コニカミノルタがなぜ「ニオイセンサー」? “常識壊す”新製品が生まれる背景

» 2018年05月30日 10時00分 公開
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 年齢が上がるにつれ気になるのが自分の体臭。自分では分かりづらい上、周囲の人も指摘しづらいため「もしかしたら、不快な思いをさせているのでは?」と不安を感じている紳士淑女も多いのではないだろうか。この課題を解決するのが、クラウドファンディングを経て商品化された「Kunkun body」(クンクンボディ)だ。

photo Kunkun body

 頭、脇の下、耳の後ろ、足の裏など、ニオイの気になる部分に近づけると、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭といった3つの角度で計測し、スマホアプリと連携してニオイを見える化してくれるアイテム。ニオイの度合いに応じたアドバイスもしてくれるため、仕事帰りや人に会う前などにセルフメンテナンスして、自信を持って振る舞えるようになるという。

 開発元は、複合機やプリンターで知られるコニカミノルタ。ヘルスケア製品も手がけているとはいえ、ニオイセンサーとは一見無縁そうな同社が開発したことに驚く人も多いだろう。

 製品企画・開発の現場となったのは、コニカミノルタ内で新規ビジネス開発を専門で行う「Business Innovation Center Japan」(BIC Japan)という組織。そこでは同社の既存事業の枠組みを超え、製品・サービスの生み出し方、働き方の両面で先進的な取り組みが行われている。

photo BIC Japanのオフィス

コニカミノルタらしさをあえて排除 スタートアップ精神で挑むBIC Japan

 コニカミノルタは、当時カメラメーカーだったコニカとミノルタが2003年に経営統合して誕生。市場ニーズの変化を見越してカメラ事業から退いた後、MFP(マルチファンクションプリンター、複合機)に主力製品をシフトしてきた。

 ただ、その後もペーパーレス化やIT化の波により、複合機の市場もカメラ市場と同様に移り変わっていく可能性がある。そこで先を見越してビジネスの主軸を移すため、顧客に価値をもたらす事業アイデアを提案し、実現する――そんな思いで2014年に設立されたのがBIC Japanだ。

 「BIC Japanが重視しているのは、カスタマーセントリック、つまり顧客起点の考えです」とコニカミノルタ BIC Japanの田原真一さんは話す。BICは日本だけでなく、シリコンバレー、ロンドン、シンガポール、上海にも拠点を持つが、どこの拠点長もキャリア採用。そこには「プロダクト志向ではなく、自社技術の応用という発想から抜け出して進まなければならない、という固い決意と覚悟がある」という。

photo コニカミノルタ BIC Japanの田原真一さん

 今でこそ、BIC Japanに20人ほどいるメンバーの約4分の1はコニカミノルタ出身だが、初期には全員がキャリア採用組。人材面でも、既存事業にとらわれない“新しさ”を重視している。

 仕事の仕方もコニカミノルタ本体とはガラリと変えた。例えば、BIC Japanのオフィスは完全ペーパーレス化。個人の座席や固定電話機もなく、ロッカーだけを用意したフリーアドレス制を採用している。

photo

 加えて特徴的なのは、メールやWeb会議を活用した“遠隔コミュニケーション”を重視している点だ。

 BIC Japanには2018年4月現在、複数のプロジェクトチームがあり、それぞれが異なるサービスを開発している。協業先は一般企業のほか、ベンチャーや大学など。「社外とのやり取りが多いが、出張している時間がもったいない。なるべくメールやWeb会議などを活用してスピードを速めている」と田原さんは話す。

 協業先とのスピーディーな打ち合わせを促進するため、オフィスは外部の人にも開かれている。Kunkun bodyも、大阪工業大学や、クラウドファンディングサービスを手がけるMakuakeなど、数々の外部パートナーとの協業で生まれた“オープンイノベーションの結実”の1つだ。

「オープンゆえの課題」にどう対処?

 だが、BIC Japanの設立から4年たち、オープンな環境ならではの課題も生じてきたという。

 「製品やサービスの販売が始まったチームは、新規開拓のためのセールスコールが多くなります。とはいえ、他のチームではまだ新規事業を開発中で、重点的に考えたりミーティングしたりしたい場合がある。集中できる環境が必要になるんです。そうすると、周囲の電話やWeb会議の声が少し邪魔だと感じることも出てきてしまいます」(田原さん)

 また、外部の人がいる中で、聞かれたくないような電話やミーティングの内容もある。「プライベート空間というか、情報の拡散を抑えられるようなクローズドな空間がほしいニーズも生じていました」と田原さんは振り返る。

 周りの声が聞こえず、自分の声も外部に聞こえないような個室がほしい――こうしたニーズに応えられるものを探す中で目にとまったのが、Web会議システムを手がけるブイキューブの「TELECUBE」(テレキューブ)という製品だ。

 テレキューブは、電話ボックスのような個室空間でテレワークを行えるブース型の製品。中にはテーブルや椅子、電源、USB給電口があり、備え付けのWindows端末を使ってWeb会議などを行える。内部は防音設計になっているため、外部にあまり知られたくないことを安心して話せるのも特徴だ。

photo テレキューブ
photo 内部の様子

 BIC Japanでは、2018年にテレキューブを1基導入。メンバーであれば誰でも、事前予約いらずで自由に使えるようにした。

プライベートWeb会議スペースがもたらした「スピード感」

 テレキューブの導入からしばらくたち、「思った以上に使われています」と田原さんは話す。もともと想定していた電話時の利用に加え、Web会議を用いた外部とのミーティングにもたびたび使われているという。

 BIC Japanのチームは1〜3人程度で構成され、それぞれがスタートアップ企業のような動きをするため、1人で企画立案から営業、販売まで何役もこなす場合が多い。そのため、打ち合わせや営業で遠方に出向くことは難しく、できるだけ物理的な移動を少なくする必要がある。

 「協業先が遠方にある場合も多く、打ち合わせのための出張に1日を使うわけにはいきません。スピード感をもって事業を進めていくのを意識していますので、Web会議などを駆使する必要があります。そんな仕事のしかたに、テレキューブは合っていると感じています」と田原さんは話す。

 「驚いたのは、ブイキューブの製品であるにもかかわらず、V-CUBE以外のWeb会議も使えることです。『Skype for Business』『WebEx』もワンタップで利用できます。協業先やお客様もそれぞれ使っているWeb会議サービスが異なるため、サービスを問わずに利用できる点は便利に感じています」(田原さん)

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 テレキューブ内部に設置されているPCは、利用後にデータや履歴が自動消去される仕組みだ。そのため、複数人でかわるがわるWeb会議を利用していても、情報漏えいなどのリスクが低く「セキュリティ的に満足のいく仕様だと感じている」という。

 防音性の高さから、業務に集中するスペースとしての活用法も見込めそうだが「そうした使い方は禁止しているんです」と田原さん。1人が集中しすぎて他のメンバーが使えなくなることがないよう、電話やWeb会議などのコミュニケーションに限って利用している。

 「一度に2〜3人が入れるスペースのものもあればいいですよね。外に漏らしたくない打ち合わせや、1対1で話したいことにも使えそうです」と田原さんは話す。さらに今後は、顧客への営業活動をWeb会議に移行するなど新たな活用法も見込んでいるという。

 「われわれのように新規事業を手がける組織だと、どの企画がどのくらいスケールするかを事前に読むのは難しい。ただ事業が軌道に乗ってくれば、メンバーが増えて会議室やコミュニケーションスペースを増やす必要が出てきます。そういうときに、ブース型のテレキューブなら必要に応じて増設できるから楽ですよね。オフィス移転の際に持っていくこともできます。今は1基だけですが、さらなる事業拡大のためにオフィスを移転する頃には、あと2基くらいは必要になっているかもしれませんね」(田原さん)

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提供:株式会社ブイキューブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2018年6月29日

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