新デザインの省スペース筐体を採用したコストパフォーマンスPC──エプソンダイレクト EDiCube MR1300(2/2 ページ)

» 2004年10月19日 18時27分 公開
[平澤寿康,ITmedia]
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モノトーンのスタイリッシュな新型筐体を採用

 基本スペックの向上に加えて、筐体も新しいものに変更されている。MWシリーズでは、白を基調としたブックタイプデザインと、ややインパクトに欠けるものであったが、MRシリーズでは、黒と白のモノトーンカラーを採用したことで、非常にすっきりとした筐体となった。

フロントパネルはインタフェースをカバーで覆ったすっきりしたデザインになっている。左上には光学ドライブが、右上に4種類のカードスロット、右下にはUSB 2.0×2にIEEE 1394が用意されている

背面は標準的なATXマザーと同じインタフェースが見うけられる。キャプチャーカードはLow Profileで対応するが、MR1300では1枚搭載。上位モデルのMR1500は2枚搭載する

 また、筐体だけでなく付属のキーボードとマウス、TV関連の操作を行うリモコン(キャプチャーカード搭載モデルのみ付属)、さらに19インチの液晶ディスプレイもモノトーンのカラーリングで統一されている。デザイン性はMWシリーズから大きく進化したといっていいだろう。このデザインは、今年の6月に発売されたEDiCube Fシリーズを踏襲したものだが、リビングに設置しても、部屋の雰囲気を壊すことがない。

 デザイン面の進化だけでなく、さらなる省スペース化も実現している。MWシリーズよりも幅、高さ、奥行きともにコンパクトになり、置き場所に困ることはほとんどないはずだ。しかも、筐体の小型化が進んだにもかかわらず、内部の拡張性は犠牲になっていない。

 光学ドライブを搭載する5インチベイに加えて、HDDを設置する3.5インチシャドウベイが二つ用意されている。キャプチャーカード搭載モデルでは、大容量HDDが不可欠となるが、MRシリーズでは最大2台のHDDが搭載でき、BTOでは最大500Gバイトまで選択可能だ。これなら、録画した番組の保存場所に悩まされることもないだろう。

「FINESTATION」で進化したTV関連機能

 EDiCube MRシリーズは従来モデルのMWシリーズ同様に高機能のTV関連機能が用意されている。中位モデルのMR1300では1枚、上位モデルのMR1500では2枚のキャプチャーカードが搭載されており、2番組の同時録画などもサポートされている。

 搭載されているキャプチャーカードは、ハードウェアMPEG 2エンコーダはもちろんのこと、ゴーストリデューサや3次元Y/C分離、デジタルノイズリダクション、タイムベースコレクタなどの高画質化機能をサポートする。そのため、TV番組の高画質な録画、もしくは視聴が可能となっている。

評価機に搭載されていたキャプチャーカードは台湾でキャプチャー系製品を手がけているAVerMedia製のもの。高画質機能用チップを実装したハイエンド機能がLowProfileサイズに収まっている

 MRシリーズでは、TVの視聴や録画などのコントロールソフトに新しい「FINESTATION」というオリジナルソフトが採用された。FINESTATIONは、単なるTVの視聴や録画のコントロールを行うだけでなく、録画ファイルの管理や編集などもこなす統合ソフトとなっている。

 しかも、付属の専用リモコンでFINESTATIONのほぼ全機能が操作可能となっているなど、まさに民生用DVD/HDDレコーダーとほぼ同等の操作体系を実現している。これもMRシリーズの大きな特徴といえるだろう。

 このFINESTATIONは、操作性の面でも従来のTV関連ソフトを凌駕している。基本的な操作は、画面上に表示されるメニューを上下左右に移動させつつ操作する。このメニューは、上下に機能、左右にサブメニューが並ぶ階層構造となっており、目的の機能を直感的に呼び出せる。

FINESTATIONの操作画面。画面下部のメニューリストの色はリモコンにあるスイッチのカラーと一致している

 メニューのスクロールは非常にスムーズで、とても軽快な操作感が味わえる。そのデザインは、某ゲーム機をベースとする民生用DVDレコーダーの操作メニューを彷彿とさせるが、実際の操作性もそれ近いと言っていいだろう。

 EPGを利用した番組録画予約は当然のごとく可能。地上波EPGを利用するのではなく、インターネット経由のiEPGに対応している。利用しているのはEPGサイトとしておなじみの「テレビ王国」だが、先ほど述べたようにリモコンだけでも操作は可能だ。

同梱されているリモコンユニット。FINESTATIONによるTV関連機能の操作はこのリモコンからすべて行える

 リモコンに用意されている「EPG」ボタンを押せばEPGウィンドウが開き、画面に表示される番組表から録画したい番組を選択して予約できる。この付属リモコンも、家電製品に付属しているかのような、非常に扱いやすいもので、PCに付属するリモコンのなかでは、最も家電に近い感覚で操作できるだろう。

 今回利用した試用機では、FINESTATIONのβ版が導入されており、一部機能が正常に動作しなかったり、チャネルの切り替えがやや遅いといった現象があったが、それでもこれまでのPC向けTV関連統合ソフトと次元が異なるすばらしい操作性を体験できた。もちろん、これら問題は製品版では解消されるはずで、家電並またはそれ以上の操作性が期待される。

 このように、優秀なTV関連機能に加え、充実した基本スペック、高い省スペース性、スタイリッシュなデザインなど、コストパフォーマンスモデルとは思えないほどの完成度の高さを感じさせるEDiCube MRシリーズ。19インチの液晶ディスプレイ付属で15万円を切る価格面も魅力が高く、筆者も自信を持ってお勧めできる製品だ。

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