携帯性を失うことなく高い堅牢性を実現した新世代B5モバイル──「dynabook SS MX/M10」東芝 新型dynabook SSシリーズ(1/2 ページ)

» 2005年01月19日 17時00分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

 Thin & LightモバイルノートPCの代名詞と言ってもよい東芝の「dynabook SS」シリーズに新モデルが登場した。従来のdynabook SSシリーズといえば、1スピンドルで極限まで薄型・軽量化を突き詰めたモバイルノートPCというイメージが強かったが、今回登場した「dynabook SS MX/M10」と「同LX/L10」の2モデルは、dynabook SSシリーズとしては久々となる2スピンドルノートPCである。

 とはいえ、従来のdynabook SSシリーズの特徴である薄型・軽量という特徴をきちんと受け継いでおり、2スピンドルのノートPCでありながら、非常に高い携帯性を実現している。しかもそれだけでなく、従来モデルを大きく凌駕する高い堅牢性も実現し、真のモバイルマシンと呼べる製品に仕上がっている。

 ここではその新型dynabook SSシリーズのうち、B5ファイルサイズのdynabook SS MX/M10を紹介していこう。

B5ファイルサイズの2スピンドルモバイルノートPC「dynabook SS MX/M10」

サイズを超えた堅牢性で内部パーツやデータを保護

 dynabook SS MX/M10の最大の特徴は、薄型・軽量の、いわゆるThin & LightモバイルノートPCながら、サイズを超えた高い堅牢性を実現しているという点にある。

 単純にノートPCの薄型・軽量化を突き詰めれば、当然ながら携帯性は上がる。だが、携帯性が上がって持ち歩く機会が増えると、それだけ不意のトラブルに遭遇する可能性も高まる。薄型・軽量化を突き詰めれば、逆に堅牢性は失われる方向になるため、ちょっとした衝撃で液晶パネルが破損したり、HDDがクラッシュしてデータが失われるといったトラブルが発生する可能性が高くなるわけだ。

 そこでdynabook SS MX/M10は、安心して携帯できる真のモバイルマシンを目指し、薄型・軽量化を実現しつつ、その中で可能な限り高い堅牢性を実現するという思想で開発された。それも、マシンの落下などに伴う外部からの衝撃や、キーボード面からの液体の浸入といった、日常でしばしば起こり得るトラブルに対する高い耐性が実現されているのである。

 まず、衝撃に対する耐性という点では、マシンの角となる部分にカーブを持たせたラウンドフォルムを採用したり、液晶ディスプレイ部を本体よりもやや小さくするといった本体デザインを採用することによって、マシン落下時の衝撃を分散させたり、液晶パネルに直接衝撃が伝わらないようにするといった工夫がなされている。もちろん本体素材はマグネシウム合金(液晶パネル裏面と本体底面、キーボード面の3面に採用)で、軽量ながらも高い強度を確保している。

dynabook SS MX/M10の前面と背面。本体よりも液晶ディスプレイ部がやや小さくなっていることが分かるだろうか

 また、本体前方の2つのコーナー部分が他の部分よりもやや外に出っ張っていて、その内部には若干の空間が取られている。この部分は「ショックプロテクター」と呼ばれ、車のバンパーのような役割を果たす。つまり、本体が落下した場合、このショックプロテクターを歪ませることで衝撃を緩和し、内部へ伝わる衝撃を減らすわけだ。

本体前方の2つのコーナー部分に設けられた「ショックプロテクター」

 HDDや液晶パネル、液晶のバックライトを光らせるFLインバータといった衝撃に弱いパーツは、ショックを吸収する特殊ラバーによって保護されている。さらにHDDと液晶パネルはその特殊ラバーのみで本体にフローティングマウントされ、一切ネジ止めされていない。つまり、外部からの衝撃が直接HDDや液晶パネルに伝わらないような構造になっているのだ。

液晶パネルのフローティングマウントに用いられている衝撃吸収用特殊ラバー(灰色/水色と黄色/緑色のもの;色や配置は量産機では異なる場合があります)。オレンジ色のフィルムは無線LANアンテナ

 さらに、3次元の加速度センサーを搭載することによって、さまざまな方向からの振動を感知し、HDDのヘッドを退避させる、という仕組みも用意されている。2次元の加速度センサーを搭載して同様の仕組みを実現している製品はすでに存在しているが、3次元の加速度センサーを搭載するのはこのdynabook SS MX/M10が初だ。加速度センサーが3次元になったことで、どういった角度の変化にも対応でき、より高い安全性が確保できるようになった。

 このように、外部からの衝撃に対するさまざまな保護構造を採用することによって、万が一本体を落としてしまった場合でも、HDDや液晶パネルが破損してしまう可能性を低く抑えているのだ。

 また、キーボードと本体の間には、液体の浸入を抑える保護シートが取り付けられた「ウォーターブロック構造」が採用されている。万が一キーボードに液体をこぼしてしまった場合でも、ある程度の量までならこのウォーターブロック構造が液体の浸入を遅らせることができるため、作業中のデータを保存しOSを終了させて電源を切る程度の時間を稼ぐことが可能となっている。

 これは、いわゆる防滴仕様ではないため、本体内への液体の浸入を完全に防ぐものではない。しかし、一般的なノートPCでは、キーボードに水などをこぼしてしまった場合、あっという間に本体内に液体が浸入し、ショートなどで基板が破壊されてしまう可能性が高いことを考えると、大いに歓迎できる仕様である。

 ちなみに、以上の堅牢性仕様は、A4ファイルサイズのdynabook SS LX/L10にもそのまま採用されており、同様の堅牢性が実現されている。

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