこちら


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