地上デジタルに対応した水冷ホームサーバマシン――NEC VALUESTAR TX VX980/8F(1/3 ページ)

» 2004年02月03日 17時25分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

PCはリビングへ、家電へ

 最近、TVが見られるPCはメーカー製PCでは当たり前になっており、いわゆる「家電PC」は珍しくない。TV視聴、録画機能一つを取っても、PCメーカー独自のソフトを使ったものや、「PowerVCR」、「WinDVR」といった汎用ソフト、そしてマイクロソフトのWindows XP Media Center Edition 2004と市場は混戦気味だ。

 その中でさらに、「リビングで楽しめるPC」化の傾向というのが最近見受けられる。先のWindows XP Media Center EditionはOS側からのリビング向け戦略であるし、これ以外でも遠くからリモコンを使っても操作しやすい、大きな文字のアプリケーションも増えつつある。また、日立のPrius Deck H 770H20TVH2に添付されている、Wooo搭載の液晶ディスプレイは、TVと同一の仕様になっている。

 ディスプレイそのもので言うと、リビング利用に耐えられる大きさを持つ製品が今年になって登場するようになった。NECのVALUESTARにおける、フラッグシップモデルである「VALUESTAR TX」がこれにあたる。その最上位モデルが、今回紹介する「VX980/8F」(以下、VX980)だ。価格はオープンプライスながら店頭予想価格は50万円。現在、ショップで購入するマシンではトップレベルの値段と言えるだろう。

VALUESTARのフラッグシップモデルとなる「VALUESTAR TX VX980/8F」

 価格の中で大きな地位を占めるのが、先ほど述べた添付の液晶ディスプレイ「F23W11」で、リビングに置けるサイズを強く意識しているためか、ワイド23インチパネルを使用している。これはNEC Directでの価格を見ると、オプション価格が20万円もする。ちなみに、以前紹介した「VALUESTAR T VT900/8D」に付属するディスプレイと同じものだ。

付属する23インチワイド液晶ディスプレイ

 ただしこの液晶ディスプレイは、高いとは言っても液晶パネルとして約450cd/m2、視野角上下左右170度、表示面積30×50センチのWXGA(1280×768ピクセル)を使用しており、入力もPC用がDVI-IとUSB2.0×3、AV用途として2入力(コンポジット×2+S端子×2+D4の排他利用)、さらにTV表示(VHF/UHF、ゴーストリデューサー&3D Y/C分離、PinP、二画面表示可能)と多彩だ。

 また、NEC独自の、液晶前面のアクリルパネルがスピーカーになるSoundVu対応の液晶でもあるので、この価格はしかたないところだ。参考ながら、似たような液晶スペックを持つ日立のWooo、「W23-LC50」も、市場価格は20万前後する。現在最強のTV&PC環境の一翼を担っているわけだ。

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