レビュー
» 2004年10月06日 08時00分 UPDATE

低価格でもマニュアル系機能を楽しめる質実剛健カメラ――PowerShot A95 (1/3)

「PowerShot A95」はオーソドックスすぎるほどオーソドックスなマニュアル系普及型デジカメである。本当はマニュアル系機能を駆使して撮影したいのに、ハイエンド機を買うほどの予算は全然ない。でも5万円以下のモデルはみな撮影機能が削られたフルオート系デジカメばかりで、オレが欲しいのはそんな軟弱なカメラじゃないんだあ、という人にうってつけのデジカメなのだ。

[荻窪圭,ITmedia]

 本当はマニュアル露出やコンバージョンレンズやカスタムホワイトバランスやマニュアルフォーカスや、そういうマニュアル系機能を駆使した撮影を楽しみたい、オートで気軽に撮るだけじゃ満足できない、でもハイエンド機を買うほどの予算は全然ない。かといって、5万円以下で買えるモデルはみな撮影機能が削られたフルオート系デジカメばかりで、小さくて薄くて見てくれはカッコいいかもしれないけど、オレが欲しいのはそんな軟弱なカメラじゃないんだあ、多少でかくてもグリップがしっかりしてて狙い通りにしっかり撮れて安いデジカメはないのかあ、と叫んでいる、コンパクトさよりしっかり撮れるデジカメが欲しい、でもそんなデジカメはハイエンド機ばかりで予算的に手が出ないという貴兄にお勧めなのが「PowerShot A95」(以下、A95)である。

 長い前置きになったけれども、まこと、そんな匂いがぷんぷんするデジカメなのだ。そこまで極端じゃなくても、小型軽量スタイリッシュよりも、しっかりグリップしてしっかり狙って撮れるデジカメを求めている人に真っ先に勧められるのがPowerShot Axxシリーズであり、その最新モデルがA95なのである。

ki_main.jpg ちょっと大きめでグリップがしっかりしたクラシックなスタイルの「PowerShot A95」。大きめだが使い勝手はいい

オーソドックスすぎるほどカメラっぽいボディには安心感がある

 まず注目すべきはボディ。厚さは34.7ミリもあり、重さも本体のみで約235グラムと最近のモデルにしては重いけれども、その分、カメラらしいレンズがどかんと腰を据えた四角いスタイルで、グリップ部がしっかりでっぱっていて右手でしっかりホールドでき、シャッターボタンも微妙に傾斜していて押しやすく設計されているので使い勝手はけっこういいのだ。さすがに上位モデル(PowerShot Gシリーズのような)に比べると質感やグリップ感で劣るけれども、この価格帯では珍しいつくり。

ki_front.jpg レンズの上に光学ファインダ、内蔵フラッシュ、AF補助光の発光部がある。レンズ左下にあるボタンは、コンバージョンレンズアダプターの着脱用だ

 バッテリーも単三型電池4本。バッテリーの持ちはCIPA基準でアルカリ乾電池の場合は約140枚と少ないが、ニッケル水素充電池なら約400枚とコストパフォーマンスも高い。

 記録メディアはこの価格帯では珍しくCFカードで、大容量のカードを入れて好きなだけ撮れる。そういう意味でも、いずれはハイエンドを、と考えている「向上心を持つエントリークラス向け」という感じでいい。

ki_cfcard.jpg グリップ部にCFカードスロットがある
ki_battery.jpg バッテリーは単三型電池4本。このようにニッケル水素電池を使った方が持ちもいいし経済的

 撮影機能もエントリークラスとは思えない豊富さだ。

 まず上面にあるモードダイヤルはなんと14ポジション。PowerShotシリーズ共通のモードダイヤルではあるが、A95の場合数が多い。

 フルオートの「AUTO」、クリエイティブゾーンといわれる「P」「Tv」「Av」「M」の各マニュアル系ポジション。ハイエンド機しか装備しない「C」のカスタムポジション。さらにシーンモードとしてポートレート、風景、夜景、高速シャッター、スローシャッターがあり、それに加えて新しく追加されたスペシャルシーンモードがある。スペシャルシーンではキッズ&ペット、人物+夜景のナイトスナップ、ビーチ、打ち上げ花火、新緑・紅葉、パーティ・室内、スノー、水中と8つのシーンも追加されている。

ki_top.jpg グリップ部にシャッターがありシャッター周りにズームレバーという構成。圧巻は14ポジションもあるモードダイヤルだ。電源スイッチはやや長めに押さないとオンにならない

 続いて撮影機能。シャッタースピードは15〜1/2000秒と15秒というスローシャッターも可能。絞り値はF2.8-8.0(ワイド端の場合)で1/3段刻みでコントロールできる。

 フォーカスは3種類。9点測距のAiAFは自動的に9点から測距点を見つけてくれるのだが、その位置が緑色の枠で表示されるので、目的の位置にピントを合わせようとしてくれるかどうか分かりやすいし、マニュアル系のモードでは測距点を画面上から自由に選べるアクティブフレームコントロールも使える。3番目はマニュアルフォーカスだ。

 測光パターンは評価測光、中央重点測光、スポット測光の3パターン。ISO感度は50-400とオート。ホワイトバランスはオートやプリセットのほかにカスタム設定機能付。連写機能は高速モードで秒2コマを連続14枚までとけっこうしっかりしている。

 奇をてらった機能はないけれども、揃うべきところはそろっているのだ。ちゃんと設定すればちゃんと撮れるのである。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.