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» 2004年11月25日 06時00分 UPDATE

今日から始めるデジカメ撮影術:第10回 サッカーと望遠とレリーズタイムラグの関係 (1/3)

スポーツの秋、といっても秋に限ったことではないのだが、子供がサッカーや野球をしているのなら、撮影して残したいと思うのは親心というもの。ただし、激しく動く競技の場合はなかなかうまく撮れないものだ。今回は動きの速い被写体をどうとらえるか、を考えてみよう。

[荻窪圭,ITmedia]

 秋だっ。というわけで一応スポーツの秋ということになってるわけで、秋に限ったことではないけれども、子供が少年サッカーや少年野球に参加してると思えば練習や試合の写真を撮りたいと思うのが人情だし、身近なところで運動会でもいい。子供でなくてもプロの試合を観戦に行ったときなんか、デジカメを持っていたら競技を撮りたくなるはず。

 Jリーグなんて観に行くと今だにスタンドからフラッシュ焚いて撮ってる人がたくさんいるけれども、あれは無駄。フラッシュの光が届くのはせいぜい数メートルで、スタンドからフィールドまで届くことはあり得ないし、そんなに強いフラッシュがあったら選手の方も迷惑。フラッシュを発光禁止にしましょう。

 という話はさておき、今回はスポーツしてる子供を撮ろうということで、戸山サッカークラブの練習にお邪魔させてもらったのである。

スポーツを撮るのは基本的に難しい

 まず重要なことは、どんなにいいカメラを使っても、スポーツシーンを撮るのは難しい、ということ。野球のピッチャーやバッターを撮るのは比較的簡単。その場から動かないで投げたり打ったりしてくれるので、たくさん撮れば何枚かカッコいい写真は撮れる。

 でもサッカーのように選手が動き回るスポーツを撮るのは難しいのだ。ボールを持ってる選手を追ってしっかり画面に納める必要がある。これが結構難しい。次はピント。いろんな人が動き回ってる状態でボールを持ってる人にピントをうまく合わせるのも難しい。3番目はタイミング。カメラにも人にもシャッタータイムラグというものがあり、肝心の瞬間を撮り逃してしまうのだ。

 この3つは心に留めておいて欲しい。つまりデジカメを使おうがフィルムのカメラだろうが、動き回る被写体を撮るのは難しいということ。

 でも上手く撮れないからといって諦めることはなく、最初からある程度は失敗することを念頭に置いて、たくさん撮っておくのが一番大事なのだ。

望遠レンズが欲しいっ

 スポーツはどうしても遠くから撮ることになるので、望遠レンズが欲しくなる。

 実際にどのくらい違うのか。4倍ズームの「FinePix E550」で撮り比べてみた。普通、どのくらい撮れるか(つまり一度に写る範囲)は「35ミリフィルム換算」の値を使う。それまでのフィルムカメラの表記と合わせて比較しやすくするためだ。まあだいたい、フィルムのコンパクトカメラの3倍ズームが38-115ミリくらいだ。一般に200ミリまでいけばかなりの望遠である。

ki_s_DSCF0243.jpg 広角 32.5ミリ相当
ki_s_DSCF0228.jpg 望遠 130ミリ相当

 と、このくらい違うのである。一目瞭然である。広角側だと遠近感があって迫力があるし、全体を見渡せるのでフィールドの近くで撮ることができれば結構面白い写真になる。広角でスポーツを撮るのって面白いのだ。ただ、このように近くに来てプレーしてくれてる時以外は、肝心の被写体が小さくなっちゃうし、普通はあまり近づいて撮るわけにもいかないので望遠が欲しくなる。

 そこでフィールドの遠い側にいるとき望遠を使って撮ってみた。大きく撮れるようにはなったけど、ちょっと遠い。

 そこで秘密兵器の登場。一部のデジカメは「テレコン」(テレコンバージョンレンズ)というものを装着できる。レンズの前にさらにレンズを装着するのだ。「デジカメ用望遠鏡」みたいなものだと思えばいい。FInePix E550には1.9×のテレコンをつけることができ、倍率が一気に1.9倍に……つまり、7.8倍になるのだ。望遠側が130ミリ相当から220ミリ相当に伸びるのである。

ki_s_DSCF0238.jpg 望遠+テレコン
ki_e550.jpg FinePix E550にテレコンを付けた状態

 するとここまで寄ることが可能だ。まだちょっと遠いけど、これ以上近づくには2つしか手はない。

 ひとつは、超望遠デジカメを使うこと。そこでミノルタの12倍ズームデジカメ「DiMAGE Z3」を使って撮ってみた。12倍ズームというと400ミリ相当。カメラで400ミリというと超望遠で生半可な価格では買えないわけで、それを手軽に……しかも6〜7万円で楽しめるデジカメはすごいのである。こんな大ズームのフィルムカメラは一眼レフ+望遠レンズしかなかったからね。そういう意味でもすごい。

 で、420ミリだとここまで大きく撮れるのだ。

ki_s_PICT0102.jpg DiMAGE Z3の420ミリ

 もちろんズームで倍率は自由に変えられるので、ちょっと近い距離なら212ミリくらいに抑えることでこんな写真も撮れる。ボールに選手が集まってるときはうまく全員を入れてやると迫力が出るのだ。

ki_s_PICT0083.jpg DiMAGE Z3の212ミリ

 近距離で望遠端までズームすると

ki_s_PICT0108.jpg DiMAHE Z3の420ミリ

 と、こんなアップもOKだ。

 どアップで撮りたいけど、普通の3倍ズームデジカメしかない、というときはどうするか。そういうときのためにデジタルズームというものがある。3倍ズームのIXY Digital 50で3倍ズームと、さらに4倍デジタルズームをかけたもので比べてみよう。

ki_s_IMG_0425.jpg IXY DIGITAL 50の105ミリ相当
ki_s_IMG_0426.jpg さらに3.5倍のデジタルズームをかけてみた。大きくはなったが画像は荒れた

 デジタルズームを加えるとこんなにでかく撮れるのだ。105ミリに3.5倍だから約325ミリ。ただし、見てわかるように画質は落ちる。デジタルズームというのは「望遠で撮った写真の中央付近をトリミングして切り出して、拡大処理をしたもの」だからだ。真ん中だけを無理矢理拡大したため、どうしても画像が荒れる。

 ここをどうするかは思案のしどころ。ただデジタルズームも2倍くらいなら実用性十分だ。

タイミングとピントが大事

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