「アキバ」に住んでみたいと思ったとき(後編)――アキバの住宅事情(2/2 ページ)

» 2004年12月28日 16時00分 公開
[古田雄介(アバンギャルド)&ITmediaアキバ取材班,ITmedia]
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アキバ近隣に格安物件が増えている

 とはいいつつも、9万円が最低ラインというのはやっぱりハードルが高いかもしれない。山手線沿線外であれば、中野周辺で7万円前後、新小岩方面まで行けば6万円前後で物件が見つかる。

 設備に多少の不足があってもいいから、より低価格な物件はないだろうか。

photo ダイアパレス東神田
賃料:7万2000円
管理費:なし
築年:1984年9月
住所:千代田区東神田2
アクセス:JR秋葉原駅 徒歩6分
※注:取材当時の情報のため、すでに契約が決まっていることがあります

 先のマンションよりやや浅草橋駅寄りにある物件だ。鉄骨鉄筋コンクリート造10階建ての分譲マンションだが、数戸を賃貸用としている。築20年と古く、約19平方メートルとやや狭いため、7万2000円と比較的安価に入居できる。「古いぶん、敷金や礼金が安く、管理費がかからないのでお得です」

 これなら学生などでも手が出そうだ。それでも激安という印象はちょっと薄いため、さらに粘ってより安い物件を聞き込んでみた。まだ交渉の段階ながら、3万円台が狙える物件も時にはあるという。年明けには引っ越しシーズン時期に入ってくるが、それに伴い物件数も増えてくると考えられる。

 「まだ多くはないのですが最近の流れとして、空きになった商業用テナントを改造した賃貸物件も増えています。そういった建物は配水管などの設備が変えられず、トイレや風呂が共同となるため、断然安価になります。現在弊社で交渉中の物件は6畳ワンルームほどの部屋で4万円を切ると思われるものもあります。」

 久保田氏曰く、オフィスビルが住宅化する理由として、不況のあおりでテナントが空いているため再利用を考えるオーナーと、学生やフリーアルバイター、若年社会人など都心における割安な住宅に対するニーズが増えたことが挙げられる。

 文京区や神田付近の大学に通う学生向けとして、これまで総武線亀戸駅や錦糸町駅辺りに決まることが多かった。しかし最近は、全体的に物件の相場が下がり、学生の住居地区が徐々にこちら側に移動している傾向にあるという。現在は、より秋葉原寄りの両国駅や浅草橋駅周辺に移動し、物件さえ増えれば、この流れが秋葉原まで進む可能性は十分にある。

photo オフィスビル群が集中する秋葉原駅から少し歩いたあたりのエリア。ビルこそは並んでいるが、確かに空きテナントも多い

 「しかし、大規模商業地区に賃貸用の居住物件が増加するのは、商業地として衰退することと同じ意味と考えることもできます。世界有数の電気街としては、過密気味にショップやオフィスが集中しているのが理想的かと思います」と、秋葉原駅近隣の居住物件数こそは増加するが、アキバの中心地そのものに居住物件が増える可能性は少なそうだ。

 「最寄り駅:秋葉原」はちょっと無理だとするなら、アキバにほど近い、例えば自転車で行ける距離ないし数駅で来られるエリアでもよさそうだ。

秋葉原の不動産業者とショップ店員氏がお勧めするアキバ近辺エリア
1位浅草橋
2位御徒町
3位神田
4位湯島
5位日暮里
6位両国
7位小伝馬町
※久保田氏とショップ店員氏の意見を総合させたもの

 上位に集まったのは、いずれも秋葉原駅から1駅で行けるエリアだ。「湯島」は近辺のいわゆる高級住宅地エリアで、家を構えるならとあくまで理想として選んだ人が多かった。なんだかんだ言って、ショップ店員も周辺地域をほどほどに研究されていると見える。

アキバのごく近辺に暮らすのは十分に現実的、でも「秋葉原」は無理?

 アキバが住みにくいという具体的な要因は、都心の商業地という性格から物件が少なく、賃料も高価であることが大きい。しかしJR秋葉原駅近辺は無理でも、アキバに出かけやすくほど近いエリアであれば物件は増加する。

 駅前再開発によって秋葉原駅周辺は、巨大なIT拠点へと大きく変わりつつある。一方、中央通り沿いへと足を運べば、PCパーツショップとアニメショップが混在するお馴染みの風景がある。

 電気街のオフィスビルを何棟も手がける某不動産業者の話では「低階層に空きが出れば、まず確実にアニメ系ショップが契約を希望しにくる」といい、その増殖具合がここからも伺える。

photo 現在アキバを象徴するような風景

 中心はかなりの裕福層が入居する高層マンションとPCパーツショップに電気街、加えてアニメショップ。特徴的な要素がほどよく混在するのが現在、そして近未来のアキバだ。秋葉原再開発地区の完成予定は2006年3月(秋葉原UDX)、そして常磐新線の開通予定は2005年秋。これらによってイメージが180度変わることはないだろうが、かなり変化するのではないかとも思われる。(編集部注:初出時「秋葉原再開発地区の完成予定は来年、常磐新線の開通予定は開通は2006年」とありましたが、正しくは上記の通りでした。お詫びして訂正いたします)

 住宅物件にスーパーに交通網、生活に必要なものはひと通り揃ううえ、物件数も増加傾向にある。アキバに――少なくとも毎日来られるほどの近隣に――住むということは、従来と比べて状況がよくなってきているということが分かった。

 年明けから上京予定の学生や社会人の引っ越し需要が増えてくるが、引っ越しを予定するアキバユーザーは、「アキバ」も条件に加えて探してみることをお勧めしたい。

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