IBMのPC事業、Lenovoへの売却が正式決定

» 2004年12月08日 12時22分 公開
[ITmedia]

 IBMのPC事業部(Personal Computing Division)が中国Lenovo Groupに売却されることが、12月7日、正式に発表された。買収は2005年第2四半期中の成立を見込んでいる。

 IBMの会長兼CEOであるサミュエル・J・パルミサーノ氏は「本日の発表は、IBMは急速に変化するIT業界において、最高の価値を持つチャンスをつかみとる能力をさらに強化するものだ」と述べた。同氏はまた、PC分野は家庭、家電の性格をより強めていくことが予想され、IBMはエンタープライズ分野によりフォーカスしていくと言い添えた。

 今回の買収により、LenovoのPC事業は従来の4倍に当たる、合計で年間約120億ドルの売上高となり、販売台数は1190万台と大きく拡大する。Lenovoは中国において認知度の高い自社ブランドに加え、IBMの「Think」ブランドを全世界で使用できることになる。IDCの2003年PC売り上げ調査によれば、LenovoとIBMのPC事業を合計すると、全世界におけるシェアは約8%となる。

 買収の一環としてLenovoとIBMは広範囲な戦略提携を結び、IBMはLenovoのサービス、顧客向け財務サービス提供で優先権を与えられる。LenovoはIBMへの優先的サプライヤーとなり、IBMは引き続き、エンタープライズ向け、中小企業向けクライアントのPCソリューションとして利用する。

 買収成立後は、IBMのPersonal Systems Groupで現在、上級副社長兼ジェネラルマネジャーを務めるスティーブン・M・ウォード・ジュニア氏がLenovoのCEO(最高経営責任者)となり、Lenovoの現副会長兼CEOの楊元慶氏が会長に就任する。

 新生Lenovo GroupはPC事業の世界拠点をニューヨークに置き、主要部門を北京とノースキャロライナ州ローリーに設置する。買収完了に伴い、Lenovoの社員数は1万9000人となる。IBM社員のうち約1万人がLenovoに移籍する。現在はそのうち40%が中国で、25%が米国で勤務している。

  IBMはLenovo Groupの株のうち18.9%を取得する。この取り引きがIBMの2004年第4四半期業績に与える影響は、最小限にとどまるとIBMは予測している。IBMはPC事業売却に伴い、少なくとも6億5000万ドルの現金と最高6億ドルのLenovo Group株を得る。Lenovo株は少なくとも3年間は保持する契約だ。LenovoはIBMから5億ドル分の負債を引き受けるため、合計17億5000万ドルの取り引きとなる。

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