ガス・電力自由化で競争力アップは必須 東京ガスが重視する「Face to Face」な会議を社内で実現する鍵は

» 2019年06月25日 10時00分 公開
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 「本社ビルと目と鼻の先にあるグループ会社のビルを行き来するのに、徒歩で往復30分ほどかかっていました。最寄り駅はどちらも浜松町なのですが……。ちょっとした会議で何往復もすることを考えれば、年間でかなりの時間を移動に費やしていたことになります」──そんなエピソードを明かしたのは、首都圏のエネルギーインフラを手掛ける東京ガスの山内義実さん(エネルギーソリューション本部 エネルギー企画部 IT・業務改革グループ 課長)だ。

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 山内さんが所属するエネルギーソリューション本部は、社内でも特にミーティングを行う頻度が高かった。彼らの部署が扱っているサービスが主に法人ユーザー向けであることが大きな要因だ。

 東京ガスが提供するサービスは大きく「家庭用」と「業務・産業用」に分けられる。私たちにとって身近な存在でもある家庭用の利用者は個人なので、東京ガスが提供するサービスのメリットを説明しやすい。

 しかし、法人向けではそう簡単にはいかない。実際にガスや電気を使うのはエンドユーザーであっても、建物には複数関係者が携わっており、それぞれの立場が多岐にわたるからだ。

 「エンドユーザーはもちろん、設計事務所、建設会社、設備会社、デベロッパーなど、私たちがサブユーザーと呼ぶ多くの関係者に営業をしながら、それぞれの要望を統合した提案を作り上げていくという作業が必要になります」(山内さん)

 時には顧客から、東京ガス社内にいったん持ち帰って確認や検討が必要な“宿題”を渡されることもある。これまではいったん帰社し、上司に報告、相談、関係部署との打ち合わせなど、細かなミーティングが多発していた。

 「より良い提案をするには、頻繁な打ち合わせが成否を決めると考えています。しかし、30分とはいえ、行って帰ってくるだけでも負担は大きなものです。従業員が気力を回復させるための時間も必要でした」(山内さん)

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 そのような背景から、同社がWeb会議システムに目を付けたのは必然だったともいえる。「できれば日頃から顔を合わせる“Face to Face”のコミュニケーションを取りたいのですが、時間を有効活用するためには最適解を見つける必要があります。『労働時間の無駄』を省き、業務を改善するために、ITツールの力に頼らざるを得ないというわけです」(山内さん)

セキュアでより自然に使えるミーティングシステムを求めて

 無駄な移動時間を削減するためのWeb会議システムとして、東京ガス エネルギーソリューション本部が導入したのは「V-CUBE ミーティング」だ。数ある同様のシステムの中からブイキューブの製品を選んだ大きな理由として機密保持の観点がある。

 東京ガスは社会インフラを担う企業として、社内で扱う情報を数段階にレベル分けし、一定以上の情報はIPアドレスの制限や、クラウドサービスの利用を避けるなど、セキュリティポリシーにのっとった運用を実施。セキュリティ面を特に重視してきた。

 そのような状況下で、いつでもどこでも実施できるWeb会議でも細心の注意を払う必要があった。営業メンバーが持ち歩くノートPCは、社外使用時にも社内同等レベルのセキュアな環境を構築。さらに顧客情報が会話の中で出てくるようなWeb会議では、オープンな場からではなく、提携しているシェアオフィスで防音の個別ブースから接続するといったルールを徹底している。

 もう一つの理由は、他に比較していた別のサービスに比べてV-CUBEは音声の遅延が少なく、普通に会話ができることだった。

 「Web会議システムは、映像はともかく音声が途切れたり遅延したりすると、『その場は適当に済まし、後から資料を確認すればいいか』といった感じになることは多いです。V-CUBE ミーティングではそういうことがなく、拠点間で円滑なコミュニケーションができていると感じています」(山内さん)

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 同本部では、より円滑な業務遂行のためにWeb会議時の運用面でも工夫を加えている。例えば会議室に設置した大型ディスプレイにPCで投影した資料を表示する場合、その直下に小型ディスプレイを別途用意し、Web会議の相手の顔が常に見えるようにした。

 「Web会議で(資料投影中に)相手の顔が見えないと、こちら側だけで議論が白熱しがちになってしまいます。小型ディスプレイでなんとなくでも向こうの存在を感じられるようにしておけば、相手を意識してコミュニケーションを続けられる。おかげで遠隔地とのやりとりでも、一室に集まって会議しているのと変わらないコミュニケーションが取れています」(山内さん)

 とはいえ、Web会議を社内文化として根付かせるにはまだまだ課題も多い。「業務用スマートフォンによる内線電話の環境が整えられていますが、“遠隔地で顔を見ながらの打ち合わせ”というものが文化として会社に根付いたとはまだいえません。ちょっとした打ち合わせでも顔を見られて画面共有もできるV-CUBE ミーティングを使う行為が定着するように今後も働きかけていきます」(山内さん)

RPAによる自動化で「人は人にしかできないことを」

 東京ガス エネルギーソリューション本部内にIT・業務改革グループが創設されたのは2017年のこと。同本部が業務改革で活用しているのはWeb会議システムだけではない。特に注力しているものの一つは、RPA(定型業務の自動化)だ。

 自動化の範囲は幅広く、バックオフィス業務はもちろん、フロント、ミドルの業務も対象になる。同社でRPA推進を手掛ける川口宏弥さんは次のように説明する。

 「毎日の登録作業やデータのチェック、加工、メールの下書き作成や受信メールの自動処理といった業務が対象になります。今では70から80ほどの業務を自動化し、全社で年間約2万時間を節約できています」

 自動化することで生まれる時間は、人によって月に5〜6時間ということもあれば、毎日5時間という人も。社員たちからは『残業が減った』『新しいことに取り組めるようになった』と喜ばれている。RPAという言葉が社員だけでなく幹部メンバーにも浸透しており、『この業務は自動化できないか』という意見をもらうこともある。まだまだ改革の余地はあるという。

東京ガスが業務の効率化を急ぐ背景は

 Web会議システムやRPAの導入など、業務改善に力を入れる東京ガス エネルギーソリューション本部だが、なぜ専門部署を立ち上げてまで注力するのか。その理由は電気・ガスを供給する企業を選べるようになった「エネルギーの自由化」が1つのきっかけだった。

 「これまで東京ガスはエネルギーの社会インフラ供給会社として規制により守られていました。しかし、今はエネルギー事業者を自由に選べる時代です。競合に勝つためには、自由化の流れの中で自社も変化する必要があります」(山内さん)

photo 経済産業省 資源エネルギー庁の資料より

 RPA導入もそういった背景による要因が大きい。「定形業務や無駄な移動といったことに時間を使うのではなく、生産性を上げて、時間を作り出す。作り出した時間で営業の強化やサービス拡充など人にしかできないことを考えて、競争力を身につける必要が出てきたのです」(川口さん)

 規制によって守られていた時代に生まれた業務プロセスには、改善の余地が多く残されている。問題点を可視化して見直す、今はそんな分岐点に立たされていると彼らは分析している。

 「ITツールの導入は目的ではなく業務改革の手段でしかありません。いかに生産性を上げられるかが肝になるでしょう。無駄な業務を見つめ直し、自動化できるものはRPAに任せる。効率化によって競合他社以上に進んだ生産性を身につけ、顧客により良いサービスを提供することが私たちの使命です」(山内さん)

 社会情勢や顧客ニーズの変化により、大企業も変化の時を迎えている。東京ガスはWeb会議ツールやRPAの導入といったITツールの活用も進めることで、業務改革を今後も続けていく。

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提供:株式会社ブイキューブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2019年7月24日

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