2chスピーカーで5.1ch再生――USBオーディオ「ひかり5.1号」を試す

» 2004年03月08日 14時11分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 DVDで映画を見るなら、音声も5.1chサラウンドで楽しみたいもの。でも5本のスピーカーは置き場がないし、高くて手が出ない……そんな“5.1ch難民”を救ってくれるのがエムアイビーの「ひかり5.1号」。手持ちの2chスピーカーで5.1ch音声をバーチャル再生できるUSB光オーディオデバイスだ。

photo 76(奥行き)×53.25(幅)×27.75(高さ)ミリと、てのひらに収まるミニサイズ

 丸型の光音声出力端子とUSB端子を装備。付属のUSBケーブルでPCとつなぎ、別売りの光ケーブルで、手持ちのアンプ付き2chスピーカーの光/アナログ音声入力端子と接続する。指向性の強いバーチャルサラウンドを楽しむには、スピーカーを視聴時の顔の位置から50センチ−1メートル程離れた位置に、約30度傾けて置く必要がある。スピーカーの代わりにヘッドフォンも利用可能だ。

バーチャル5.1chで映画音声を聞いてみる

 5.1ch音声の映画DVD「ターミネーター 3」のカーチェイスシーンでバーチャル5.1chを試してみた。遠くで車がぶつかる音は奥の方から、近くの爆発音はすぐそばで聞こえ、画面を走り抜けるバイクの爆音は左から右へ通り過ぎるなどと、いつもの2chスピーカーが音の移動感や奥行き感をきっちり再現してくれる。リアスピーカーの音も前のスピーカーから再生されるため前後の音の移動感は薄いが、簡易5.1chとして十分に楽しめる。

 場の空気感やせりふの奥行きも伝わる。5.1ch音声のDVD「機動戦士ガンダム 特別編」第1巻、ガルマの葬式でのギレンの演説シーンだと、アムロ達がホワイトベースのモニターに映る演説を聞いている時はギレンの声がホワイトベースの壁に反射して響き、同じ演説をシャアがバーのTVで見ている場面では、ギレンの声が遠くからのTVのモノラル音として聞こえ、シャアの「坊やだからさ」はすぐそばから響いてくる、といった具合だ。

スピーカーを好きな位置に動かしてみる

 付属ソフトの「スピーカーシフター」機能を使えば、バーチャルスピーカーの位置を自由に変えられる。音声部分を強調させるためにセンタースピーカーを近づけたり、左右のスピーカーの位置を変えるなどして好みの音場を作れるほか、5本のスピーカー全部を、視聴位置を中心にしてぐるぐる回転させることもできる。

photo デフォルト位置のスピーカー(左)が左周りに回転(クリックで拡大)

 5.1ch音声の映画「おどるポケモンひみつ基地」再生中にスピーカーを回転させてみた。ピカチュウの「ピッカー」という声が回転し、自分を中心にしてピカチュウが走り回っているかのようなほのぼの気分になれる。

 スピーカーシフター機能は2ch音声でも利用可能。フロントスピーカー2本のみがアクティブになる。これを2chステレオ音声の及川光博のライブDVD再生で使ってみたところ、まるでミッチーが自分の周りを駆け回っているかのような夢の世界が出現。回転は好きな場所で止められるため、好みの位置でミッチーの歩みを止めたり、また回転させたりして、ミッチーを自由自在に操っているかのような錯覚に浸れる。ミッチーの「ラブ!」という一言も、スピーカーを動かせば、正面から言われるバージョン、横から聞こえるバージョン、耳元で囁かれるバージョンなど思いのままに操れる。素敵な機能だ。

photo ミッチーボイス(2chステレオ)を耳元で存分に楽しむときの設定。左右スピーカー(FL、FR)だけがアクティブになる

「採石場」「ドラッグ」などエフェクトをつけてみる

 同梱ソフトはエフェクト機能も備え、2ch、5.1chなど音声ソースに関わらずエフェクトをつけられる。「コンサートホール」「室内」といったスタンダードなものから、「採石場」「ドラッグ」など、名前だけではどんな音になるかよくわからないエフェクトまで多彩。「ガンダム 特別編」第3巻のギレンのセリフ「敢えて言おう、“カス”あると!」に「洞穴」のエフェクトをつけて「カスであると…カスであると……」と反響させるなどといった遊び方が可能だ。「採石場」は弱いエコー、「ドラッグ」はノイズ入りエコーをつけることができる。

photo 多彩な音響効果

 手持ちのスピーカーやヘッドホンで手軽に5.1ch音声が楽しめ、スピーカー回転やエフェクト機能で遊べる上、DVD再生ソフト「WinDVD 4」もバンドルされて価格は1万円未満。ミニコンポなどアンプ付きの2chスピーカーを持っていて、DVDはもっぱらPCで鑑賞するという人には手ごろで便利な製品だろう。

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