「Optio 43WR」は、幅広いシーンでカメラを使用できるように、防水仕様を施したデジタルカメラだ。このため、海やスキーなど、水が気になる場所でも手軽に使用できる。
防水とひと口に言っても、水がかかってもよいというものか、水中で使用できるものまでいろいろあるが、Optio 43WRでは「JIS保護等級7級」に準拠している。これは、水深1メートルで30分間放置してもカメラ内部に水が浸水しないというものだ。
水中でカメラの操作はできないので水中撮影は無理だが、カメラが汚れた場合などは水洗いができる。ただし、水道水を直接かけると水圧で水が侵入する恐れがあるため、洗面器などに水を張ってその中で洗うことになるのだが。試しに100%果汁のオレンジジュースをこぼしたあと、水洗いしてみたが、ボタン類が押しにくくなるなどの現象も起きず、きれいに洗い流せた。
外見は各面がすっきりとした平面の多いデザインだ。本体の大きさは81.5(幅)×30.5(奥行き)×76(高さ)ミリである。すべての角にはラバーが付けられている。だからといって落としてもよいということではないが、多少ラフに扱ってもキズが付きにくいと思われ、この点には好感が持てる。重さは本体のみで160グラム、アルカリ乾電池とメモリカードを含めた重さは208グラムだ。
なお、Optio 43WRは、防水機構を効率よく実現するためか、屈曲光学レンズユニットを採用している。レンズの駆動部分がカメラの外に出ることがなく、水が侵入する箇所のシーリング部分を減らすことができるからだろう。
屈曲光学レンズユニットではレンズが飛び出すことがないので、マクロ撮影が楽になる。撮影中に近づきすぎ、ズームやフォーカス合わせ中にレンズが被写体にあたってしまうことがあるからだ。マクロ撮影時は1センチまで近づいて撮影できるため、小さな被写体でも画面いっぱいに撮影できる。メーカー公称値では約16.8×12.4ミリを画面いっぱいに撮影できるとのことだ。
撮像素子は、有効画素数400万画素の1/2.7インチCCDを搭載している。レンズは5.7〜16ミリ(35ミリフィルム換算で37〜104ミリ相当)の2.8倍ズームとなる。明るさはF2.8〜3.9だ。
記録画像サイズは2288×1712ドット、1600×1200ドット、1024×768ドット、640×480ドットの4段階だ。使用できるメモリカードはSDメモリーカードである。
動画の撮影サイズは640×480ドット、320×240ドット、160×120ドットの3種類で、フレームレートは15フレーム/秒と30フレーム/秒から選択できる。動画の保存形式はQuick Time(Motion JPEG)形式だ。動画は音声付きで記録できるほか、カメラ本体のスピーカーで音声を再生できる。
防水仕様だとマイクとスピーカーの防水が問題となるが、メーカーによると、特殊なシリコンシートを使うことで、マイクとスピーカーを防水できたという。音声はわずかにこもったように聞こえるが、防水仕様のカメラとしてはクリアな音声だと言えるだろう。
動画撮影には「早送り動画」という機能が用意されている。これは映像再生時に早送り動画の状態で撮影できるものだ。2倍速から100倍速まで6段階の速度を設定できる。ただしこのときには、音声は記録されない。
バッテリーはの単3形バッテリー(アルカリ、リチウム、ニッケル水素充電池)を2本か、リチウム電池の「CR-V3」を1本使用する。単3形アルカリ乾電池は入手しやすいので、バッテリー切れで使えなくなるということが少ない反面、充電式リチウムイオン充電池よりも本体が大きくなったり、予備のバッテリーがかさばるなどの課題もある。ただし、バッテリーを目的に応じて選べるのはうれしい点だ。
普段はニッケル水素充電池やアルカリ乾電池を使い、スキー場などの気温の低い場所では、低温による性能劣化が少ないリチウム電池を使うといった使い方ができる。
背面の液晶モニタは1.6インチTFT液晶を採用している。サイズはそれほど大きくないが、静止画撮影時は60フレーム/秒と高速に映像が表示される。そのため、背面液晶モニタを使った撮影でも、画像が確認しやすかった。
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