前回、前々回で購入した合計約50万円、総重量60キロ分のパーツもろもろ。
この企画のテーマは「最新/最強/最大/人任せ」である。今回は「人任せ」の部分に関して、パーツをショップ店員氏に選んでもらったものをなすがまま買うということだけではなく、実際に「じゃ、組み立てておいて頂戴。よろしく!」と組み立てまでお任せしてしまいたい。そのようなわけで今回は、PCパーツショップの組み立て代行サービスを利用してみることにした。
「自作PC」という言葉が意味するように、自分で組み立てる行程こそがおもしろいのことなのでは? という意見もおありだろう。しかし、この類のサービスを利用してみたということを意外に聞いたことがなく、組み立てにおける面倒さの解消はもちろん、何かプロの自作テクなどを発見できるのではという考えもあったのである。
早速組み立て代行サービスを行うフェイス秋葉原本店に出向いた。もちろん持ち込みは、編集担当を電話一本で呼び出し、愛車(ツーリングワゴン)を出させ、運転手までさせたことは言うまでもない。なぜなら人任せにしなければならないから。心なしかその重量で、ややウイリー状態になっていたことなど知ったことではない。
同店はPCパーツのほかに、3万円台からラインアップされるBTO対応のショップブランドPCや、パーツ一式をカスタムで揃えられる組み立てキットなども販売している。組み立て代行は、同店組み立てキットのオプションサービスとして用意され、価格はハード部分の組み立てで7350円、OSのセットアップで6300円(Windows 98/Meは8400円)となっている。
なお今回は特別に、複数のショップでバラ購入したパーツを持ち込んで組みたててもらった。組み立て代行サービスは同店のサポートセンターで行う仕組みとなっており、ショップに持ち込んで依頼することはできないようだ。一般ユーザーが利用できない方法となってしまい誠に申し訳ない。
とりあえずはじめは、CPUやメモリをマザーボードに搭載してから、ケースに組み込むのが定石だ。しかし、ケースの形状によって無駄のない段取りは変わってくる。ましてや、今回のものはご存じ巨大ケース、GuangHsing Industrial「GHS-1500」である。
PC組み立てにおいて経験豊富な達人、宮森氏も個人用途なのにこれほど巨大なものはまだ組んだことがないという。予想難易度は、5段階で“4”とのこと。巨大だから作業スペースも広く簡単なのでは、と思っていたのだがそうでもないようだ。
……早速達人、ケースを眺めながら何か考えていらっしゃる。何も考えずに組み立て始めてしまうのではなく、ドライブ系やケーブル配線の取り回しなど、全体的な設置イメージを想像しながら、シミュレートしているようだ。
……数分における熟考の結果、マザーボードを先に取り付けることに決めたようだ。
マザーボードを設置する後方片側の部屋に十分なスペースがあり、作業も問題ないだろうという判断であるとのこと。電源ユニットやドライブベイは別の部屋に設置するため、ミドルタワーケースに例えると、その約1台分のスペースがマザーボードだけに使えるようになっている。
またHS-1500は、ATXマザーのほかにサーバ向けのXeonマザーなどで採用されるExtended ATXなどの多様なフォームファクタなどを搭載可能だが、マザーベースにはATX規格にはこの穴を利用しろ、といったガイドがなかった。このため達人は、マザーを仮置きして、ねじ穴の位置をサインペンでマーキングしながら作業を行っていた。
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