フィッシング詐欺やPC脆弱性からも守る――2005年度版「ウイルスバスター」の答え(2/2 ページ)

» 2004年09月09日 21時24分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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無線LANの監視、PC脆弱性の診断を行う

 無線LANを中心とする家庭内LAN利用におけるセキュリティ対策は、従来より搭載されるパーソナルファイアウォール機能に加えて、新たに「無線LANセキュリティ診断機能」と「PCの脆弱性診断機能」が加わった。

 これは、どのようなPCやネットワーク機器が接続されているかを随時チェックし、意図しない侵入者を監視したり、ウイルスに悪用される恐れがあるOSの脆弱性有無をチェックし、その脆弱性による影響やウイルス関連の情報を表示、そのままWindows Updateへ導くといったセキュリティ診断を行うものだ。

 Windows Updateで「緊急」となっていても、何が緊急なのか、これを行わないとどのような被害があるのかについて不明な場合があり、そのことによる「対処のし忘れ」も起こりえる。「Windows Updateを補完する機能と考えてもらいたい」(トレンドマイクロ)とのことで、これを防ぐための詳細なリスク情報説明などを付加することで、緊急度をより認識させることに効果がある。

 またWindows XP SP2で強化されたファイアウォール機能はウイルスバスター2005とも共存できるとし、トレンドマイクロによると、場合によってはWindows XPのファイアウォール機能はオフにしても構わないとのことだ。ソフトインストール時に、Windowsのファイアウォールをオフにするか否かのダイアログが表示される。その根拠としては、ポートやパケットの種類および方向性を制御するファイアウォール機能のほかに、ネットワークウイルスを予防する機能や個人情報漏えい防止のためのパターンファイル提供機能なども備わっているためという。

photo PCの脆弱性診断機能

 昨今のウイルスやワーム、例えばNimda、Code Red、Slammer、MSBlast、Sasser、NETSKYなどは、いわゆる第1世代のファイルへ感染のみとなるウイルス(Michelangeloなど)、第2世代のマクロ感染型(Larouxなど)、添付ファイル経由で広がるウイルス(LoveLetterなど)とは違い、OSやアプリケーションの脆弱性につけこみ、ネットワークに接続しているだけで感染してしまうのはご存知の通りだ。

世代 年代 主な被害 主なウイルス 背景
第1世代 〜1996年 ファイルの破損 Michelangelo スタンドアロン環境
第2世代 1996〜2000年 被害者から加害者へ Laroux クライアント/サーバ環境(LAN)
第3世代 1999〜2001年 ウイルスメール送信による信用失墜 LoveLetter メール経由(インターネット)
第4世代 2001年〜2004年 ネットワーク停止、対策困難 Nimda OS脆弱性につけこんだネットワーク感染
第5世代 2004年〜 個人情報漏えい MSBlast、Sasser、NETSKY 情報収集/発信ツール化、スパイウェア/迷惑メールのアンダーグラウンド化

 ファイアウォール機能と組み合わせた「ネットワークウイルス感染予防機能」、レジストリ改ざんを行うウイルスに感染した場合、修復プログラムとパターンファイルを自動アップデートで取得できる「ウイルス感染自動修復機能」などは前バージョンに搭載済みであったが、今回新たに、すでにウイルス検索を完了し、安全と確認されているファイルに対する再検索を省くことで検索時間を短縮する「スピード検索機能」、万が一の感染時にウイルスが行う大量メール送信を防止する「マスメールストッパー機能」が搭載された。

有害サイトへのアクセス制限機能も

 親の8割が、子どものインターネット利用に不安を持っている現在(2004年7月5日の記事参照)、ペアレンタルコントロールの意識は高くなり、子どもが有害サイトへアクセスしてしまうのを防ぐアクセス制御管理も重要視されている。ウイルスバスター2005では、独自データベースサーバを設けることによって、常に最新の有害サイトアクセス制御を行う機能や、ホームネットワーク内でのセキュリティ管理機能として、LAN内の他PCに対してもウイルス検索、パターンファイルアップデート、セキュリティ診断などの操作をリモート管理できる機能が搭載された。

photo デモで行われたのは、受験を控えた中学生の娘が「制服のかわいい高校ないかな」と検索した、というシチュエーションだ。「高校生 制服」というキーワードを入力(左)、上位に検索されるのは有害サイト(中)、ただし有害サイトとしてデータベースサーバに登録されていたため、フィルタによりアクセスは制限された(右)
photo 家庭内のネットワーク管理者となる父が、家族のPCセキュリティレベルを管理する、というシチュエーション。パターンファイルの適応し忘れはないかというチェックができ、し忘れていたら更新する、誤った設定を行っていたら修正するといったことが可能となる

 個人情報漏えいは、自分のPC内の被害だけではなく、リアルな犯罪に巻き込まれる可能性がある。そのため、未然の防止、万一の時の対処もさまざまな角度から対応できることが必要である。

  • 自分で使っているPC内の個人情報が漏えいする可能性を考えたことがあるか
  • 無線LANのセキュリティ管理を考えたことはあるか
  • 子供のためのペアレンタルコントロールを考えたことはあるか
  • ホームネットワーク管理について深く考えたことはあるか

 以上を踏まえた「日本市場を熟知した安心安全、信頼のコンシューマPC向け統合ソリューション」(トレンドマイクロ 山崎裕二氏)の提供、これがトレンドマイクロの答えだ。

 ウイルスバスター2005は、1/2/5各ライセンス付きのパッケージ版、ダウンロード版のほかにISPにて提供される「ウイルスバスター月額版」、レンタル会社から提供される「ウイルスバスターレンタル版」も2004年4Q中に提供開始予定となっている。

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