国内メーカーの市販モデルながら、水冷機構を搭載して話題を集めたNECのフラッグシップマシンVALUESTAR TX。夏モデルではAthlon 64を採用したが、秋モデルでは再びPentium 4をCPUに組み込んだ製品となった。
これは、前モデルの水冷ユニットだけで構成された冷却機構では、Prescottが要求する放熱能力(TDP:115ワット)に対応できなかったためだが、新開発の第二世代水冷システムを採用することによって、秋モデルではPrescottに対応する強力なクーリングが可能となったことが大きく影響している。秋モデルのVXシリーズは3製品で構成されるが、ここでは最上位のVX980/AEをチェックしてみた。
VX980/AEはVALUESTAR VXの中でも最上位に位置するマシン。このため、主要な部分は最新のパーツをふんだんに盛り込んだ構成となっている。CPUはPentium 4 540(動作クロック3.20GHz)で、もちろんハイパースレッディング対応に加えて、L2メモリが大幅に増えたPrescottコアを使用している。
チップセットはPCI Express対応のIntel 915Gでメモリもシステム性能をフルに発揮するDDR2-533を256Mバイト×2のデュアルチャネルで搭載している。DDR2-533メモリはDDRメモリと比べるとまだ割高であり、自作PCではDDRメモリを使用するユーザーが多いが、VX980/AEでは「NECのフラッグシップマシン」に相応しい仕様となっている。
Intel 915Gを使うということは、当然PCI Express X16対応スロットを搭載。また、PCI Express X1ボードも用意されている。グラフィックスカードはATI RADION X600 Proを搭載しており、3D性能も十分高いレベルとなっている。
評価機が搭載していたHDDは、HGSTのDESKSTAR 7K400 HDS724040KLSA80。これは、現在の3.5インチドライブでは最大の400Gバイトという大容量のSerial ATA対応ストレージ。加えて、VX980/AEではシーク時の騒音を抑えた設定になっている。
本体には、未使用のドライブベイが残っており、パッケージにも予備のSerial ATA信号/電源コネクタが用意されている。
従来のVALUESTAR TXは水冷のCPUクーラーを搭載していて、それ以外には、エアフローのためのファンが本体後部のラジエーター/電源ユニット共用ファンだけが取り付けられていた。VX980/AEでは空冷式CPUクーラーのファンに相当する部分で、9センチファンを低速回転させることでマシン全体のエアフローを強化。さらに、水冷ジャケットの形状を変更することで騒音レベルを上げることなく、Prescottで要求される放熱性能(TDP:115ワット)を確保できるようになった。
そのほか、メディアカードはSD/xD/メモリースティックの3タイプへ対応に、光学ドライブも2層式DVDに対応したDVDスーパーマルチ(GSA-4120B)ドライブを搭載。8Mbpsの高画質録画でも2時間、超長時間画質なら12時間の記録が可能になった。また、NECの家庭用マシンとしては珍しくWindows XP Professionalが導入されている。もちろん、最新のセキュリティ強化が施されているSP2が適用されている。
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