MS、セキュリティ技術「NGSCB」を修正へ

» 2004年05月06日 08時42分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは5月5日、セキュリティ技術「Next-Generation Secure Computing Base」(NGSCB)に修正を加える方針を明らかにした。

 企業ユーザーやソフトメーカーから、NGSCB採用のためにコードを書き換えたくはないとの声が寄せられたため、NGSCBを作り替え、アプリケーションを書き換える必要をなくす方針だ。米シアトルで開催のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で同社プロダクトマネジャーのマリオ・ファレス氏が明らかにした。

 MicrosoftはNGSCBに変更を加えるが、これまでのNGSCBを捨てるとか、一から作り直すということではないと同氏は強調している。

 NGSCBは、ソフトとハードの組み合わせでPCのセキュリティを強化しようという技術で、以前はPalladiumというコードネームで知られていた。Microsoftは次世代WindowsのLonghornにNGSCBを組み込もうとしている。

 同社は2002年にNGSCB構想を発表、ちょうど1年前のWinHECで初のデモを行い、昨秋の開発者会議でデベロッパープレビュー版を配布している。

 MicrosoftはNGSCBを、保護されたエージェントを介して、ごく少量のデータを強力に保護するものにする計画だった。この場合、システムの安全領域で実行するエージェントを組み込むためにアプリケーションを書き直す必要が生じる。Microsoftは、アプリケーションを書き換えなくても、より多くのビットの安全化を図れるようNGSCBを書き換えることにした。

 「まだ詳細を固めている最中なので、昨年行ったような細部の話はできないが、年内には、フィードバックに基づいてこの技術をどのように実装するかの詳細を明らかにする」とファレス氏。

 NGSCBには「nexus」と呼ばれるWindows用の新ソフトコンポーネントと、「trusted platform module」と呼ばれる暗号化オペレーションの可能なチップが含まれる。ハードとソフトの組み合わせでPC内部に「第二のオペレーティング環境」を作り、アプリケーション、周辺機器、メモリ、ストレージとの安全な接続によってシステムを悪質コードから守るという仕組みになっている。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月16日 更新
  1. 使って分かったM4チップ搭載「iPad Pro」のパワフルさ 処理性能とApple Pencil Pro/Ultra Retina XDRディスプレイ/新Magic Keyboardを冷静に評価する (2024年05月14日)
  2. 新型「iPad Pro」が見せる未来の夢と「iPad Air」が見せたバランス感覚 実機を試して分かったiPad購入ガイド (2024年05月14日)
  3. 2台のPCを“直結”して高速データ転送と画面共有を実現――Intelが「Thunderbolt Share」を発表 対応製品は2024年後半に登場予定 (2024年05月16日)
  4. FMVの富士通クライアントコンピューティングが2種類の周辺機器を発売 「27型ワイド4Kディスプレイ」と「ワイヤレス静音キーボード」 (2024年05月14日)
  5. AMDが内蔵グラフィックス非搭載の「Ryzen 7 8700F」など2製品を発表 (2024年05月15日)
  6. ワコムの有機ELペンタブで快適手書きメモライフ! 絵描きではないビジネスパーソンが「Wacom Movink 13」を試したら (2024年05月14日)
  7. キヤノンMJ、PCレスでのスキャンやデータ送信も可能なネットワークスキャナー「ScanFront 400II」 (2024年05月14日)
  8. Arloブランドの「Essential屋内用カメラ(第2世代)」を試す Ringの屋内カメラとの違いは? (2024年05月15日)
  9. 絵文字のルーツはシャープの電子手帳? AIoTクラウドが日本の製造業を支援する理由 (2024年05月15日)
  10. アイ・オー、大型ディスプレイの設置に向くディスプレイスタンド計3製品 (2024年05月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー